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西鉄、11年ぶりの新型車両「9000形」の試乗会を開催
運行開始に先駆けて天神〜筑紫駅間を往復
2017年3月21日 18:10
- 2017年3月20日 運行開始
西鉄(西日本鉄道)は、11年ぶりの新型車両となる「9000形」を発表した。3月20日より天神大牟田線に投入されることを記念して、2月に専用サイトで一般向け試乗会参加の募集を受け付けた。そして3月18日、高倍率をくぐり抜けた当選者を迎えて、西鉄福岡駅(天神)から筑紫駅間の試乗会を実施した。
筑紫車両基地で報道陣向けに公開された新型9000形
3月20日に運行開始となる新型車両9000形は、既存の3000形をベースとし、省エネルギー化を実現した通勤型車両。シルバーに西鉄伝統のロイヤルレッドのラインをもつ外観が特徴となっている。
車両車両制御装置は、VVVFインバータを2群、さらにSIV(静止型インバータ)が一体となり、トリプルモードのバックアップ機能を搭載している。そこに省エネ性能に優れた次世代半導体素子SiC(炭化ケイ素)を採用。軽量化が進んだ台車も省エネの要因となっており、軸受に密封複式円筒コロ式を採用し、乗り心地を向上させている。
白を基調とした明るい車内は、一人あたりの使用幅を20mm拡幅し、470mm幅となった9人掛けのロングシートに開放感のある透明の袖仕切りが組み合わせられ、大きく弓なりになったスタンションポールが乗客を適正な位置に着席させる効果も持っている。座面の傾斜も従来の3度から6度に設定され、着座状態から立ち上がる際の容易さに配慮。
通路中央には、川をイメージした模様が施されており、足元にラインが入ることによって、足を前方に投げ出さないような視覚効果を狙っている。大きく開放感のあるガラスは、UVカットガラスが採用されており、上下にスライド開閉する。優先スペースは床の模様パターンから無地のカラーに切り替えられており、感覚的に“優先”場所ということを意識させる配慮がなされている。
連結部分の通路は間口が大きく開けられ、ガラスを多用し見通しがよくなるようにデザインされている。乗降ドアは、足元や扉にイエローのラインが施され、頭上では注意喚起を促すランプが点滅する。
西鉄福岡〜筑紫間を往復する試乗会を実施
筑紫車両基地での撮影が終了し、9000形は関係者を乗せて福岡(天神)駅に向けて発車。一般向けの試乗会は、福岡(天神)駅を出発し筑紫駅まで向かい、再び福岡(天神)駅に戻ってくるルート。
試乗会には、2000通以上もの応募のなかから当選した総計146名が参加した。福岡(天神)駅で受付をした当選者は9000形がホームに到着すると指定された号車に乗り込み、真新しい車内の様子を興味深く観察。じっくりと細部まで撮影する姿が印象的だった。
11時20分、9000形は筑紫駅に向けて福岡(天神)駅を出発。2月より試験走行は行なっていたが、営業時よりも速度を落として走行。通常の試乗会当選者に向けて3両、さらにキッズ枠として16組の親子用にプラレールのジオラマが設置された1両、そのほかは関係者と報道陣用と、合計7両編成で福岡(天神)〜筑紫駅間を往復した。
9000形は、ほぼ正午に筑紫駅に到着し、ホーム上では運転士と車掌に花束贈呈が行なわれた。しばし記念撮影の時間が設けられたあと、再び福岡(天神)駅に向かって出発。13時02分に福岡(天神)駅に到着し到着。無事、試乗会は終了した。
4月には新たに8両が追加される予定
3月20日から運行が開始されるのは5両1編成。すでに10両が車両基地に待機していたが、3月30日に、残りの5両も走り始める予定。運行路線は西鉄天神大牟田線で、急行・普通電車として使用されるが、3〜7両編成と柔軟に対応していくとのこと。4月にはさらに8両が納入され、合計18両となる。
また、記念アイテムとして販売が開始された9000形オリジナルデザインの「nimoca」は、当初、準備数が500枚の予定だったが、試乗会には追加で用意され1000枚が準備された。この日の試乗会に参加した当選者(1名2枚まで)が購入したが、これ以降も、福岡(天神)駅・西鉄二日市・西鉄久留米駅・西鉄柳川駅の4カ所で購入することができるという。