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JALや北海道釧路市が協賛する未就学児の絵画コンテスト「第3回こども鶴の絵コンテスト」表彰式
「生物多様性」の保全・啓発活動の一環
2017年1月12日 00:00
- 2017年1月6日 実施
「最優秀賞」のほか「釧路市長賞」「JAL賞」など合計7つの賞が決定
JAL(日本航空)は1月6日、羽田空港JALメインテナンスセンター1で「第3回こども鶴の絵コンテスト」の表彰式を開催した。
この「こども鶴の絵コンテスト」は未就学児を対象とした絵画コンテストで、釧路・根室地方の観光振興を目的に幼児教育の「アンテナ・プレスクール」が主催。北海道釧路市、北海道観光振興機構、北海道新聞釧路支社、釧路新聞社、釧路観光コンベンション協会が共催。今回で3回目となり、JALも“鶴丸”にちなんで初回から協賛。
第3回こども鶴の絵コンテストは、JALの機内誌「SKYWARD」でも募集を告知。2016年7月1日~2016年9月30日までの期間中に147点(うち釧路市内から87点、道外から52点)の応募があり、アンテナ・プレスクールでの一次審査後、2016年12月22日に釧路市役所で最終審査。「最優秀賞」ほか「釧路市長賞」や「JAL賞」など合計7つの賞が決定された。
今回はそのうち北海道外在住者の表彰式を、JALの「羽田空港JALメインテナンスセンター1」で実施し、受賞者7名のうち3名が参加した。
「JAL SKY MUSEUM」で北海道外在住の受賞者3名へ表彰式を実施
表彰式が行なわれた羽田空港JALメインテナンスセンター1には、整備工場のほか、JALの歴史展示や仕事紹介を行なう体験型施設「JAL SKY MUSEUM」がある。今回受賞した作品は、年間12万人が訪れる人気施設となっているJAL SKY MUSEUMの一角に、1月6日から20日まで展示される。
表彰式は、JAL SKY MUSEUMに併設された教室で行なわれ、北海道観光振興機構賞の青山美怜ちゃん(栃木県)、釧路新聞社賞の松生和ちゃん(兵庫県)、釧路観光コンベンション協会賞の勝山瑞基くん(東京都)の北海道外在住の3家族が参加。
まず最初にJAL会長の大西賢氏からの挨拶では、「このコンテストの審査委員会には毎回出席していて、今回も出席を予定していたが、昨年(2016年)12月22日の釧路市は豪雪だったため私自身は参加できず、非常に残念だった。代理の担当者に選考を任せたが、私が選んでもこの作品を選んだと思う。やはり“飛ぶ”ことが私にとってはキーポイント。受賞した皆さんにお祝いを伝えたい。このコンテストには今後も継続して協賛していきたい」とコメント。
続いて主催者であるアンテナ・プレスクール校長の石井至氏から挨拶があり「未就学児とは思えない素晴らしい作品が多く、応募点数も昨年(第2回)と比べ倍増した。審査では激論が交わされ、例年に比べ非常に激戦だった。本当に受賞おめでとうございます」とコメント。すべての受賞作品について評価ポイントを丁寧に解説した。
「第3回こども鶴の絵コンテスト」受賞者一覧
最優秀賞:渡邊あいりちゃん(釧路市)
釧路市長賞:宮島珠実ちゃん(釧路市)
北海道観光振興機構賞:青山美怜ちゃん(栃木県)
北海道新聞社賞:伊藤瑠菜ちゃん(北海道滝川市)
釧路新聞社賞:松生和ちゃん(兵庫県)
釧路観光コンベンション協会賞:勝山瑞基くん(東京都)
JAL賞:阿部晃大くん(釧路市)
最優秀賞は「壮大で美しい釧路湿原の夕日を背景にタンチョウを描いた迫力ある作品」と評価。賞金3万円とJAL国内線往復航空券(ペア1組)、「JAL工場見学~SKY MUSEUM~【展示エリアコース】ご招待(ペア1組)」を贈呈。
表彰式では、受賞者に石井校長と大西会長の代読でひとりひとりに賞状や盾が贈られ、受賞作品と共に記念撮影。受賞者ひとりひとり、こだわった点や難しかった点などをそれぞれ一言ずつコメントしていった。
今回表彰式に参加した北海道観光振興機構賞の青山美怜ちゃんの作品は「構図がキレイでタンチョウの躍動感も表現されている」と評価され、賞状とキュンちゃんぬいぐるみセットが贈られた。
釧路新聞社賞の松生和ちゃんの作品は「迫力がある頭のどアップで、先入観に囚われずに描かれている」点が評価され受賞、賞状と楯が贈られた。
最後に釧路観光コンベンション協会賞の勝山瑞基くんの作品が紹介され「親子の愛情を優れた技法で描かれた作品」と評価。賞状と賞品の図書カードが贈られた。
JAL賞は北海道在住の阿部晃大くんが受賞したが、JALの担当者が審査会に代理で参加して選考された。石井校長からは「夕日を背景に飛翔するタンチョウの雄大さが表現されている。背景のオレンジを削るという技法も独特で素晴らしい」と解説。「JAL工場見学~SKY MUSEUM~【展示エリアコース】ご招待(ペア1組)」、モデルプレーン、白タンマスコットが副賞として贈られた。
「JALグループ生物多様性方針」の一環、生物多様性への取り組みを今後も継続
表彰式後に行なわれた大西会長への囲み取材では、このコンテストがJALの取り組む生物多様性の保全・啓発活動の一環であることが説明された。「2010年以降、多くの方に支えられてJALが経営再建するなかで、なにか恩返しをしていきたいと考えていた」という。そのころ2010年に生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で実施され、その貢献を決心。それ以来、生物多様性への貢献を続けているという。
釧路市への関わりという点でも、大西会長は鶴丸のロゴに戻した初フライトで釧路へ着陸する際、夕日を受けて飛翔するタンチョウの姿に迎えら印象がとても強いとのこと。航空機と同じで助走が必要なタンチョウに共感も感じるそうだ。2012年からは「JALタンチョウフォトコンテスト」も実施している。
現在は生物多様性を育みたいという気持ちをさらに強くし「JALグループ生物多様性方針」を制定し、社員もタンチョウの保護活動に参加するなど関わっているという。今回のコンテストもこうした生物多様性への取り組みの一環で行なわれている。
また、国際航空業界では昨年、二酸化炭素を排出しない取り組み「CNG2020」を制定、国際民間航空機関(ICAO)が協定として発行するなど「パリ協定」(COP21)を受けた具体的な取り組みを他業界に先駆けて進めているという。
「旅行でもビジネスでも、航空会社はもともと多様性があるからこそ成り立っている仕事。その多様性を育むことに今後も関わっていきたい」と語った。