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ラタム航空がセミナー開催、南米3カ国の観光PRと自社の最新情報を紹介
アルゼンチン、エクアドル、コロンビアの3カ国
2016年10月13日 00:00
- 2016年10月4日 開催
ラタム航空グループは10月4日、東京・芝公園のザ・プリンス パークタワー東京において、「第2回ラタム南米スペシャリストセミナー」を開催した。ラタム航空グループは南米で最大のネットワークを持つ航空会社であり、そのなかで今回は、アルゼンチン、エクアドル、コロンビアの3カ国について現地を熟知するプレゼンターを招き、各国の魅力や見どころなどを紹介した。
アルゼンチンは治安がよく、ワイナリー訪問がお勧め
まずは、メルコスール観光局 アドバイザーである池谷光代氏が登壇し、アルゼンチンについて紹介した。メルコスール(南米南部共同市場)は1995年に発足した関税同盟で、域内のサービスや生産要素の自由な流通を目指す共同市場。現在は、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、ボリビアの6カ国が加盟している。ボリビアは各国議会の批准待ちで議決権はない。
アルゼンチンは南アメリカ大陸の南部に位置し、日本の国土の約7.5倍である278万km2の広大な土地を有する。人口は約4076万人で首都はブエノスアイレス、公用語はスペイン語で通貨はアルゼンチン・ペソを用いる。国土は南北に広く、さまざまな気候地域を擁しており、見どころも盛りだくさんとのこと。
最初は首都であるブエノスアイレスを紹介。ここも有名な観光地だが、市内を2階建ての観光バスが走っていることからも南米のなかでも治安はよいとのことだ。見どころとしては、メトロポリタン大聖堂やタンゴ発祥の地として有名なカミニートなど有名な観光地も数多くあるが、世界で2番目に美しいとされている書店「エル・アテネオ・グランド・スプレンディド」もお勧めの一つだそうだ。
次に紹介されたのは北西部にあるクージョ地方。アンデス山脈にほど近いこの地方は冬はウインタースポーツが盛んだが、なんといっても有名なのはワイン。そのなかでもメンドーサ州はワインの大生産地であり、世界第5位の生産量を誇るアルゼンチンにおいて70%がここで生産される。1200もあるワイナリーの訪問や南米最高峰のアコンカグア山(標高6962m)を望むツアーが人気とのことだ。
最後は北西部にあるサルタを紹介。スペイン統治時代の面影が色濃く残る街には、豪華に装飾された教会や街並みを一望できるロープウェイがあり、眺望も抜群とのこと。サルタ高地考古学博物館には6739mの高地で発見されたインカ時代の3体の有名なミイラが展示されており、ここでしか見られない貴重なものだそうだ。
街を離れると世界で一番高い場所を走る「雲の列車」、広大な塩田であるサリナス・グランデ、7色の丘やウマワカ渓谷といった多くの観光名所があるとのこと。また、南部にあるラス・コンチャス渓谷の近くのカファジャテは白ワインの産地として有名だそうだ。
バナナだけではないエクアドル
南米スペシャリストセミナーの2番目に紹介されたのはエクアドル。首都であるキトに2年半居住していたフリーランス通訳・ライターである津島杏莉氏がプレゼンターを務めた。津島氏は現地の旅行会社に勤務していたこともあり、「あまり知られていないエクアドルですが、バナナだけではないんだぞ!」と紹介した。
エクアドルは南アメリカ大陸の西部に位置し、赤道直下の国として有名。国土は日本の約3/4ほどの25.6万km2で、人口は約1650万人。公用語はスペイン語で通貨は米ドルを用いる。産業収入は石油を除くと、バナナが1位、2位がエビで3位が観光となっているが、日本からの渡航者数は2015年で5321人ととても少なく、エクアドルとしてもこれから日本での認知度を高めていきたい意向だそうだ。
首都であるキトは標高2850mと高地にあるが、ボリビアの首都であるラパス(標高3593m)だと具合が悪くなってしまう高山病に弱い津島氏でも大丈夫だったとのこと。赤道直下にあり、赤道記念碑も有名な観光スポット。記念碑は天体観測で位置を特定した古いものだが、現在ではさらに高精度なGPSを使って計測した結果、150m離れた場所に赤道があることが判明。そこに赤道博物館を建設し、現在の赤道がマーキングされているとのことだ。
16世紀の南米におけるキリスト教の布教拠点であった旧市街地は「キトの市街地」として世界遺産にも登録されており、数多くの教会が存在する。そのなかでもゾウガメやイグアナの彫刻が施された「バシリカ教会」がお勧めとのこと。そのほか、独立広場や見学可能な大統領府、羽の生えたマリア像など、見どころが多いのもキトの魅力とした。
次にキトからの日帰りスポットを紹介。キトの北西に位置するミンドは、クルマで2時間ほどの場所にあり、緑がとても多い場所。別名“ハチドリの楽園”とも言われ、世界中からバードウォッチャーが集まる場所として有名だそうだ。また、カカオの栽培も盛んで、チョコレート工場の見学もお勧めとのことだ。
津島氏はさらに紹介を続け、標高5897mの美しく雄大なコトパクシ山、市街地の建築物が世界遺産に登録され、パナマハットの生産で有名なクエンカ、大自然が残るアマゾンにガラパゴスと、小さな国であるが、魅力あるロケーションがたくさん存在するので、南米の旅行地候補の一つとして取り上げていただければと締めくくった。
過ごしやすい気候ときれいな海があるコロンビア
南米スペシャルセミナーの3番目は、コロンビア大使館通商部 貿易アドバイザーである玉城瞳子氏がコロンビアについて紹介した。
コロンビアは南アメリカ大陸の北西部に位置し、パナマ、ベネズエラ、ブラジル、ペルー、エクアドルと接し、カリブ海と太平洋に面している。国土は日本の約3倍の114万km2で、人口は約4800万人。公用語はスペイン語で通貨はコロンビアペソを用いる。
首都であるボゴタは、気候的には年中秋のような過ごしやすさが特徴で、コロンビアは赤道の近くに位置するので季節はなく、標高で気候が分かれるとのこと。ボゴタは標高2640mに位置する。
その高地にあるボゴタのなかでも高いところにあるモンセラーテの丘は標高3152mにあり、市内を一望できる景観スポットとして有名。市街地では、カンデラリア地区という旧市街には歴史的な建造物や圧倒的な数の黄金装飾物が展示された「黄金博物館」、ふくよかな人物を描くコロンビアを代表する画家であるボテロの作品を展示している「ボテロ美術館」など、有名な観光スポットもある。
そのほかでは、おしゃれなショップやホテルが立ち並ぶ「ロサゾーン」、高級レストランがあり伝統的なコロンビア料理も楽しめる「Gゾーン」、蚤の市や地元民もよく利用する「ウサケン」がお勧めとのことだ。
続いて紹介したのが、カルタヘナとロサリオ諸島。カルタヘナはカリブ海に面した港町であり、街の象徴ともいえる「サンフェリペ要塞」や迷路のように入り組んだ旧市街は観光客にも人気のスポット。最近ではコロニアル様式の景観が残るヘツェマニ地区も再開発が進んでおり、おしゃれなバーやカフェが立ち並ぶホットなゾーンとして注目だそうだ。
ロサリオ島はカルタヘナから船で1時間ほどの場所にあり、「これぞカリブ海!」といったエメラルドグリーンの美しいマリンリゾートで、キレイな海を楽しみたい方はこちらにも行っていただきたいと話していた。
最後に紹介したのはメデジン。盆地に位置しており、山に向かう裾野には貧困地区があったが、コロンビアで初めて地下鉄やケーブルカーといった交通網を整備するなどし、街の活性化につながった。
そのかいあって米紙ウォールストリート・ジャーナルとシティグループが実施した「今年の最も革新的な都市」コンテストにおいて2013年は1位に輝いている。メデジンは温暖で、常に春のような気候が特徴。そのため、花の栽培がとても盛んな地域でもある。毎年7月下旬から8月上旬にかけて行なわれる「花まつり」はとくに有名で、多くの観光客が訪れるそうだ。ほかに、メデジンから約60km離れたところにある「ペニョル岩」も最近は人気があり、約700段の階段を上がった先には周囲のダム湖を見渡せる絶景ポイントなので、こちらもお勧めとのことだ。
南米3カ国へのアクセス方法を紹介
3カ国の紹介が終わり、セミナーの最後はラタム航空グループの日本地区副支社長である山田剛氏が登壇し、ラタム航空の最新情報について紹介した。ラタム航空はチリのサンティアゴに拠点を置いたラン(LAN)航空とブラジルのサンパウロに拠点を置いたTAM航空が2012年に合併した、南米最大のネットワークをもつ航空会社だ。
今回はスペシャルセミナーで紹介したアルゼンチン、エクアドル、コロンビアの3カ国へのアクセス方法を中心に紹介。日本からの直行便はないので、北米の空港を経由して南米に向かうのが一般的と説明。JALとのコードシェア便もあるのでそれらを使って、ニューヨーク、ロサンゼルス経由で南米に入ることもできるとのこと。
アルゼンチンは14都市と結んでいる。ロサンゼルスからリマ経由でブエノスアイレスに入るルートと、ニューヨークからサンパウロ、もしくはリマ経由でブエノスアイレスに訪問できるルートを毎日運航している。
エクアドルは国内の5都市を結んでおり、北米からは、ニューヨーク~グアヤキル線、マイアミ~キト線を毎日運航しているとのこと。
コロンビアは国内20都市をカバーしており、飛行機で効率よく移動できると紹介。北米からは、マイアミ~ボゴタ線が毎日飛んでいるのでこちらの利用がメインになるかと思われるが、もう一つの方法としてペルーのリマからも毎日運航しているので、リマ経由でコロンビアに入る方法も利便性が高いとした。
そのほか新しいニュースとして、2016年10月2日にヨハネスブルク~サンパウロ線とワシントンDC~リマ線が就航した。サンパウロへはバルセロナと結ぶ便が6月に就航していることも付け加えられた。
なお、ラタム航空が保有している機材は338機で、新規発注機材数は200機あり、常に最新の飛行機にリプレースするようにしているという。エアバス A350 XWB型機、ボーイング 787-9型機も南米の航空会社で最初に導入したとのこと。
山田氏は最後に「今後も新たな路線を開拓しつつ、お客さまに満足していただけるエアラインを目指していく」と締めくくった。