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JAL、資生堂の「笑顔講座」デジタルコンテンツ版を試験運用
CAがタブレットに向かって「120%の笑顔」をトレーニング
2016年6月21日 22:36
- 2016年6月21日 発表
JAL(日本航空)は6月21日、資生堂が化粧品・美容情報の開発を通じて長年蓄積してきた「顔・表情の印象研究」をベースに構築、デジタルコンテンツ化された「笑顔講座」を、約5000名のCA(客室乗務員)のタブレット端末に導入し、2016年7月1日~9月30日の3カ月間試験運用を行なうと発表した。同日、資生堂の汐留オフィスにて「笑顔講座」と「笑顔デジタルコンテンツ」に関する説明会が開催された。
資生堂の「笑顔講座」は表情研究から生まれ、2008年から学校や企業などの多くの現場で開催され、延べ受講者数は約6000人を数えているが、デジタルコンテンツ化されたのは今回が初めて。
このデジタルコンテンツを用いてJALのCAは時間と場所を問わず「笑顔講座」の内容を習得することができ、自分を客観視しながら表情筋トレーニングを行なうことで、コミュニケーションにおいて重要な「笑顔力」を磨き、より高品質な機内サービスの実現につなげていくとのこと。
一方、資生堂は、JALの試験運用を通して、コンテンツのユーザビリティや利用することによる笑顔に対する意識や行動の変化などフィードバックを受け、それをもとに機能を改良し、2017年以降の実用化を目指す。コミュニケーションづくりや、美肌や見た目印象の向上を目的とした美容領域への活用にとどまらず、笑顔を起点とした健康領域も視野にさまざまな分野での活用を検討している。
素敵な笑顔を身に着けることで、コミュニケーション力を高める
まず最初に、資生堂のビューティークリエーション部 ビューティーソフト開発グループのグループマネージャーである高野ルリ子氏による、笑顔講座を実際に受講。
笑顔講座が誕生したきっかけは、学校の教職員から「感情や表情を上手く表現できない」「上手に笑顔ができない」など、子供たちのコミュニケーション力が乏しいとの声があり、資生堂の顔・表情研究を活用し「笑顔の大切さを学び、素敵な笑顔を身に着けることを通じてコミュニケーション力を高める」ことを目的としてスタートした社会貢献活動の一環とのこと。
親しい友人との挨拶時の笑顔や、重要な会議でのプレゼンテーション時の笑顔など、シチュエーションごとの笑顔の違いを確認する「スマイル度チェック」や、親しみやすい、信頼感があるなどの、見た側が持つ印象を考える「スマイルの印象を考えよう」、メイクをしているときとしていない場合の印象の違いなどが解説された。
表情を豊かにするための「フェースマッスルプログラム」の解説では、実際に表情筋の柔軟運動からはじめ、各エクササイズを披露。数分のエクササイズで受講者の表情がにこやかに変化する様子が見られた。
デジタルコンテンツ化で、時間と場所を問わず「笑顔講座」を習得
資生堂のビューティークリエーション部 ビューティーソフト開発グループの石川智子氏からは、デジタルコンテンツ化に関する説明があった。JALのCAタブレット端末に導入された笑顔デジタルコンテンツは、人の目で主観的に判定してきた笑顔を、タブレット端末のカメラ機能で撮影・認証して数値化し、印象判定と記録をすることで、他人に与える笑顔の印象を客観的に分析することができるという。備える機能は以下の5つ。
ライブエガオ
写った顔の笑顔レベルと印象指標(信頼感・気品・魅力・美しさ・好感・親しみ・活発さ)をライブ表示し判定する
トレーニング
画面半分にトレーナーの表情が表示されることで、自己流にならずしっかりと表情筋エクササイズができる
ゲーム
普段しない表情の練習や自分の苦手な笑顔レベルを自ら認識するために、さまざまな笑顔に挑戦する
きもち日記
その日のきもちを笑顔レベルで記録する