タイ東北地方の歴史と自然の魅力に触れる旅 悠久の時を刻む古代クメール遺跡を巡る 紀元前2500年前の土器を間近に感じる「バンチェン遺跡」

クンパワピー(紅い睡蓮の海)より北東方向に40kmほど向かうと、「バンチェン遺跡」という先史時代の世界文化遺産があります。ウドーンターニー市内から直接向かうと東へ約50kmという場所になります。ここには、埋葬された人骨と素焼きの土器が発掘された状態で保存された遺構が、ワット・ポー・シー・ナイという寺院境内にあります。バンチェンのシンボルにもなっている、渦を巻く模様を持つ土器の実物をぜひ間近に見てみてください。

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1992年に人類学を勉強するハーバード大学生ステファン・ヤングさんが、地表に出ている何かにつまずいたのがきっかけで発掘作業が行われた、という逸話があり、その後に大規模な発掘が行われています。ウドーンターニーの観光地で見る犬のマスコット「クン・トーン・ボラーン」は、ここで発掘された犬がモチーフになっているとのこと。

今回訪れたのは遺構のみだったのですが、ここ以外にバンチェン国立博物館も隣接されています。こちらにも貴重な出土品が多数展示されていますので、ぜひ見学してみてください。

※ なお、写真をクリックすると写真が拡大され、写真の説明も表示されます。

タイ東北地方の歴史と自然の魅力に触れる旅

ワット・ポー・シー・ナイという寺院境内では土器などが発掘された状態で展示

バンチェン遺跡

また、この付近では藍染めの織物が盛んで、遺跡周辺のお土産屋で、土器の小物とともにたくさん売られています。お土産にもイイ感じです。

 

迫力ある奇妙な岩のオブジェと出会う
「プー・プラ・バート歴史公園」

プー・プラ・バート歴史公園でもっとも見応えのある「U-saタワー」

ウドーンターニー市内から西に約72km走ったところに「プー・プラ・バート歴史公園」があります。ここは、11世紀あたりまで仏教の祭事場としても使われたとされる、キノコのような形をした奇妙な石と岩が集積した一帯となっていて、ぜひ一度は見ておきたい場所です。プーが「山」でプラ・バートは「聖足跡」を意味しているとのこと。ガイドが同行して、電動バギーを使った解説ツアーにての見学ですが、岩場をけっこう広範囲に歩き回るので、時間に余裕を持ち運動靴で行くことを強くオススメします。

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この岩場は加工されたモノではなく、ほぼすべてが自然にできた形状であるのが特徴。一部で祭事場用に使われた柱が立っていたり、仏像が置かれた祠や仏像、壁画がありましたが、それ以外は自然が作り出した神秘のオブジェのようです。小さい岩に屋根のような平たい巨石が乗っているところもあって、見応えは十分です。過去に崩落した石もあるとのことで、かなりスリリングな場所もあります。残念ながら、壁画は風化してしまったのかほとんど判別がつきませんでしたが、地球の自然が作り出す岩場の神秘性にはおおいに感動します。

プー・プラ・バート歴史公園

超快適なロングドライブができるタイ郊外

さて、そろそろウドーンターニーから離れ、120kmほど南の「コーンケーン」に向かいましょう。沿道にはタイの国花となっているゴールデンシャワーが、時折並木となって咲いていて、とってもキレイです。

ルートは日本の高速道路にあたるアジアハイウェイ2号線を南下するだけと、たいへんわかりやすいです。高速道路と言っても無料で自由に出入りでき、車線も案内も分かりやすく、今回のルートでは最高制限速度は120km/hでした。日本の高速道路とは違い、側道脇に露天があったり、人や牛、場合によっては象が歩いていたりするのもタイならではですね。

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コーンケーン

ところで、タイといえばオートバイ天国。いたるところでタンデムしたオートバイに出会えます。それも女性でも日常の足としてガンガン活用しているのに驚かされます。運転の際には、オートバイの動きには十分注意が必要ですが(特に夜間)、おおらかなタイの人たちは運転もおおらかなので、こちらが安全運転をしていれば心配は無用です。

オートバイ以外でもバンコク市内ではあまり見かけなくなった三輪オートの「トゥクトゥク」ですが、ウドーンターニー周辺では「スカイラブ」という独特の三輪オートが大活躍しています。これはオートバイがベースになっていて、車が3輪になったトゥクトゥクとは、似ていますが明らかに形状が異なります。コーンケーンまではスカイラブを見かけますが、それより南に来るとトゥクトゥクになります。これら三輪オートは、タクシーに使われたり、出店としても活用されてたりします。

ドライブ中の休憩には、大きめのガソリンスタンドが便利。たいていカフェやレストラン、コンビニ、トイレなどが併設されていますので、休憩で困ることはまずありません。

道路脇では露天が出ていて、おそらく近くで収穫された特産品を持って来ていると思われます。スイカとか、トウモロコシ、蜂蜜、バーベキューなど、エリアによって売られているモノが刻々と変化していくのがとっても楽しいです。時間が許す限り、ところどころ立ち寄って見てみてください。お店は、ほんとうにたくさん出ているので、あまり寄り道していると、時間が無くなってしまうかも。まず英語は通じないので、翻訳アプリや指差しジェスチャーで、楽しみながらコミュニケーションしてみてください。

 

タイ東北地方の歴史と自然の魅力に触れる旅

7月24日(水) 19:30より東京・神保町インプレスセミナールームで読者イベントを開催します。タイ国政府観光庁 東京事務所長 パッタラアノン・ナチェンマイ氏、マーケティングマネージャー 藤村 喜章氏、今回記事を執筆した村上 俊一氏など豪華ゲストをお迎えして、動画と未公開写真を交えてタイ東北部 イサーン地方の魅力をたっぷり語ります。応募締切は7月12日24時、申込みは こちらから