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JR西日本、SLやまぐち号に旧型客車を模した新製客車を2017年9月に導入

デゴイチが引く列車の実現も。一部停車駅をレトロ調に

2017年9月より運行

旧型客車「オハ31」をベースに展望デッキを増設した客車のイメージ図。外観はマイテ39に近い。見かけは旧型客車だが、新製客車らしく台車は2軸で制振ダンパーを搭載。連結器は密着タイプの自動連結器を採用。屋根にはユニットクーラーらしき突起部も確認できる

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は3月30日、「SLやまぐち号」用の客車を新製し、2017年9月に投入すると発表した。編成は5両、定員は240名、普通車4両とグリーン車が1両という編成になる。

 製造される客車の型式は不明だが、戦前に製造されSL全盛期に活躍した一等展望車「マイテ49」、普通車「オハ35」「オハ31」を模した外観になる。1号車のグリーン車は展望デッキを備える「マイテ49」を模した車両、普通車のうち2号車~4号車は「オハ35」がモデル、5号車は明かり取り窓が屋根にある「オハ31」をイメージしつつ、同じく展望デッキを備え、「マイテ39」のような外観になる。

「SLやまぐち号」用新製客車の編成と設備

 新造車両となるため、バリアフリー対応で、設備としてベビーカー置き場や温水洗浄機能付きトイレ、多目的室、販売カウンターなど、現代の車両と同等の設備を備え、快適性を向上させている。また、SLを体験、学べるフリースペースが設置される。

マイテ49を模した車両のインテリア
マイテ49を模した車両には外に出られる展望デッキを備える
「オハ35」を模した車両のインテリア、木製をイメージしたボックスシート
「オハ31」を模した車両のインテリア、天井には明かり取り窓をイメージした構造に
ベースとなった「マイテ49 2」。東海道本線の特急「富士」用などの一等車として製造され、近年ではSLやまぐち号にも使用された実績がある。現存している貴重な旧型客車のひとつ
戦前から戦後を通じて普通列車用の客車として全国で活躍
本格的な鋼製客車として戦前を中心に普通列車で使用された

 また、SLやまぐち号が運行する山口線の沿線のうち、新山口駅、地福駅などを昭和レトロ調に改修し、SL列車の旅がより楽しめるようにするとしている。

 JR西日本では、SL「D51 200」の本線運行復活を2017年に予定しており、SLやまぐち号をレギュラー運行する「C57 1」だけではなく、「D51 200」と今回投入される新客車の組み合わせも実現しそうだ。

JR西日本が動態保存するSL「D51 200」、通称「デゴイチ」。2017年度の本線運行の復活に向けて準備が進められている

編集部:柴田 進