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阪神タイガースOB 吉田義男氏らが参加した、スカイマーク「タイガースジェット」お披露目記念式典

タイガースジェットはパイロットの発案で実現

2016年5月20日 開催

神戸空港のスカイマーク格納庫で行なわれた「タイガースジェット」お披露目記念式典

 5月20日、神戸空港のスカイマーク格納庫において「タイガースジェット」のお披露目記念式典が開催された。ボーイング 737-800型機に特別マーキングを行なったタイガースジェットは4月27日に運航が始まっており、このお披露目式典はスカイマークの基幹空港でもある神戸空港において、改めて地元兵庫県・神戸市の関係者、阪神タイガース関係者を迎えて実施されたものになる。

ボーイング 737-800型機に特別マーキングなどを行なっている

 記念式典はスカイマーク 代表取締役会長 佐山展生氏の挨拶からスタート。佐山氏は「おかげさまで3月28日に民事再生の終結宣言をいたしました。業績も皆さんのご支援もあり、当初は今年の3月期は収支がトントンかなと思っておりましたが、営業利益を15億円出すことができました」とスカイマークの現状を説明。

 また、今後の目標について「航空会社ですので、まずは安全。これは譲れませんが、次いで定時性。これは格段に上げてきています。少し前はスカイマークというと『遅れる』という印象をお持ちの方もおられたようですが、例えば今月の定時性は94.2%。95%というのが上位のメドであるものの、ただ上位に食い込むというだけではダメなんです。我々は、定時性日本一を目指します」と語り、そのうえで「さまざまな企画やサービスを行なっていきたい」と述べた。

 続いて神戸市長 久元喜造氏が登壇。まず、タイガースジェットの就航によって阪神タイガースの存在を大いにアピールしていること、そして機体側面にタイガースのマークとともに神戸空港開港10周年のロゴを配置したことについて感謝の意を表した。

 久元氏は「このジェット便の就航を契機にさらに(タイガースに)よい成績を上げていただきたいと思います」とユーモアを交えつつも、「関西の空の世界は大きく変わりつつあります。この4月からは、関西国際空港、伊丹の大阪国際空港が関西エアポート株式会社によって運営されることになりました。神戸空港も関西全体の航空事業の拡大の中でしっかりとした役割を果たすことができるように、私たちも全力で努力をしていきたいと思います」とコメント。

 阪神タイガース 取締役社長の四藤慶一郎氏は「新生スカイマークが新たに考えていらっしゃる会社の使命のひとつ『地域との共生』。私ども地域に支えられている球団といたしまして、地域の発展に貢献していく、あるいは地域の活性化に貢献していく、というところにつきまして、共鳴させていただいた次第です」と今回のコラボレーションについて語った。

スカイマーク株式会社 代表取締役会長 佐山展生氏
神戸市長 久元喜造氏
株式会社阪神タイガース 取締役社長 四藤慶一郎氏

就航地と神戸空港をリボンでつなぐセレモニー

セレモニーに用いられたボード

 各代表の挨拶が終わったところで、次に行なわれたのは壇上に設置されているボードを使ったセレモニー。ボードには、神戸を囲むように新千歳、茨城、羽田、長崎、鹿児島、那覇と、スカイマークが就航している6都市が配置されている。今回はこれらの就航地にパネルを貼りつけ、パネルのリボンをボード中央の神戸につなぐことで、神戸空港からタイガースジェットの各都市への就航を祝うというものだ。

 久元市長、四藤社長に加え、阪神電気鉄道 取締役 百北幸司氏、大阪航空局 神戸出張所 所長 栄徳三久氏、兵庫県 県土整備部 県土企画局長 衣笠達也氏、神戸商工会議所 副会頭 薮本信裕氏が壇上に上がり、6都市を神戸に接続。その後、親善大使スマイル神戸の額田星香さんが神戸の位置に神戸空港10周年のロゴパネルを設置し、最後に佐山会長と阪神タイガースOBの吉田義男氏がタイガースジェットのパネルを貼って、セレモニーを締めくくった。

神戸市長 久元喜造氏が新千歳を、阪神タイガース 取締役社長 四藤慶一郎氏が茨城を、阪神電気鉄道 取締役 百北幸司氏が羽田、と東日本と神戸をつないだ
大阪航空局 神戸出張所 所長の栄徳三久氏が長崎、兵庫県 県土整備部 県土企画局長 衣笠達也氏が鹿児島、神戸商工会議所 副会頭 薮本信裕氏が沖縄とそれぞれ神戸に接続
中心に神戸空港10周年のパネルを貼る親善大使スマイル神戸の額田星香さん
仕上げとしてタイガースジェットのパネルを設置する佐山会長と阪神OBの吉田義男氏
完成したセレモニーボード

阪神OBとタイガースジェットの発案者によるスピーチ

 記念式典後、阪神タイガースOBによる挨拶が行なわれた。吉田義男氏は「今日のこのタイガースのジェット機を見まして、タイガースも変わったものだなと。隔世の感があります」と話し、三宅秀史氏は「神戸はいろんな震災に遭ったことも、震災にかかわらず前のこともよく存じております。空の下から飛行機を眺めておりますが、ぜひ利用させてもらいます」とコメント。入団してから60数年、阪神一筋という2人はタイガースジェットの存在に感嘆していたようだ。

1953年に阪神に入団し、選手としてまた監督として活躍した吉田義男氏
吉田氏と同期で名三塁手として知られた三宅秀史氏

 また、江本孟紀氏は「阪神タイガース自体は今まだ小型機で3000メートルしか飛ばないと思いますが、もうすぐ1万メートルぐらい飛んでいくと思いますので、皆さん期待をしてあげてください」と、上田次朗氏は「これから先、(タイガースジェットで)関東からもそして、九州、沖縄、そして北海道から、どんどんと甲子園球場にファンを集客して、送っていただきたいと思います」と話した。

 また、佐山会長の呼びかけで、今回のタイガースジェットの発案者であり、記念式典に先駆けて行なわれた招待飛行の機長であるパイロットの益田敏弘氏が挨拶する一幕も。益田氏は「昨年、佐山会長と懇親会があり、どうすれば神戸を活気づけることができるかなと思いまして。『神戸市、阪神、そしてスカイマークのコラボレーションはできますでしょうか』と言ったところ、佐山会長がその場で『よし、やろう!』ということでそのまま話が進んだのですが、どこまでできるか知りませんでした」とタイガースジェットのきっかけについて説明しつつ、益田氏自身、企画が実現して驚いたと語った。

野球評論家でおなじみの江本孟紀氏
投手として活躍し中日キラーで知られた上田次朗氏
自身も機長としてタイガースジェットを操縦する発案者の益田敏弘氏

 なお、フォトセッション後に行なわれた囲み取材で佐山会長は、「タイガースジェットを飛ばすだけだとあまりおもしろくないので、『タイガースジェットに乗ったらこんなおもしろいことがある』ということを考えています。例えばある便に乗ったら、江本さんが解説してくれるなどですね」と発言。佐山会長によると新しい企画やサービスについては、「他の会社ではできないことを前向きに進めていきたい」とのこと。今回のタイガースジェットに続く、「他の航空会社では真似できないこと」が期待されるところだ。

(丸子かおり)