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JR北海道、北海道新幹線の暫定終点駅「新函館北斗駅」を公開
2016年3月26日開業。函館駅まで「はこだてライナー」で17分
(2015/12/10 18:34)
- 2015年12月10日 実施
JR北海道(北海道旅客鉄道)は12月10日、2016年3月26日に開業する北海道新幹線 新青森駅~新函館北斗駅間の暫定終点駅となる「新函館北斗駅」を報道陣に公開した。なお、北海道新幹線は15年後の2030年度に札幌までの延伸を目指して工事が進められている。
北海道新幹線の新函館北斗駅は、函館本線の函館駅から6駅目、17.9kmの地点にある渡島大野駅に併設する形で設けられた駅で、北海道新幹線の開業後に渡島大野駅は新函館北斗駅として改称する。また、新函館北斗駅~函館駅間は、開業に併せて新幹線と接続するシャトル便「はこだてライナー」が運行され、快速列車は約17分、各駅停車は約20分でアクセスできる。同区間は、北海道新幹線の開業に併せて電化されており、はこだてライナーは、733系1000番台電車(3両編成)により運行が行なわれる。ちょうど、報道公開の最中も733系の試運転列車が発着していた。
新函館北斗駅は、地上ホームとその上にある橋上駅舎と一般的な鉄道駅と同じスタイルをしており、新幹線の改札は2階部分に1カ所、在来線との乗り換え改札は1階のホーム部分と2階の改札部分の2カ所となっている。駅の出入り口は、北口と南口の2カ所でバスやタクシーのロータリーは南口に集中している。また、改札外には駅の南北を繋ぐ通路も整備されている。
新幹線ホームは2面2線の構成となっており、青森方面が11番線、札幌方面が12番線となる。なお、12番線は島式ホームとなっており、札幌まで延伸した時には、13番線を設けられるスペースが確保されている。近隣には北海道新幹線の車両基地が設けられているため、同駅発着の列車も設定される可能性は高い。
新函館北斗駅としての開業に伴い、在来線部分もホームを拡張し2面4線の構成となっている。北海道新幹線の11番線と並ぶ形で1番線・2番線ホームが設けられており、11番線と1番線・2番線ホームは、中間に改札は設置されるものの、そのまま繋がっているため、階段の上り下りなく乗り換えることができる。1番線は、はこだてライナーの専用ホームとなっており、車止めのある始発駅の構造。2番線は札幌方面への列車が使用するホームだが、JR北海道によると、列車によって函館方面の特急列車なども発着を検討しているという。新函館北斗駅の開業に併せて、函館駅~札幌駅間の特急「スーパー北斗」と「北斗」の全列車が同駅に停車する。3番線・4番線は島式のホームとなっており、森駅方面から来る函館本線の函館方面への普通列車や特急の通過待ちなどに使用される。さらに、4番線の外側には、ホームは無いが貨物列車などが使用する待避線も敷かれている。
新函館北斗駅の設備
新幹線ホームの設備としては、2階の改札を結ぶエスカレータとエレベータ、階段をそれぞれホームの中央に1基ずつ設置。ホーム上にはほかにも、待合室と喫煙所が設けられている。また、ホーム上にはホームドアや25mおきに列車停止ボタンが設けられており、安全対策も図られている。
2階の新幹線改札内には、授乳室を備えた待合室とキオスクの店舗、お手洗いが設けられている。12月10日現在では、まだ駅舎内の店舗は整備されておらず、予定の地のスペースが設けられているのみとなっていた。
お手洗いは、男女と多目的用の3つがあり、男性用のトイレ内にもベビーチェアや子供用の洗面台、おむつ替え用のベビーシートが備えられている。多目的用お手洗いの室内には、ベビーチェアやベビーシート、オストメイトなどが揃っている。
2階の新幹線改札外には、みどりの窓口と自動券売機3台が設置される。みどりの窓口のカウンターは3つ設けられる予定で、インバウンド対応として英語と中国語を話せるスタッフも常駐する。
駅舎内の2階には北斗市の観光案内所と駅弁をイートインで食べられる店舗が入る予定となっている。また、1階はイベントなどを行なえるギャラリーコーナーと、地元の特産品を販売するアンテナショップがオープンする。
駅舎内の内装に使われているレンガは、かつて新函館北斗駅の近隣にレンガ工場があったことに由来している。ほかにも、木製のインテリアは道南の杉を使用。白い柱は同じく近隣のトラピスト修道院の並木道をイメージしており、地元のシンボルを各所に採用したデザインとなっている。
南口の駅前は、タクシープールとバスプール、一般車用の乗降場と駐車場が整備されている。駅の函館側には立体駐車場も建設されており、地元の人が車で駅まで来て、新幹線に乗れるような仕組みが備わっている。駅前には、レンタカー店7社、ホテル複合施設、レストランなどが整備される予定。12月10日現在、これらの施設はいずれも建設中であり、駅前の整備はこれからといった印象だ。なお、北口は数軒の民家があるほかは畑が広がっており、目立った商業施設は確認できなかった。
新函館北斗駅の駅長に就任する予定(現在は新函館北斗開業準備駅の駅長)のJR北海道 鳴海正氏は、報道陣からのインタビューに答えて「開業に向けての準備は順調に進んでおり、全力投球で取り組んで参ります。私は国鉄時代に入社し、ずっと地元の函館で青函連絡船や、青函トンネル開業などを見守ってきました。こうして新幹線が北海道まで来る日を迎えられると思うと感慨深いものがあります」と語った。鳴海氏は、五稜郭駅長や函館駅長などを歴任。3月26日より新函館北斗駅の駅長として40名近いスタッフを率いていく。
なお、JR北海道では、12月12日に奥津軽いまべつ駅、12月13日に新函館北斗駅と木古内駅の一般向け駅舎公開を予定している。新函館北斗駅は事前予約制となっており、すでに申し込みは締め切っているが、木古内駅(11時~14時実施)と奥津軽いまべつ駅(11時~14時実施)は時間内であれば自由に見学できる。