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スカンジナビア航空、北極ルート開設60周年記念で往復航空券が当たるキャンペーン実施

東京~コペンハーゲン間がキャンペーン価格で7万円から、SNSで未来のエアラインのアイデアを募集

プレスカンファレンスの出席者。中央左から、規制関連業務 役員 ハンス・オロングレン氏、SASグローバルセールス&レベニューマネージメント 副社長 アンネリー・ナッセン氏、アジア太平洋地区 総支配人 レイフ・ニルソン氏

 SAS(スカンジナビア航空)は2月23日、北極ルート60周年を記念した取り組みとして、SNSを利用して、東京~スカンジナビア間の往復航空券が当たる「#SNSPIONEER」キャンペーンを開始した。また、2月21日より、東京~コペンハーゲン間の航空券がお得になる「北極ルート開設60周年記念セール」も開催している。

 SASは、1957年に世界で初めて北極ルートを開設し、それまで東京から約55時間かかっていたヨーロッパへの渡航時間を大幅に短縮した。香港、タイ、インドなどを経由する従来の「南回り」から、北極圏を通る「北回り」の飛行に成功したことで、東京~コペンハーゲン間の渡航時間が20時間短縮された。また、ツーリストクラスの導入、機内エンターテインメント(ビデオやオーディオをはじめとしたモニターシステム)の導入、女性パイロットの採用など、航空業界で初めての試みを導入して、業界を牽引してきた実績がある。

北極ルート開設60周年記念で、お得な運賃のキャンペーンと、SNSを利用した往復航空券プレゼントキャンペーンを開催

 SNSキャンペーンは、そうした先駆者(パイオニア)であることから、「未来のエアライン」で提供されるサービスや、未来を想像したビジョンをSNS(Facebook、Twitter、Instagram)で募集する。ハッシュタグ“#SASPIONEER”を付けて投稿すると、抽選で1名に、東京~スカンジナビア間(コペンハーゲン、ストックホルム、オスロのいずれかの1都市)の往復航空券がプレゼントされる。期間は2月23日~3月9日。

 また、「北極ルート開設60周年記念セール」として、3月3日までに予約をすると、すべてのクラスで航空券が割安で購入できるキャンペーンも開催中。例えば、東京~コペンハーゲン間で、ビジネスクラス「SAS Business」が26万5000円~、プレミアムエコノミー「SAS Plus」が11万5000円~、エコノミークラス「SAS Go」が7万円~(すべて税金・燃油サーチャージを含む)。SASが一番お勧めするのは、プレミアムエコノミークラスとのことだ。

 概要は以下のとおり。

キャンペーン概要

キャンペーン名称:「#SNSPIONEER」キャンペーン
キャンペーン期間:2017年2月23日~3月9日
応募方法:未来のエアラインに「こんなサービスがあったらいいな」と思うサービスや、想像する未来のエアラインなどを、ハッシュタグ“#SASPIONEER”を付けて投稿。(FaceBookでの投稿は、SAS ニュースフィードに投稿)
賞品:東京~スカンジナビア往復SAS Go航空券(コペンハーゲン、ストックホルム、オスロのいずれかの1都市)
発表:SASのFacebookページ

キャンペーン名称:「北極ルート開設60周年記念セール」
キャンペーン期間:2017年2月21日~3月3日
適用都市:コペンハーゲン、ストックホルム、ヨーテボリ、オスロ、ベルゲン、ヘルシンキ、スタバンゲル
運賃:SAS Business 26万5000円~、SAS Plus 11万5000円~、SAS Go 7万円~(すべて税金・燃油サーチャージ込)

これまでの取り組みや今後の戦略などを発表、現在の課題も明確に

SASの今後の戦略や北極ルート開設60周年記念の取り組みなど説明する、グローバルセールス&レベニューマネージメント副社長 アンネリー・ナッセン氏

 SASは、1957年2月24日に北極ルートを開設してから60年。60周年を記念したキャンペーンがスタートする2月23日に、これまでの取り組みや、今後の予定などを報道陣向けに発表する「SAS 北極ルート60周年記念プレスカンファレンス」を都内で開催した。来日したグローバルセールス&レベニューマネージメント副社長 アンネリー・ナッセン氏、アジア太平洋地区総支配人 レイフ・ニルソン氏、規制関連業務役員 ハンス・オロングレン氏が出席。アンネリー・ナッセン氏は今までの実績や課題、今後の戦略などをスライドを使って説明した。

 SASの日本人への対応として、日本路線には日本人の乗務員が常時2名乗務する。コペンハーゲン空港は、小さい空港だが、そのぶん乗り換えのストレスが少なく、日本路線には日本人スタッフが3名いる。すべての動線に日本語が表記され、今まで日本人が迷った報告がないという。

規制関連業務 役員 ハンス・オロングレン氏
アジア太平洋地区 総支配人 レイフ・ニルソン氏も質問に回答する

 現在抱えている問題は、「LCCとどう対抗していくか」について。コスト削減のため人件費を見直し、乗務員の多くをスカンジナビアから、イギリスおよびスペインに移すことによって労働コストを下げたという。また、従来は、さまざまな機材を保有していたが、機材を少なくすることでメンテナンスのコストを下げることに成功している。

 現在、日本路線で運用している機材はエアバス A340。2019年から、A350が長距離路線に投入されていく予定となっている。東京路線はSASにとって重要で、優先度も高いが、11時間35分のフライトのため2機が必要となる。2機を調達できるタイミングまでは入れ替えはされない。SASとしては、東京オリンピックの開催までに導入されることを望んでいるという。

日本路線は日本人乗務員が常時2名乗務。コペンハーゲン空港でも日本人スタッフが在駐する
2019年からA350が長距離路線に投入される予定。東京路線は東京オリンピックまでの導入を希望している

 SASは、乗務員がリアルタイムにさまざまな情報を受け取ることが可能な「デジタライゼーション」に力を入れている。現在、すべての乗務員がiPadを携行しており、予約や乗り継ぎ便などの情報を瞬時に取り出すことができる。例えば、預けた荷物が搭乗便に載っていないことが飛行中に判明しても、次の便で来る荷物の届け先を伝えれば、ターンテーブルで待つ必要がなく、遅れて届いた荷物が届けられる。また、フライト中に到着が遅れそうなことが分かった場合、乗り継ぎをする乗客が何名いるのかが表示され、乗り継ぎ便の変更手続きをし、何時にどこのゲートに行けばいいのかをフライト中に案内することが可能となっている。

 また、フライト中のサービスとして、現在、日本からの長距離路線では全クラスでWi-Fiを利用できるが、航空機1機に対しての通信の制限があり、1機あたり12Mbit/secとなっている。今夏から導入予定の短距離、中距離の路線では、乗客1人あたり12Mbit/secまで拡大する。

 日本のSASとして次の目標は、成田空港から羽田空港に移行することだという。移行時期は、次に羽田空港のスロットが拡張したタイミングを目指している。成田空港と比べ、国内線の乗り継ぎが飛躍的によくなるため、日本各地からSASへの乗り継ぎ、またはSASから日本各地への乗り継ぎが便利になり、より日本~スカンジナビア間が近くなる。