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NEXCO東日本、「長野自動車道 小仁熊橋床版取替工事(上り)」の現場を公開

2基の120トン オールテレーンクレーンを使い、高耐久の床版に交換

2016年9月13日 公開

2016年9月4日~11月30日 対面通行規制

長野自動車道 小仁熊橋床版取替工事の全景。上り線を封鎖、上下1車線の対面通行に規制して行なう。現場はダム湖上にある

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は9月13日、「長野自動車道 小仁熊橋床版取替工事」を報道陣に公開した。小仁熊橋は、長野自動車道 安曇野(あずみの)インターチェンジ(以下IC)から麻績(おみ)IC間にある、長さ197mの橋。小仁熊ダム湖上にある。

長野自動車道 小仁熊橋床版取替工事の場所(NEXCO東日本 プレスリリースより)
車線規制の模式図。一度走行車線に集めてから反対車線に誘導する

 9月4日から昼夜連続で上下各1車線通行可能な対面通行規制を実施して工事中。下り線側が走行車線で、上り線側で工事を行なっている。車線規制は、8月29日からの予定だったが、台風10号の影響にて9月4日からに順延となった。対面通行規制は2016年11月30日まで。2017年5月のゴールデンウィーク終了後からは下り線の施工を予定していて、全体の工期は2017年12月27日まで。施工は横河ブリッジ。

 現在、NEXCO東日本では、2015年から長期にわたり、橋の架け替えなど抜本的補修する「高速道路リニューアルプロジェクト」に取り組んでいる。通常の補修工事に比べ長期の交通規制が必要になるが、最新技術を使って施工するため、機能向上や長寿命化が期待できる。今回の小仁熊橋床版取替工事は、老朽化した鉄筋コンクリート(RC)床版を新しく耐久性の高いプレキャストプレストレストコンクリート(PcaPC)床版に取り替えるという工事となる。

長野から松本方面へ進行(上り)して規制の様子を追ってみる。追い越し車線を走行車線に1本化する
走行車線から追い越し車線側に誘導
追い越し車線1車線になった
反対車線へ誘導される
下り車線側で対面通行になった
工事現場に近づいてきた。大きなクレーンが見えてくる
工事箇所の横を通過
下り車線側で対面通行になっている
対面通行の終了を告げる看板
対面通行終了の分岐部分
逆側の松本から長野方面へ進行(下り)して規制の様子を追ってみる。追い越し車線を走行車線に1本化する
走行車線のみに規制された
対面通行が始まる
対面通行部分
工事箇所の横を通過
対面通行終了部分
交通規制終了

 床版取替工事では、道路上に2基の120トン オールテレーンクレーンが向き合うように置かれ、橋の中央部分から取替えていき、徐々に2基が遠ざかっていくような形で進められる。床版は道路を中央から路側にかけて輪切りしたような形状で、98枚で構成される。交換前の床版が230トン、交換後が220トンある。交換後、床版同士は間詰めコンクリートで間が埋められ、路側の外側にフロリダ型壁高欄(鉄筋コンクリート製)が作られる。

小仁熊橋床版取替工事について説明
交換のため剥がした古い床版の損傷具合。説明はNEXCO東日本 改良II担当 鏡浩志氏
古い床版の表面部分の損傷具合。補修した表面だけでなく内部も痛んでいる
古い床版の裏面部分の損傷具合。裏面にこのようなヒビが見えてしまうのは損傷が激しい証拠
古い床版の内部鉄筋にもサビがひどい
工事現場を遠目に見る。このあたりの床面はこれから剥がす古い床版
打音検査をすると、劣化した部分は乾いた音がするので判別できる
交換工事部分を上から見る。クレーン間の中央にある床版は交換済みの部分
工事現場の近景。手前側の古い床版を剥がす作業中
剥がしたあとに残ったコンクリートをブレーカーで削り砕いて除去
さらに表面をなだらかに削っている
120トン オールテレーンクレーン全景
剥がされた古い床版は、クレーンを使ってトレーラーに乗せる
慎重にトレーラーに乗せる。乗せた後には破片が飛ばないようブルーシートで覆っていた
こちらは古い床版を引き剥がす時に使う大型のジャッキ
古い床版は中央で2つにカットされている
貫通した丸い穴がジャッキアップ時に使うために開けられている
新しいプレキャストPC床版が設置された部分。ここから手前側に向けて新たに設置されていく
接続部分にはサビ止め塗装された鉄筋が入る。この鉄筋は重なるように組まれ、間詰コンクリートで埋められる
工事現場の下には、小仁熊ダムのダム湖が広がる。このため現場の作業にも制限が多い
近くにある姨捨(おばすて)SA(上り)。2014年3月に「ドラマチックエリア姨捨(上り線)」としてリニューアルオープンしている

 なお、2016年11月30日までの工事期間中は、特に9月~10月にある週末の3連休初日に上り線で最大4km、下りで最大13kmの渋滞(ピーク時間帯17~18時)が発生することが予想されている。休日に近辺を通行する際は注意。なお、取材時の平日昼には、渋滞にはなっていなかった。