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西武鉄道、SEIBU KPP TRAINも登場した「西武・電車フェスタ2016 in 武蔵丘車両検修場」
車両整備実演やグッズ・部品販売など
2016年6月8日 13:38
- 2016年6月5日 開催
- 武蔵丘車両検修場
西武鉄道は、沿線住民やファン向けのイベント「西武・電車フェスタ2016 in 武蔵丘車両検修場」を開催した。武蔵丘車両検修場は、埼玉県日高市にある西武鉄道最大の車両検修(点検修理)施設。開催日の6月5日は朝方降った雨もすぐに上がり、薄日がさす過ごしやすい日曜日。約1万1000人(西武鉄道調べ)のファンが詰めかけ、通常は目にすることのできない車両検修設備の見学、体験、電車撮影会、鉄道部品やグッズの販売、ライブなどを楽しんだ。とりわけ電車ファンの子供を連れた家族ファミリーが多く見受けられたイベントだった。
当日会場へは、西武池袋駅発と元町・中華街駅発、所沢駅発の臨時列車が運行され、これらは武蔵丘車両検修場内の臨時発着所に直接到着した。所沢駅発の臨時列車は、当日ステージが予定されていた電車ものまねの立川真司さんが乗車し、パフォーマンスをするイベント列車になっていた。これら直通臨時列車は、通常運行はしない線路上を走行し検修場の建屋内部に停車し乗降するという、なかなか貴重な体験ができる。前日の6月4日から運行を開始した、きゃりーぱみゅぱみゅさんの代表曲をモチーフにした特別電車「SEIBU KPP TRAIN」が停車していて、そのデザインを見ることができた。なお、この特別電車は電車撮影会にも登場した。
なお臨時列車を使わない場合は高麗駅から徒歩(約12分)もしくは、飯能駅からの無料送迎バスを利用して正面玄関側からも訪れることができた。
広大な屋内には車両がそのまま展示されている。10000系ニューレッドアロー2台は乗務員室(運転席)の見学ができる。この人気は高く、常時1時間以上の行列となっていた。
黄色い電車の2000系は、外装の塗り替えで、古い塗装を落とす途中の状態という珍しい展示。線路のゆがみを修正する保線車「マルチプルタイタンパー(通称マルタイ)」の展示や、トラバーサーと呼ばれる検修場内で車両を平行移動させる大がかりな装置の乗車体験なども行なわれていた。
屋根上の見学も行なわれていて、通常は間近で見ることのできないパンタグラフやクーラー部分をじっくり見学することができた。
会場中央にあるステージでは、電車ものまね「立川真司」さんや「スギテツ」と「小笠原 聖」さんのライブ、キャラクター大集合などのプログラムが行なわれていた。
屋外では電車撮影会も実施され、2016年6月4日から運行開始した「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんの代表曲をモチーフに、その世界観をラッピングしたピンクの特別電車「SEIBU KPP TRAIN」と、2016年1月17日に二代目「L-train」としてデビューした、埼玉西武ライオンズロゴとチームカラーのレジェンドブルーでラッピングされる9000系「L-train」が並んだ。多くの鉄道ファンが順番待ちの列に並び、カメラを向けていた。
いくつかの車両検修作業は実演もされていて、とても人気が高い。もっとも大がかりな、30000系を使った台車入れ実演を手順を追ってお見せしよう。これは1日2回の実演が行なわれた。
また、今回はじめて車輪圧入作業の実演も行なわれた。こちらも詳しく紹介する。車輪圧入は、点検のため分解された車輪に輪軸を入れる作業。輪軸脱着装置という高圧のプレス機で圧力をかけて圧入する。この装置は約1億円ほどするとのこと。
たくさんの実物を使っての列車操作や検修場作業の体験型の展示がされているのもこのイベントの特徴。主制御器(列車のスピードをコントロールして運転する装置)操作、ブレーキ操作、パンタグラフ操作、エンジン付き保線用トロッコ「レールスター」といった作業車への乗車、ゴムリングをはめ騒音を抑制した丸リング車輪の打音、ポイント手返しといった体験ができる。どれも子供のファンに大人気の模様。架線作業車とレールスターへの乗車は整理券の配布があった。
また、緊急時以外押すことのない、ホーム上や踏切の非常ボタンを押したり、車両内から緊急時に乗務員と通話をする非常通報体験もあった。
キッズ向けにミニ電車(30000系と5000系)・機関車(E31型)コーナーや、制服を着ての記念撮影コーナーが設けられ、家族での写真撮影スペースとして終始賑わっていた。撮影は係員に頼めば、撮影もしてもらえる。
車両検修場ならではの展示として、電車を動かすモーターや、ブレーキと自動ドアを動かす圧縮空気を作るコンプレッサー、車輪や台車などがある。内部や仕組み、歴史が分かるように解説展示されているのも特徴。
大きめのスペースをさいてNゲージの鉄道模型とジオラマの展示もあった。そこでは、「西武鉄道の貨物列車」と題した模型展示もあり、西武鉄道で運用された貨物列車の歴史を追うことができて、なかなか見応えがあった。多くの人が精巧なジオラマに見入っていた。
鉄道関連の物販ブースも数多くある。その一部を紹介しよう。特に西武鉄道では、Tシャツやハンカチ、ICパスケースなどのグッズ先行販売があり、終始長蛇の列になっていた。
屋外にもミニSLの運転や今年から新たに追加された体験のポイント手返し体験、西武観光バスの展示などがあった。
飲食の出店も多数あり、食べそびれてしまうようなことはない。広い芝生の「休憩・お遊び広場スペース」も用意されていて、休憩をとりながらファミリーがのんびりと楽しめるイベントとなっていた。
この西武・電車フェスタは毎年恒例のイベントとなっている。鉄道ファンはもとより、沿線の皆様もぜひ足を運んでみて欲しい。