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西武鉄道、SEIBU KPP TRAINも登場した「西武・電車フェスタ2016 in 武蔵丘車両検修場」

車両整備実演やグッズ・部品販売など

2016年6月5日 開催

武蔵丘車両検修場

「西武・電車フェスタ2016 in 武蔵丘車両検修場」の電車撮影会に登場した、きゃりーぱみゅぱみゅさんの世界観をラッピングした特別電車「SEIBU KPP TRAIN」と、埼玉西武ライオンズロゴとカラーでラッピングした9000系「L-train」

 西武鉄道は、沿線住民やファン向けのイベント「西武・電車フェスタ2016 in 武蔵丘車両検修場」を開催した。武蔵丘車両検修場は、埼玉県日高市にある西武鉄道最大の車両検修(点検修理)施設。開催日の6月5日は朝方降った雨もすぐに上がり、薄日がさす過ごしやすい日曜日。約1万1000人(西武鉄道調べ)のファンが詰めかけ、通常は目にすることのできない車両検修設備の見学、体験、電車撮影会、鉄道部品やグッズの販売、ライブなどを楽しんだ。とりわけ電車ファンの子供を連れた家族ファミリーが多く見受けられたイベントだった。

 当日会場へは、西武池袋駅発と元町・中華街駅発、所沢駅発の臨時列車が運行され、これらは武蔵丘車両検修場内の臨時発着所に直接到着した。所沢駅発の臨時列車は、当日ステージが予定されていた電車ものまねの立川真司さんが乗車し、パフォーマンスをするイベント列車になっていた。これら直通臨時列車は、通常運行はしない線路上を走行し検修場の建屋内部に停車し乗降するという、なかなか貴重な体験ができる。前日の6月4日から運行を開始した、きゃりーぱみゅぱみゅさんの代表曲をモチーフにした特別電車「SEIBU KPP TRAIN」が停車していて、そのデザインを見ることができた。なお、この特別電車は電車撮影会にも登場した。

 なお臨時列車を使わない場合は高麗駅から徒歩(約12分)もしくは、飯能駅からの無料送迎バスを利用して正面玄関側からも訪れることができた。

西武池袋駅発で武蔵丘車両検修場内に直行運転をする臨時列車。埼玉西武ライオンズカラーにラッピングされた「L-train」が使われた
武蔵丘車両検修場に近づくと車両がたくさん止まっている。特別電車「SEIBU KPP TRAIN」も停車中
特別電車「SEIBU KPP TRAIN」横を通り過ぎる
日高市のマスコットキャラクター「くりっかー」と「くりっぴー」、従業員が手を振ってお出迎え
直通臨時電車は車庫内の臨時発着所に到着。。帰りの直通臨時電車も同じ場所から乗る
車庫内に到着
ICカード対応の臨時改札が用意されていた
1階に降りると車両の下まわりもよく見える
到着時にキッズには、先着限定でオリジナルステッカーを配布

 広大な屋内には車両がそのまま展示されている。10000系ニューレッドアロー2台は乗務員室(運転席)の見学ができる。この人気は高く、常時1時間以上の行列となっていた。

 黄色い電車の2000系は、外装の塗り替えで、古い塗装を落とす途中の状態という珍しい展示。線路のゆがみを修正する保線車「マルチプルタイタンパー(通称マルタイ)」の展示や、トラバーサーと呼ばれる検修場内で車両を平行移動させる大がかりな装置の乗車体験なども行なわれていた。

 屋根上の見学も行なわれていて、通常は間近で見ることのできないパンタグラフやクーラー部分をじっくり見学することができた。

 会場中央にあるステージでは、電車ものまね「立川真司」さんや「スギテツ」と「小笠原 聖」さんのライブ、キャラクター大集合などのプログラムが行なわれていた。

武蔵丘車両検修場の全景
2000系は塗装のやりかえで、古い塗装を落とす途中での展示
10000系ニューレッドアローは、乗務員室(運転席)の見学ができる。大人気で常時長蛇の列
大きな保線機械のマルチプルタイタンパー。制服記念写真撮影もできる
電車の屋根上も見学できる。パンタグラフ部分
大型のクーラー
トラバーサー上に乗車体験ができる
意外と速いスピードで動いていく
西武鉄道の駅員さんキャラクター「スマイルちゃん」(左)と「レイルくん」(右)に出会えた
こちらは、埼玉県のマスコットキャラクター 「コバトン」(左)と「さいたまっち」(右)
ステージも用意され、ライブやものまねなども楽しめた。写真は「スギテツ」と「小笠原 聖」さんのライブ
地元や関連のキャラクターなどが集まったキャラクター大集合
電車ものまね「立川真司」さんは、いつも鉄道ファンに大人気。今回は英語アナウンスネタに会場が盛り上がった

 屋外では電車撮影会も実施され、2016年6月4日から運行開始した「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんの代表曲をモチーフに、その世界観をラッピングしたピンクの特別電車「SEIBU KPP TRAIN」と、2016年1月17日に二代目「L-train」としてデビューした、埼玉西武ライオンズロゴとチームカラーのレジェンドブルーでラッピングされる9000系「L-train」が並んだ。多くの鉄道ファンが順番待ちの列に並び、カメラを向けていた。

電車撮影会に並んだ「SEIBU KPP TRAIN」と「L-train」
SEIBU KPP TRAINの正面
L-trainの正面

 いくつかの車両検修作業は実演もされていて、とても人気が高い。もっとも大がかりな、30000系を使った台車入れ実演を手順を追ってお見せしよう。これは1日2回の実演が行なわれた。

台車入れ換えのコーナー。巨大なリフト4基が使われる。手前にあるのが入れる台車
最初は仮台車に乗っている。リフトを上昇させる
徐々に車体が上がっていく。仮台車が見える
仮台車を車体下から移動させる。台車は人力で動かしている
車体の下から台車が完全になくなった状態。なかなか見ることはない
台車を入れる。これも人力で動かしていく
台車を移動中
車体を下げていく
車体を下げつつ、台車の位置は、細かく微調整している
台車入れ完成

 また、今回はじめて車輪圧入作業の実演も行なわれた。こちらも詳しく紹介する。車輪圧入は、点検のため分解された車輪に輪軸を入れる作業。輪軸脱着装置という高圧のプレス機で圧力をかけて圧入する。この装置は約1億円ほどするとのこと。

車輪圧入作業は、輪軸脱着装置を使って行なう
圧入作業開始!
輪軸脱着装置のプレス部分に正確に持ってくる
車軸を完全に水平になるように調整しているところ
正確に入るか細かく微調整している
実際にはまる部分には潤滑剤を塗っておく
加圧開始。ボタンが押される
ラムと呼ぶ棒の様なモノがゆっくりと出てきて、圧力がかかる
車軸が圧入されていく
圧入が完了した。もう片方も同じように圧入すると完成
かかっている圧力はリアルタイムでグラフ表示される。途中一度少し落ちているのは潤滑剤のため。赤のラインを超えないように圧をかける

 たくさんの実物を使っての列車操作や検修場作業の体験型の展示がされているのもこのイベントの特徴。主制御器(列車のスピードをコントロールして運転する装置)操作、ブレーキ操作、パンタグラフ操作、エンジン付き保線用トロッコ「レールスター」といった作業車への乗車、ゴムリングをはめ騒音を抑制した丸リング車輪の打音、ポイント手返しといった体験ができる。どれも子供のファンに大人気の模様。架線作業車とレールスターへの乗車は整理券の配布があった。

 また、緊急時以外押すことのない、ホーム上や踏切の非常ボタンを押したり、車両内から緊急時に乗務員と通話をする非常通報体験もあった。

 キッズ向けにミニ電車(30000系と5000系)・機関車(E31型)コーナーや、制服を着ての記念撮影コーナーが設けられ、家族での写真撮影スペースとして終始賑わっていた。撮影は係員に頼めば、撮影もしてもらえる。

ブレーキ操作体験
各車両のブレーキシュー
パンタグラフ操作体験
行先表示機(方向幕)操作体験
踏切非常ボタン操作体験
ボタン操作で警報信号が動作する

 車両検修場ならではの展示として、電車を動かすモーターや、ブレーキと自動ドアを動かす圧縮空気を作るコンプレッサー、車輪や台車などがある。内部や仕組み、歴史が分かるように解説展示されているのも特徴。

古い直流モーターの130kW主電動機
交流モーターの165kW主電動機
「HS20」コンプレッサー(圧縮機)の分解解説
分解されたコンプレッサーのパーツ
コンプレッサー「HS20」
コンプレッサー「HS10」
コンプレッサー「HB-1200」
軽量化を実現したスクロール式コンプレッサー。主に30000系に搭載
140KVA電動発電機
150KVA電動発電機
直流電動機の整流子面を削り溝の深さを保つ作業をする装置
軸受けの分解パーツ
歯車箱の分解
カップリング継手
回転試験器は回転しての展示
各車両の輪軸
台車も間近に見ることができる

 大きめのスペースをさいてNゲージの鉄道模型とジオラマの展示もあった。そこでは、「西武鉄道の貨物列車」と題した模型展示もあり、西武鉄道で運用された貨物列車の歴史を追うことができて、なかなか見応えがあった。多くの人が精巧なジオラマに見入っていた。

Nゲージの鉄道模型ジオラマの展示
主に西武鉄道に関連したNゲージ車両が走るが、フェスタに参加の他社車両や他社へ譲渡した旧西武車両まである
「西武鉄道の貨物列車」と題した模型展示。並んだ機関車が珍しい

 鉄道関連の物販ブースも数多くある。その一部を紹介しよう。特に西武鉄道では、Tシャツやハンカチ、ICパスケースなどのグッズ先行販売があり、終始長蛇の列になっていた。

伊豆箱根鉄道
近江鉄道
流鉄流山線
上信電鉄
一畑電車
ひたちなか海浜鉄道・湊線
秩父鉄道
わたらせ渓谷鐵道
阪神電気鉄道
北総鉄道
江ノ島電鉄
伊豆急行
多摩都市モノレール
横浜シーサイドライン
つくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)
京成電鉄
京浜急行電鉄
小田急電鉄
京王電鉄
東京急行電鉄
東武鉄道
東京メトロ(東京地下鉄)
西武鉄道
西武鉄道ではグッズの先行発売があったので、長蛇の列ができていた。写真は最後尾
鉄道部品の販売コーナーは、入場制限がかかるほど人気
ボディから切り出して制作したお皿
シートの布で作ったコースター
カットレール。文鎮などに
カットレールから作ったスマホスタンド
SLパレオエクスプレスとレッドアローのコラボ記念乗車券販売

 屋外にもミニSLの運転や今年から新たに追加された体験のポイント手返し体験、西武観光バスの展示などがあった。

 飲食の出店も多数あり、食べそびれてしまうようなことはない。広い芝生の「休憩・お遊び広場スペース」も用意されていて、休憩をとりながらファミリーがのんびりと楽しめるイベントとなっていた。

 この西武・電車フェスタは毎年恒例のイベントとなっている。鉄道ファンはもとより、沿線の皆様もぜひ足を運んでみて欲しい。

ミニSLの運転も列ができていた
今年から新たに追加された体験のポイント手返し体験
車いす対応のリフト付きの観光バスを展示
飲食の出展数はとても充実している
地元東村山のソースメーカー「ポールスタア」のイカスミの入った黒焼そばソースを使った焼きそば
古い鉄道ファンにはおなじみの横川駅の荻野屋「峠の釜めし」が今年初出店だったが、昼過ぎにはすでに完売
帰路は直通電車ではなく高麗駅まで歩くこともできる。飯能駅までの4000系の臨時列車が出ていた