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宮崎交通とヤマト運輸、西米良村~西都市間の路線バスで客貨混載バス

10月1日開始。客席の一部を改造して宅急便を搭載

2015年9月24日 発表

客貨混載を開始した宮崎交通の路線バス。外観には「ヒト・ものハコぶエコロジーバス」とラッピングがなされている

 宮崎交通とヤマト運輸、関係自治体は、宅急便の一部区間の輸送を路線バスで行なう「客貨混載バス」を宮崎交通の西米良村~西都市間を運行する路線バスで10月1日より実施する。「客貨混載バス」は、路線バス車両の客席の一部を撤去して専用のスペースを設置することで、宅急便の輸送ができるようにしている。

客席の一部を撤去して宅急便を搭載するスペースを設置

 「客貨混載バス」として運行されるのは、西都バスセンター15時30分発~西都市 東米良診療所バス停16時16分着~西米良村 村所バス停17時01分着の配達便1日1便と、西米良村 村所バス停12時55分発/17時00分発~西都市 東米良診療所バス停13時40分発/17時45分発~西都バスセンター14時26分着/18時31分着の集荷便1日2便となる。

「客貨混載バス」の運用図

 ヤマト運輸では従来、西都市東米良地区と西米良村へ宅急便を配達する際に、西都宅急便センターより約50kmの距離を約1時間半かけて集配車両で輸送していた。このため、当日の集荷締め切りは15時頃になっていた。しかし、「客貨混載バス」により、両地区を担当するセールスドライバーが西都宅急便センターまで集荷した宅急便を運ぶ必要がなくなるため、集荷の締め切り時間を17時頃まで伸ばすことができる。これにより、顧客の要望に柔軟に対応できるようになるほか、二酸化炭素の排出量も低減する。

 宮崎交通にとっては、バス路線の生産性が向上し、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保できる。

 両地区の住民にとっても、バス路線の安定的な維持がなされるため、近隣施設のアクセス確保による生活基盤の維持・向上が見込まれるほか、17時頃まで宅急便をその日の集荷で出すことができる。また、セールスドライバーが集配時に訪問先の顧客の異変に気づいた場合に、自治体に連絡する見守り支援を行なうことができるため、地域住民の生活サービス向上につながるとしている。

(編集部:柴田 進)