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山の定番腕時計、カシオ「プロトレック」を湖で活用してみた
トリプルセンサー Ver.3+20気圧防水で海遊び・川遊びもOK
(2015/9/16 13:06)
カシオ計算機が発売する腕時計「PRO TREK(プロトレック)」シリーズは、山歩きに欠かせない定番腕時計として知られている製品。シリーズによって機能の差はあるものの、方位、気圧、温度、高度の計測が可能なトリプルセンサーが特徴的な機能で、まさに山歩きのユーザーをターゲットに作られている腕時計と言ってよい製品だろう。そもそもPRO TREKのロゴも山の風景が描かれており、山歩きユーザー(最近は本格的な登山を意識したモデルも出ている)が主要なターゲットだ。
そんなプロトレックシリーズの最新作の1つが「PRW-3500」シリーズ。PRW-3500シリーズでは、方位、気圧、温度、高度の計測が可能なトリプルセンサーは最新世代のVer.3になり、防水機能も水に強い20気圧防水に。一般的な素潜りには問題なく使えるスペックとなり、釣りやボート遊びにも適したモデルとなる。
このPRW-3500の活用例として、カシオ主催による「桧原湖バスフィッシング&カヌー体験ツアー」が報道向けに行なわれ、トラベル Watchも参加してきた。このツアーは福島県 裏磐梯にある桧原湖で、プロトレックを使いながらバスフィッシングとカヌーのアクティビティを行なうというもの。記者の釣りの経験は子供のころに駅前釣り堀で遊んだ程度しかなく、今回はCar Watchで釣りネタに絡む記事「NAOさんのDIYでクルマいじり」を執筆しているNAOさんと参加。その模様をお届けする。
朝4時起床、そして雨の桧原湖
桧原湖での水遊びのベースとなるのが「アウトドアスポーツクラブ バックス」(http://www.bacss.jp/)。バックスでは、バスフィッシング用のボート貸し出しや、カヌー体験、ノルディックウォーク体験などのアクティビティを用意するほか、冬はスノーシュー体験やワカサギ釣りなどのアクティビティも用意している。昼食の組み込まれたツアーなどもあり、1日たっぷり遊びたい人にもお勧めのショップだ。
今回のバスフィッシングはこのバックスをベースに、プロアングラー(プロの釣り師)であるSHINGOさんがバスフィッシングの先生として参加。SHINGO先生はバスプロ歴22年、日本バスプロ協会トップカテゴリランカーとしてトーナメントに参加するほか、桧原湖、西湖、河口湖などでバスフィッシングのガイドも行なっているプロ中のプロ。そのSHINGO先生にバスフィッシングのコツやポイントを教わりながら、桧原湖をSHINGOさんのバスボートで巡ってみた。
トラベル Watchの参加枠は、朝の1組目。そのため朝4時に起床し、5時からボートに乗り込んだ。天候は強雨という状態で、プロトレックの気温表示を確認すると15.5℃と、涼しいというより寒さを感じる。そもそも釣りが趣味ではないため、雨にビシバシ打たれているとなかなかツライ。その雨の中でも嬉々としていたのが、同行したNAOさんとSHINGO先生だ。
バス釣りのため、虫や練り餌などのえさを使わず、疑似餌となるルアーを使う。そのルアーを釣り竿をうまくコントロールしながら、バスのいそうな場所に打ち込んでいく。ボートに乗りながらSHINGO先生の指し示す場所にもっていくのは非常に難しい。記者があまりに下手なので、SHINGO先生が代わりにルアーを打ち込んでくれたりする。その腕前は見事なもので、湖にある木の陰などのポイントにビシバシ着水する。
SHINGO先生によると、釣り竿の振り出し方と、釣り糸のブレーキコントロールなどがコツというのだが、すぐに上達することはできなかった。一方、トラベル Watchの秘密兵器として同行してもらったNAOさんは、最初は「海釣りとは違うなぁ」とか言いながら苦戦していたが、後半はフォームが固まり、ひたすら釣り竿を振っている。ルアーの着水も思うように行き始めたが、そこで1時間半の予定が終了。2人ともブラックバスを釣ることはできなかった。
この日は低気圧が近づいており、天候は前述したように雨。プロトレックで気圧を確認してみると919hPaを示しており、低気圧であることが分かる。プロトレックにはグラフ機能もあり、このグラフを確認すると気圧も下降気味。つまり、天気は悪化傾向にあるということで、天気の傾向が分かるのは便利だ。天気が悪化傾向のため、気分的には残念な感じとなるが、SHINGO先生によると気圧の低下は釣りにおけるメリットもあるという。
記者の通っていた小学校では、フナの解剖を理科の授業で行なったが、その際に学んだのは「魚には体内に浮き袋があり、この浮き袋を使って泳ぐ水深などをコントロールしている」ということ。SHINGO先生は、「気圧が低くなると相対的に浮き袋の浮力が大きくなり、魚のいる水深が浅くなる傾向にある」という。これは学説などで立証されていることではなく、SHINGO先生の豊富な釣り経験から得られた知見。ただ、その知見を活かして、ルアーを投げ入れる深さをコントロールし、釣果に反映させている。その際に役に立つのがプロトレックの気圧計機能で、気圧の傾向を見つつ、ルアーの深度を調整しているとのことだ。
ボートに乗った状態では、NAOさんも記者もゼロ匹だったが、その後NAOさんは陸からルアーを投げ入れ、見事2匹のブラックバスをゲット。記者はまったく釣ることができなかったが、釣りを趣味にしている人ならではの粘りを見せてもらった。
カヌー遊びでは、プロトレックで方位を確認
バス釣りの後は、2人乗りのカヤックを使ったカヌー遊び。桧原湖は湖のため、波が非常に小さい。そのため、初心者でも安心してカヌー遊びができ、アウトドアスポーツクラブ バックスによると2人乗りカヌーでの転倒事故は未だゼロという。だからと言って乱暴に扱っても大丈夫というわけではなく、ガイドの指示に従って、NAOさんとコンビを組み2人乗りカヤックに挑戦してみた。
ここで、プロトレックの活用法を教えてもらったのは、今回のツアーに参加しているカシオ計算機 時計事業部の牛山和人さん。景色の変化のない湖上を移動していると自分がどこに向かっているのか分からなくなることもあるが、プロトレックの方位機能を使うことでカヤックの進んでいる方位が分かるという。
桧原湖は南北に長い湖なのだが、プロトレックで確認することで南に進んでいるのが分かり、スタート地点に戻る際には、その真逆である北に進めばよいことになる。ただ、カヌー遊びをしている昼頃には太陽が顔を出すようになっており、当然ながら太陽の位置は南に位置している。そのため、記者にとってこの方位機能は確認のために使用するにとどまった。
SHINGO先生に方位機能が釣りに役立つかどうか聞いてみたところ、「冬のワカサギ釣りなどは吹雪くとまわりの目標物がまったく見えなくなり、方位がまるで分からなくなることがある。そうした場合の安心感はある」という。吹雪によらず、方位を見失った場合(迷った場合)は下手に動くのではなく、さまざまな手段で現在地を特定する必要があるが、その際の一助にもなるだろう。
方位計や絶対位置を示すGPSはスマートフォンにもあり、位置を特定する機能としてはスマートフォンが優れている面もある。しかしながら、電波の入らない地域や突然の土砂降りでスマートフォンが濡れるなどの事態を考えると、水に強い20気圧防水でありながら、方位、気圧、温度、高度の計測が可能なトリプルセンサーを持つプロトレック PRW-3500シリーズは、頼れるデバイスであるのは間違いない。なおかつソーラー電波時計の機能もあり、電池の持続時間は7カ月(カシオの負荷条件による計測値)と、驚くほどのスタミナを誇る。このスタミナやタフさが、現状のスマートフォンやスマートウォッチと一番異なるところで、ものとしてのPRW-3500シリーズの魅力だ。
第三世代のトリプルセンサーである「トリプルセンサー Ver.3」について付記しておくと、高度計測は5m単位から1m単位へ、高度計測精度は高度差×2%から高度差×0.3%へ、方位計測は連続計測時間20秒から60秒へと、様々な性能がアップしている。さらにセンサー計測時の消費電力も圧力センサーで1/7、磁気センサーで1/10とし、スタミナの改善も行なわれているほか、モジュールもコンパクトになっているとのことだ。
安心して使えるデバイス
ほぼ半日、プロトレック PRW-3500シリーズを身に着け、釣りやボート遊びをしてみての感想は「雨の中でも安心して使えるデバイスはよいな」というもの。ずぶ濡れの状態でも問題なく動くほか、電池切れの心配がなく、方位や気圧、高度などがいつでも分かる。とくに気圧は天気の変化と密接にリンクしており、体感の難しい気圧の傾向を見ることで、天候の予測が自分なりに行なえるのがうれしかった。
時刻に加え、方位や気圧、高度への深い知識があればさらに活用範囲が広がるし、そのような知識がなくてもグラフを見ているだけでも楽しめるプロトレック PRW-3500シリーズ。山だけでなく、海や川へもよく出かけるという人は、便利に使うことができるアイテムだろう。