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森トラストグループ、軽井沢・南紀白浜・富士山中湖・伊豆修善寺・琵琶湖の5カ所にマリオットホテルを誘致
2017年までにオープン予定
(2016/2/23 00:00)
- 2016年2月22日 発表
森トラストグループとマリオット・インターナショナルは2月22日、記者発表会を開催。森トラストグループが運営する「ラフォーレホテルズ&リゾーツ」の施設のうち、軽井沢(長野県)、南紀白浜(和歌山県)、富士山中湖(山梨県)、伊豆修善寺(静岡県)、琵琶湖(滋賀県)のホテルをマリオットホテルブランドにリニューアルすることで合意したと発表した。
これまでも森トラストグループとマリオット・インターナショナルの提携により、東京マリオットホテル、コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション、コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーションの3ホテルが誕生したが、今回の合意で2017年までに新たに5ホテルが登場する。
森トラストグループの「第5ステージ」とは
記者発表会において、森トラストの専務取締役で森トラスト・ホテルズ&リゾーツの代表取締役社長である伊達美和子氏は、森トラストグループのホテル&リゾート事業は2016年に「第5ステージ」に達したと説明した。1973年に法人会員制のラフォーレ倶楽部を創立したことを「第1ステージ」とし、1997年からの老舗ホテルへの資本参加を「第2ステージ」、2005年からの都心部へ高級外資系ホテルの誘致が「第3ステージ」とのこと。2013年からの「第4ステージ」では東京マリオットホテルの開業を始め、数々の既存ホテルのリノベーションやリブランド、新規ホテルの開業を進めてきたという。
伊達氏は「リブランドにともなう改修によって価値が向上した施設を(ラフォーレ倶楽部の)会員さまはこれまでどおり利用できる仕組みにしています。おかげさまで高い評価をいただいており、これまでのビジネスと新しいビジネスが融合するハイブリッドスタイルのビジネスモデルが確立できたと確信しております」と「第4ステージ」について話し、これからの「第5ステージ」では、インバウンドの需要に応えつつ、新たに安定的で資産性の高いホテル事業のビジネスモデルを構築する時期と位置付けている。
この「第5ステージ」における森トラストグループの方針は4点。「豊富な観光資源を活用して世界に魅力を発信」「日本国内にてグローバルスタンダードなサービスや世界のライフスタイルを提供」「日本の文化と国際基準のサービスの融合により新たな価値を生み出す」「世界の成長産業である観光事業を磨き、観光先進国の確立に寄与する」だ。また、今回発表されたマリオットホテルの長野県、和歌山県、山梨県、静岡県、滋賀県の5エリアへの誘致は、「第5ステージ」の第1弾だという。
伊達氏は「キーワードは『都心も地方も』です。ご存知のとおり、我が国のインバウンドは2000万人に達してきており、さらに今年度より3000万人を目指すとしています。昨今、株価や為替などの変化が激しい状況でありますが、世界的な旅行業を見ますと景気に大きくは左右されておらず、観光業はポテンシャルが高い分野であることが分かります。世界の成長産業を取り込むためには、観光を全国的に産業化することで日本の旅行ブランドを作り上げていくことが必要ではないでしょうか。それは都心部で起きているムーブメントを地方にも波及させていくことではないでしょうか」と話した。
新たに登場する5つのマリオットホテル
なお、2017年までに開業予定の5つのホテルは、どれも歴史的かつ観光的な価値の高い場所に立地し、近年、外国人宿泊客数の伸長が著しい土地だ。各ホテルの開業時期とエリア概要は以下のとおり。
軽井沢マリオットホテル(長野県軽井沢町)
2016年開業予定。日本における外国人リゾート地の先駆的なエリアで、近年はショッピングやスキーも人気で通年型リゾートに。外国人宿泊客数は、2012年から2014年の2年で145%に増加。
南紀白浜マリオットホテル(和歌山県白浜町)
2017年開業予定。延長640mの白いビーチ・白浜を擁する。有馬・道後とならぶ日本三大古湯のひとつであり、1300年以上の歴史を持つ由緒ある温泉地として知られている。世界遺産・熊野古道にも隣接。外国人宿泊数は2013年から2015年の2年で238%に増加。
伊豆マリオットホテル修善寺(静岡県伊豆市)
2017年開業予定。50万坪の広大な敷地に複数の施設から成る総合リゾートホテル「ラフォーレ修善寺」に立地するホテルをリブランド。弘法大師が1200年前に開創したという伊豆最古の名湯を持つ修善寺温泉があり、2020年東京オリンピックの自転車競技地に決定したことでも注目を集めている場所。外国人宿泊数は2012年から2014年の2年で350%に増加。
琵琶湖マリオットホテル(滋賀県守山市)
2017年開業予定。京都から1時間以内とアクセスがよく、周辺には安土・彦根・長濱と戦国武将たちが名を馳せた歴史的な舞台もあり、近年、琵琶湖を1周するサイクリングにも力を入れるなど観光アクティビティが充実してきている。外国人宿泊数は2012年から2014年の2年で257%に増加。
なお、これらのエリアは今回のマリオットホテルの誕生で初の外資系のホテル進出になる。森トラストグループでは、今回のマリオットホテルの誘致により、訪日外国人の地方リゾートへの回遊を促進したいとの考えだ。伊達氏は「このリブランドを機に地域のさらなる観光資源に貢献できればと考えております」と話した。
マリオットホテルが日本のレジャー産業に参入
また、記者発表会にはマリオット・インターナショナル アジア太平洋地域 プレジデント&マネージングディレクターのクレイグ・S・スミス氏も登壇。同氏は「私どもマリオット・インターナショナルにとって日本という市場は、重要な顧客の供給国であると同時に世界第3位のアウトバウンドの市場とも言われており大変重要な存在です。日本の市場は潜在的なポテンシャルが極めて高く、2013年から2014年、2015年の海外からの観光客数は前年の記録を毎年更新し、実際、2015年の1月から11月の数字ですけども、1800万人もの外国人が観光に来ています」と、市場としての日本の重要性に着目した。
マリオット・インターナショナルの日本国内におけるホテルはフラグシップブランドであるマリオットホテルが計9軒、系列ブランドを合わせると20軒に達する。スミス氏は「日本国内のレジャー市場という非常に大きな市場に参入することになります」とコメント。また、今回の合意で、日本にマリオット系列のホテルが一気に3割強増えると同時に、定番となっている観光地以外の場所を開拓したいという海外観光客のニーズに対応できるという。
伊達氏は記者発表会の中で、「世界が愛する日本は限りない旅の魅力にあふれる国ではないでしょうか。日本の旅を愛する人のために、この国の旅をもっと楽しく、もっと快適に、もっとスマートに、そして生涯の思い出に残る旅に仕立て上げる、そんな思いで進めてまいります。私たちは新しい日本の旅をクリエイトしたいのです」と今回の合意に対する意気込みを語った。