橋本洋平・まるも亜希子の荒川水源チャレンジャー

ホンダ車をベースにしたコンプリートカーである「モデューロX」をみなさんご存じだろうか?

ホンダ車純正アクセサリーを開発するホンダアクセスが、「最高の時間を過ごせるクルマ」を目指して磨き上げたコンプリートカーのブランドだ。より精悍なデザインと実効空力性能を発揮するエアロパーツ、より気持ちよく走れる足回りやアルミホイール、ドライバーだけでなく同乗者も快適なシートをはじめ、クルマ全体を鍛え上げる、それが「Modulo X」のポイントだ。

「モデューロX」は
アドバイザーに
土屋圭市氏を迎え作り込まれた!

「モデューロX」シリーズは2012年に登場したN-BOXモデューロXから始まり、その後N-ONE、ステップワゴン、フリード、S660、ヴェゼルと展開を拡大。間もなく累計2万台に到達しようとしている。そんな「モデューロX」のポイントは単なる外観のドレスアップではなく、走りのテイストに拘った造り込みが行なわれていることだ。

モデューロXのエアロパーツは街乗りから威力を発揮する実効空力に着目してテストを繰り返しながら形状を微細に変更するほどで、単にコンピュータ解析で形状を決めてはいない。削っては走り、走っては削り、時には削り過ぎた部分は再び盛り直して再び走るということを繰り返しているという。

フリード Modulo X、ボディカラーはプレミアムクリスタルレッド・メタリック / 右:ステップワゴン Modulo X、ボディカラーはプラチナホワイト・パール

  • 「X」をイメージしたデザインの専用フロントエアロバンパー

  • 昼夜を問わず視認性を向上させる専用フロントビームライト

  • Modulo Xロゴ入りの専用ブラックコンビシートは座り心地とホールド性を両立

  • 専用リアロアーディフューザーの効果は高速道路などでしっかり体感できる

  • 専用フロントグリルと専用フロントエアロバンパー、こちらも「X」のイメージを採用

  • 赤と黒のコントラストが映える、専用LEDフォグライトと専用フロントビームライト

  • 風を味方にするエアロボトムフィンは、走行安定性と旋回性能に寄与

  • 専用エアロバンパーなど「実効空力デバイス」が安心感のある乗り心地をもたらす

それに加えて足回りも変更されており、ベースモデルとは全く違う仕上がりになっているところも興味深い。エアロパーツによって前後のリフトバランスを整え、サスペンションセッティングで4輪の接地性を常に安定させて感じ取りやすくするというそのテイストは、発売当初から一貫したものがある。デザイナー、開発者、そしてアドバイザーにあの土屋圭市氏を出迎えてテストを繰り返してきたからこそ到達した世界といっていい。

  • 圧倒的なスケール!滝沢ダム/雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)付近からドライブをスタート

  • 春空と絶景に包まれ、雷電廿六木橋ループ橋を気持ちよく駆け抜ける

  • 風を味方にする「実効空力デバイス」は低速域でも効果を発揮

  • ドライバーだけでなく、同乗者にも“安心感”のある乗り心地

タイトなワインディングが
続く道も
スイスイと攻略

今回はそんな「モデューロX」の2台、ステップワゴンとフリードを連れ出して妻のまるも亜希子と共に徹底的に走ってみる。目指すは普段近所を流れている荒川の源。題して“荒川水源チャレンジャー”である(笑)。

とはいえ、本当の源は山梨県、長野県、埼玉県の3県の県境にある甲武信ヶ岳。そこに落ちた一滴が東京湾まで繋がっているというのだからロマンチック!? だが、そこまではクルマでは行けず、最終的には2時間くらいハイキングしなければならないということで断念。その近くにある滝沢ダムまで足を伸ばし、そこから再び東京湾まで荒川を追いかけてみる。

  • 筆者の橋本洋平さんと奥様のまるも亜希子さん 今回は荒川の水源地から「モデューロX」で徹底的に走ってみた!!

  • 荒川の源泉までたどり着こうと思うとちょっぴり過酷なハイキングが必要という事で、秩父の行けるところまで「モデューロX」で向かうことに。とはいえ、最初の目的地となる滝沢ダムへの工程もなかなか険しい

  • 旅の途中でお蕎麦に舌鼓を打つ。やはり旅には美味しいものがつきもの!

自家製野菜の天ぷら、揚げ餅など前菜だけでもボリューム満点の「田舎そばランチ」を頂きました
●蕎麦カフェ神庭(かにわ) 埼玉県秩父市大滝828

関越自動車道の花園インターからおよそ1時間走ると、最初の目的地=スタート地点となる滝沢ダムに到達するのだが、その工程はなかなか険しい。国道140号線はかなりタイトなワインディングが続くだけでなく、対向車はダンプカーが次々にやってくるという状況だ。自らの車線を踏み外すことなくクリアして行くことが求められるのだが、そんな時に「モデューロX」が持つ走りが大いに役に立った。僕はステップワゴンで主に走っていたのだが、車体がグラつくこともなく、リニアにロールをしてくれる動きは実に扱いやすかったのだ。

実効空力によって少しのステアからドッシリとした反力を生み出してくれるステアリングは頼りがいがあり、正確なライントレースを可能にしてくれる。ブレーキングをしてもアクセルを入れても、車体がピッチングしすぎないフラットな動きもマルだ。背が高いクルマにも関わらず、まるでスポーツカーのような扱いやすさが嬉しい。荒れた路面を見事に吸収して行くことも感心できた部分だ。

フロントバンパー下部に与えられたエアロスロープやエアロボトムフィンが車体下部の空気の流れをリアへときちんと受け流し、車体がリフトしないこともその乗り味を後押ししている。シャシー、そして空力によって煮詰めた総合力が「モデューロX」ならではの安定した走り味となっている。

フロントバンパー下部には実効空力デバイス「エアロスロープ」と「エアロボトムフィン」が装着され、風による車両の浮き上がり抑制などを最適化

こちらはタイヤハウス周りの乱流を制御する「エアロフィン」。走行安定性と旋回性能に寄与

「モデューロX」ならではの安定した走り味で、ワインディングが続く山道も難なくすり抜けていく

あまりワインディングドライブを好まない妻も、フリードに乗ってグイグイ追いついてくるから面白い。きっとミニバンであることを忘れてドライビングそのものを愉しんでいるのだろう。後に聞けば「グラグラ動かないからいつでも思い通りに運転できてイイね。きっと同乗者も快適なんじゃない?」とご機嫌だった。

そこで滝沢ダムに到着した後に、雷電廿六木橋周辺において2列目、3列目に乗り込んで、フリードもステップワゴンも後席のチェックを行なった。すると、たしかに身体は安定しており、揺さぶられない感覚に溢れている。タウンスピードでは硬質に感じるところもあるが、スピードを重ねれば重ねるほど「モデューロX」は旨味を発揮。フラットライドのおかげで、妻がワインディングでペースを上げたとしても不満を抱くようなことはなかった。「こんなに運転上手かったっけ?」と思わず言ってしまったほど。鼻っ柱が強い妻は「当たり前でしょ!」と返答したが、クルマに助けられていることは言うまでもない。ロールスピードが速く、グラッと動くようなクルマなら、そのステアリングさばきではこうはいかないと思う(笑)。

  • エメラルドグリーンが美しいダム湖を出発

  • まるも亜希子さんも「風が通り抜ける橋上でも、思い通りに走れてイイね」とご満悦

  • 源流から流れてきた「一滴」が、徐々に大きな川へと成長していきます

  • ワインディングを抜け、関越自動車道でさいたま市方面へ向かいます

滝沢ダムから荒川に沿い
関東を横断、
荒川の川幅は徐々に広がってゆく

一通りの試乗を終えて再び滝沢ダムを眺める。ここに「甲武信ヶ岳の一滴がここに流れ込んでいるのかぁ」と妻がポツリ。だが、地図を眺めてみると、どうやら甲武信ヶ岳の一滴はコチラには来ていないことが判明! それが流れ着いているのはお隣の二瀬ダムだったのだ……。なんという勘違い。滝沢ダムに流れ着いているのは群馬寄りから続く中津川の水である。荒川はこうしたいくつもの支流があり、それらをまとめて荒川水系ということらしい。ま、こちらも一応荒川と言えば荒川ということで、荒川水源チャレンジャーは大成功!?

滝沢ダムからワインディングを下ると、川幅が次第に太くなっていくことに気づく。はじめは歩いて渡れそうだと思っていたところが、人力では無理な川幅へと拡大して行く。支流が次々に合流し、いわゆる荒川になって行くということが所々で感じられる。関越自動車道の花園インターまでの道のりで何度かその工程を見てみたが、主流が次第に穏やかになり、ゆっくりと流れて行くことが見て取れた。それが秋ヶ瀬公園周辺や都内で見る頃には当初見た感じとは全く異なる大河なり東京湾へと続いて行く。

  • さいたま市の荒川河川敷にある「秋が瀬公園」を通過。川幅が広がり、ゆったり流れる荒川が奥に見える

  • 荒川まで続く土手をのんびりドライブ。100ヘクタール=野球場100面分の敷地はとにかく広大

どんな路面へ行っても
快適な走りを実現
「モデューロX」は夢の結晶

最後は「モデューロX」で首都高速中央環状線の上から荒川を眺めた。支流がまとまり、粗さがあった流れが穏やかになり、そして一本の大河となる荒川を見て、この「モデューロX」も同じだと感じた。

開発者、デザイナー、そしてアドバイザーの土屋圭市氏が持つひとつひとつの意見が次第に一本に纏まり、北海道鷹栖のテストコースや群馬サイクルスポーツセンターで走り込んだことで粗さが削られて製品として成立して行く……。だからこそ、どんな路面へ行っても快適な走りを実現するのだ。ミニバンであってもふらつかず、高速では見事なまでの直進安定性を実現していくその仕上がりは、ありそうでない世界。

多くの人々が拘り抜いたその走りは、クルマに乗る人すべてに響く仕上がりがある。

  • 高速道路では「風を味方に」している感覚が一層増してくる

  • 「意のまま」にクルマが走ると、運転がもっと楽しくなる

  • 今日1日で「荒川」の看板を何度見ただろうか!?(笑)

  • 今日最後の荒川横断、土手沿いから橋を渡り首都高速へ

葛西臨海公園の観覧車が見え、長いようでアッという間の荒川チャレンジが終了!

提供:株式会社ホンダアクセス
出演:橋本洋平、まるも亜希子 執筆:橋本洋平 写真:和田清志、石岡宣慶
道路使用許可:新座警察署 第0514号、浦和警察署 第10135号
河川使用行為許可:埼玉県県土整備部 調整済
無人航空機飛行許可:東京空港事務所 東事運 第3438号

関連リンク

株式会社ホンダアクセス

ステップワゴン Modulo X 製品情報

フリード Modulo X 製品情報

Modulo X