藤島知子のステップワゴン Modulo Xで春を先取りドライブ旅 日本一長いつり橋と日本一早咲きの桜を求めて箱根、そして西伊豆へドライブ

まだまだ寒い日が続いていますね。でもすでに菜の花が咲き始めていたりと、よく見るとちゃんと春は近づいていたりします。そこで今回は、家族そろってのお出かけにも最適な「ステップワゴン Modulo X」に乗って、ひと足早く春を感じる旅に出てみました。

春と言えば桜、早咲きの桜としては河津桜が有名ですが、取材日の1月下旬にはまだ河津桜も咲いていない時期。でも実は河津桜よりも早く咲く、日本一の早咲きの桜があるんです。途中季節のイチゴ狩りなども楽しみながら、日本一の早咲きと言われる土肥桜を目指します。

旅のパートナーは
Moduloが仕上げたコンプリートカー

ホンダ車向けカスタムパーツや本格的なチューニングを手掛けるModulo。そんなModuloがステップワゴンの内外装をカスタマイズし、走りをワンランク上に磨きあげたコンプリートモデルが今回の旅のパートナー、ステップワゴン Modulo Xです。

今回用意したのはガソリンエンジンモデルですが、昨年のステップワゴンの特別仕様車 ブラックスタイル発売に合わせて、ハイブリッド仕様も登場しています。

そもそも、ベースのステップワゴンは3列シートとスペースユーティリティはもちろん、狭いスペースでもドアが開けられるわくわくゲートなど、ミニバンの魅力を世に知らしめたホンダらしい、エポックメイキングなモデル。そんなベースモデルの魅力を引き上げたのが、このステップワゴン Modulo Xです。

まずは見た目のファーストインプレッションですが、ギラギラしたデザインが多いミニバンの中で、ステップワゴンはクールなキャラクターに映る存在。それが、Moduloの手に掛かると、機能性に裏打ちされたスマートなスタイリングに仕立てられていることに気づかされました。しかもさりげなく、随所に専用装備がおごられていて、見た目だけでなく機能面でもこだわりが感じられます。

このように、スタイリングに独自の世界観が表現されたステップワゴン Modulo X。外観は派手すぎず飽きの来ないデザインが目を引きますが、やっぱり注目すべきはトータルチューニングが行われた走り! ということで、さっそく運転席に乗り込んで、伊豆に向かってレッツゴー!

これがミニバン!?
走り初めてすぐに実感する“Modulo Xクオリティ”

走り出してすぐに感じたのは、クルマが正しい姿勢でシャンとついてくる感覚が得られること。アクセルペダルを少しだけ踏み足したり、緩めたりするとき、背が高いミニバンは車体のグラつきが気になったりします。ところが、このステップワゴン Modulo Xは、街中の30~40km/hの低速度域で動きにブレがなく、ブカブカした感覚を与えるところがなくて扱いやすい印象を感じました。それが、東名高速の本線に合流して、80km/h、100km/hと車速を高めていくと、しっかりした走りの感覚が確信に変わっていきます。

車速が高まると、車体の姿勢の乱れが不快さを招きがちですが、姿勢はブレず、乱れず、安定性をもって走ることができます。その証拠に路面のギャップを乗り越えてもドライバーの目線のブレが少なく、レーンチェンジを行っても、揺り返しが少ない。高速カーブに差し掛かるシーンでは、ハンドルを切り込むと、車体が鼻先からスッと素直に入り込み、ハンドルの切る量も最小限で済んでしまう。直進性が保ちやすいあたりは、アンダーフロアを流れる空気の整流効果も貢献しているのだとか。

それと専用のサスペンションもしなやかに動いて揺れをスマートに収束させてくれます。周囲の流れに合わせて減速したときも、ブレーキペダルを踏んだ分だけ車速が削れる感覚で、車速をイメージどおりにコントロールできるから、安心感に結び付いてくれます。

気持ちに余裕が生まれてきたところで、ガラスエリアの広さに抜けるようなパノラマの景色の存在に気がつきました。

う~ん、じつに爽快! 今日は最高のドライブ日和じゃありませんか!

ここで、ステップワゴン Modulo Xのインテリアに目を向けてみると、エアコンのスイッチ周りからドリンクホルダー周りを繋ぐパネルはピアノブラック塗装に変更されているみたい。そこに沿うようにあしらわれたシルバーのモールディングは、光を柔らかく照らし、インパネ周りを上質に演出しています。

ブラック色の専用シートは滑らかな手触りの素材「プライムスムース」とファブリックとのコンビネーションで、ショルダー部分にModulo Xの刺繍が施されたもの。身体にフィットする感覚が心地いいし、乗り込みやすいのに身体にしっかりと馴染んでくれます。専用本革巻ステアリングホイールや専用本革巻セレクトレバーなど、視覚や感触から上質さを伝えてくるあたりも特別なモデルに乗っている実感を高めてくれました。

ミニバンなのにワインディングが楽しい!!

東名高速から小田原厚木道路経由で箱根新道に。上り勾配が続く箱根新道では、混雑している状況なのに、クルマと向き合える感覚が不思議と楽しく思えてくるのが不思議なところ。登り坂でもタイヤが路面を着実に捉えて走っていくから、無駄なブレーキ操作を繰り返して身体が前後に揺すられたり、頻繁にブレーキからアクセルにペダルを踏み換えたりするわずらわしさもないみたい。

箱根の山をグングン登ったところで、今度は駿河湾を望むパノラマが広がるドライブルート「芦ノ湖スカイライン」へ。ここはタイトなカーブが連続するうえに、急勾配の登り坂と下り坂で構成された峠道なので、本来であれば緊張感が高まるスポット。ところが、ステップワゴン Modulo Xの場合、まるで水を得た魚のようにスイスイ走っていくことができました。気がつけば、ドライブを楽しんでいる自分がいることにビックリ。

こうしたワインディングでは、ブレーキ、ハンドル、アクセル操作の連携が求められますが、一連のクルマの動きがまるで一筆書きで描くように、驚くほどスムーズに繋がっていくみたい。ブレーキを掛けた時は車体の鼻先が沈む動きが少ないだけでなく、踏み込み加減で車体の姿勢が自由に変えていける感触が掴みやすい。不要なフラツキが抑えられることで、ミニバン特有の不安定さは感じさせず、4つのタイヤは常に路面を丁寧に捉えていってくれる。その証拠に、ハンドルは常に切り増し、切り戻す操作を一定のリズムで落ち着いて操作していくことができるし、カーブの途中で切り増すようなシチュエーションでもクルマの動きがちゃんとついてきてくれます。

ミニバンの場合、スポーツカーと違って重心が高くて不安定になりやすいはずなのに、Moduloのクルマ作りが「操縦安定性」や「安心感」という形でメリットを与えてくれる。まさに、“3次元の動きを描く”トータルチューニングがModuloの真骨頂なのだと認識させられてしまうばかりです。

日本一長いつり橋「三島スカイウォーク」でジップライン体験

ミニバンらしからぬステップワゴン Modulo Xの走りを楽しんだところで、国道1号線を三島側に下って、話題の「三島スカイウォーク」を目指します。三島スカイウォークとは、なんと全長400mという日本最長の歩行者専用つり橋! 橋の上からは、駿河湾や伊豆の山並み、そして大きく聳えたつ富士山の絶景が望めるという人気の観光スポットです。今回は残念ながら雲が厚くて富士山を拝むことはできませんでしたが、三島スカイウォークのもう一つ注目アトラクション、ロングジップスライドで空の散歩にチャレンジしてみることにしました。

つり橋と平行するように張られたロングジップスライドは、実に高さ70m! 往復の2本のジップラインの合計長は300mと日本最長クラスなんだとか。チャレンジするとは言ったもののだんだん「大丈夫かな~」と不安な気持ちに。でも、インストラクターのお兄さんが上手く滑るためのポイントを分かりやすくレクチャーしてくれました。最初は周りの景色を見る余裕なんてありませんでしたが、2回目は橋を渡る観光客に手を振ってみたりして、空中を滑る感覚がじつに爽快! 1月末の空気は冷たくて顔が真っ赤になっちゃったけど、テンションはすっかり上がりました。

ほかにも園内には食事が取れるスポットが点在していて、箱根西麓三島野菜と箱根山麓豚を使ったカレーライスや三島コロッケ、新鮮なフルーツをたっぷり乗せたパンケーキが楽しめる「森のキッチン」があったり、吊り橋を渡った先にある「ピクニックカフェ」では、ボリューム満点のホットドッグやサンドイッチをバスケットに入れて、景色のいい場所で楽しむこともできたりするそうです。こちらでは抹茶やミカンの果汁を含んだバームクーヘンにミルクアイスを乗せていただくスイーツもあったりして、食べているうちに緊張感はすっかりどこかへ吹き飛んでしまいました。

食べ放題のイチゴ狩り&イチゴ乗せ放題ソフトクリーム!!

温暖な伊豆半島はフルーツ狩りのメッカですが、今回は三島スカイウォークからクルマで数分のところにある伊豆フルーツパークに立ち寄りました。

こちらでは、季節によってメロンやミカン狩りなども楽しめますが、今の季節はイチゴ狩りが楽しめます! 静岡の品種として知られるイチゴ「あきひめ」は初めていただきましたが、イチゴは酸味の強いヘタから囓って、甘い先端を後で食べた方が美味しく頂けるとのこと。また、先端が山並みのようで、ボコボコと不格好な形をした「鶏冠果(けいかんか)」と呼ばれる形のイチゴは糖度が高いということで、さっそく見つけだしていただきます!

「う~ん、最高!!」

真っ赤に色づいた瑞々しいイチゴを口に含んで、とても幸せな気持ちに浸ってしまった私。さらに、売店には静岡名物の土産物が並んでいましたが、思わず目にとまったのは、「イチゴ乗せ放題ソフトクリーム」。濃厚でミルキーなバニラソフトクリームに採れたてのイチゴを好きなだけ盛りつけて食べられるというのが贅沢すぎます! 無農薬で栽培される桑葉茶を使ったソフトクリームも美味しそうでした。

ちなみに、今回は箱根を越えてやってきましたが、三島スカイウォークや伊豆フルーツパークのあるエリアは新東名の長泉沼津ICや東名高速の沼津ICから10~15分程度の立地なので、都心からの日帰りドライブスポットとしてもイチオシですよ。

1月から楽しめる!! 日本一早咲きの桜を満喫

いよいよ目的地、日本一早咲きの桜を目指します。伊豆といえば、2月中旬に見頃を迎える河津桜が早咲きの桜として有名ですが、そんな河津桜も取材日の1月下旬では開花前。でも河津桜よりも早咲きの桜が、西伊豆の土肥に存在するんです。今年の場合、なんと1月20日から桜祭りも始まっているとのこと。

ということで、三島から西伊豆へGO! 伊豆縦貫道~修善寺道路を通って太平ICを降りたら、国道136号を走って1時間程度で土肥に到着。この道のりでは、運転を交代して貰って、私は2列目や3列目に座って移動してみることに。

「なるほど!」

この乗り味の優しいタッチこそ、Moduloがミニバンであるステップワゴンにもたらしたかった価値なんですね。車体の特性に合わせて足回りを最適化していることで、クルマの姿勢変化がごく自然だし、まるで、滑らかなタッチで走る高級タイヤに履き替えたかのように、静かでしなやかな動きに感じられるほど。タイヤが路面に沿うようにして走っていくから、路面のギャップを乗り越える時も、突き上げるような入力を感じにくい。後輪の車軸の上で乗り心地が不利になりがちな3列目シートに至っても、不快さを感じさせないあたりがお見事。3列目に頻繁に家族を乗せて走る場合は、+αの金額を投資するにしても、Modulo Xを買った方が幸せレベルは格段にアップするハズです。

そしていよいよ土肥に到着! 山桜から派生した桜は一枝に6、7個の花が下向きに愛らしく咲いてみせるもので、花弁が濃いピンク色になっているのが特徴なのだとか。町のあちこちにある桜を見て回りましたが、木によって開花状況がけっこう違って、中でも丸山スポーツ公園で見つけた土肥桜がみごとに咲いていました。聞けばなんと土肥桜の原木なのだとか!

特別に許可をいただいて、土肥桜の脇にクルマを置いて撮影させていただいたのですが、土肥桜は深みのあるオブシダンブルー・パールのボディパネルに映りこむと、なんとも美しく調和してみせてくれました。

さらに土肥サンセットブリッジでは、夕暮れ時の柔らかい光に包まれながら、伊豆名物のサンセットに遭遇。ステップワゴン Modulo Xは、茜色に染まる空を窓越しに望みながら、感性に響く走りと快適な走りで最後まで楽しませてくれたのでした。

パパもママも子どもも、家族全員が満足できるミニバン

高速道路を爽快に移動し、山では会話を楽しみながら、ワインディングを伸び伸びと駆け抜けることができたステップワゴン Modulo Xとのドライブ旅。正味200km程度に及んだロングドライブは疲労が少なかったこともご報告しておきたい特筆すべきポイントです。本来は不安を感じたり、疲れたりしやすいシチュエーションも意のままの操縦性でスイスイ走れるし、いつの間にか走る愉しさを存分に満喫している自分がいることに気づいて驚かされました。

長距離走ってステップワゴン Modulo Xの魅力を満喫できました! ステップワゴン Modulo Xは、クルマ好きのパパが走る楽しさを諦める必要はないし、運転が苦手なママは安心して走らせることができる。さらに同乗する家族も快適に過ごせるから、会話も弾んで家族みんなでドライブを楽しめる。今回のドライブ旅を通じて、日本のミニバンでここまで走りを磨き上げたモデルが存在することが誇らしげに思えたのでした。

ベースとなっているSPADA Honda SENSINGは285万円程度、Modulo X仕様は351万円と価格差は60万円以上になりますが、特別な内外装に徹底的に走り込んで各部を最適にチューニングしてみせたノウハウと費やした時間を考えれば、むしろ「お買い得過ぎるのでは?」と思えてくるほど。私なら過酷な環境で鍛えられた欧州のミニバンかステップワゴン Modulo Xか同じ土俵で選びたくなってしまうほど、職人技が活かされたモデルに仕上げられていました。

© Impress Corporation / Text:藤島知子 / Photo:安田剛
提供:株式会社ホンダアクセス
撮影協力:芦ノ湖スカイライン/三島スカイウォーク/伊豆フルーツパーク/伊豆市丸山スポーツ公園
道路使用許可:小田原警察署 第0449号 / 大仁警察署 第4-9号

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