日本の天体観測の聖地 野辺山 降るような星空を求めて心と写真に刻むドライブへ

キャンプに、釣りに、ドライブに。コンパクトでスタイリッシュな「フリード+」で、星空撮影ドライブへ。
デッドスペースを活かした収納アイテムで撮影機材もすっきり収納し、長野県八ヶ岳・野辺山へと向かいます。

  • 星空写真家 
    飯島 裕 氏

    アポロ11号の月面着陸に刺激を受け、星空写真の道に入ったという飯島氏。撮影だけでなく科学誌への寄稿など幅広く活躍

  • ホンダ フリード+
    Modulo仕様車

    進化したコンパクトミニバン「フリード」の5人乗りバージョン「フリード+」に、専用フロントエアロバンパーや便利なアイテムなど各種純正オプション用品を装着した「Modulo」仕様。楽しむ大人の趣味の基地として活躍してくれた

はるか遠い天体からのささやきに耳を傾ける

星空撮影に向かう先は長野県八ヶ岳。一年を通して星がよく見える高原には、国内最大規模の観測装置が並ぶ「国立天文台 野辺山」がある。中でもひときわ大きい口径45mミリ波電波望遠鏡は約600枚のパネルで構成され重さは700t。これだけ巨大かつ自由に方向を動かせるにもかかわらず、パラボラ全体の誤差は0.1mm以下という高い精度を保つ。私たちの目では捉えることのできない宇宙から届く微弱な電波を観測することで、可視光で観測することのできる宇宙とはまた違った宇宙の現象をより深く知ることができるという。

[1]奥にあるのは現在世界各国の研究者が利用している「45m電波望遠鏡」。手前に84台並ぶのは、太陽観測専門の「電波へリオグラフ」/ [2] 6台が並ぶ「ミリ波干渉計」、現在科学運用は終了 / [3] 国立天文台 野辺山宇宙電波観測所 技師の宮澤和彦氏。今回は特別に案内して頂いた / [4] 干渉計を運用していた時代の制御機器(左隅) / [5] 宮澤氏の横にあるのが45m電波望遠鏡を構成するパネルの1枚。カットモデルで内部がアルミハニカムになっているのがわかる / [6] 屋外には各種解説パネルが展示された見学コースが整備されている

  • 野辺山45m電波望遠鏡は1GHz~ 150GHzという高い周波数=センチ波・ミリ波を観測する。人間の目に見える「可視光線」、リモコンでおなじみの「赤外線」、テレビや携帯電話の「電波」。これらは全て「電磁波」の一種であり、波長により性質が変化する。可視光線を捉えるプロの飯島カメラマンと、電波を捉えるプロの宮澤技師。ともに「星」を愛する者同士、熱い会話が印象的だった。


    [7] Honda SENSINGにもミリ波が活用されている



[a] 野辺山観測所からほど近い八ヶ岳南麓にある、天体観測のできるペンションとして有名な「スター☆パーティ」。口径40cmの大型望遠鏡を備えた天文ドームがあり、晴れた夜にはオーナー自らが説明してくれる星空観察会も開催される。
車両はホンダ「フリード+」Moduloフルオプション仕様(コンプリートカーのフリード Modulo Xとは異なります)

都内から中央自動車道を経由し、およそ3時間のドライブを楽しんで八ヶ岳へ到着。国立天文台野辺山に立ち寄った後、宿泊先のペンション「スター☆パーティ」へ。星空写真家 飯島氏に指導を受け、ぜひ星空写真を撮ってみたい!と志願したホンダアクセスの写真好きスタッフ3名は、到着直後から飯島氏に質問を連発するなど興奮気味。長距離ドライブ直後でも疲れを感じていないのは、今回の撮影への期待だけでなく、大切な機材をしっかりと積み込めるフリード+の収納力があればこそ。ラゲッジスペースから各自の荷物と撮影機材を降ろし、夜の撮影に向け準備を進めた。

どこにでも行ける どこででも楽しめる

フリード+をより楽しく快適にしてくれる純正用品オプション群 [b] Modulo 15インチアルミホイール / [c] Modulo 専用フロントエアロバンパー / [d] オートサイドステップ(助手席ドア・左側スライドドア連動 LEDブルーイルミネーション付 / [e] テールゲートスポイラー / [f] ACコンセント(100V / 100W) / [g] アドバンスドルームミラー(約130万画素 / ミラーモード時 自動防眩機能あり) / [h] ドアハンドルプロテクションカバー(クロームメッキタイプ)

チェックインを終え、さっそくカメラ機材を広げて飯島氏の星空撮影講座がスタート。フィルム時代から写真には造詣が深い山内氏も、一眼カメラはほとんど使ったことが無いという木谷氏も、飯島氏の丁寧な解説に目からウロコが落ちまくる。(飯島氏の星空撮影ゼミに興味がある方は、僚誌デジカメ Watch / GANREFも参照されたし)

[A] 飯島氏の星空撮影ゼミ [B] 左から、 実機を操作しながら1つひとつ丁寧に解説する飯島氏、一眼カメラで撮影するのはほぼ初めてというホンダアクセスの木谷氏、今でもフィルムカメラを愛用しているほどカメラ好きのホンダアクセス 山内氏 [C] 暖炉が素敵な「スター☆パーティ」のダイニングスペースには、各種望遠鏡など星空を観察する機材・グッズが多数展示されている。購入も可能 [D] 撮影機材として下記を全員が使用した (カメラ)オリンパス OM-D E-M1 MarkII / (レンズ)オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO / (レンズ)オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO /(雲台)ベルボン QHD-G6Q /(三脚)ベルボン ジオ・カルマーニュ E643M II

飯島氏が星空撮影に興味を持ったのは、アポロ11号月面着陸の際、天体望遠鏡で月を見たことがキッカケだそうだ。自らの眼で星を眺め、そのあまりの美しさを写真に収めたいという想いで現在に至る。見て、感じたことを撮影する。なので、カメラよりまず先に、目で見て星の光を感じてほしいのだと飯島氏は語る。星空撮影に使用するカメラは身近にあるもので最初は十分。都内など明るい場所に住んでいる人はちょっと遠くまでドライブし、まずは肉眼で美しい星空をじっくり眺め、もし双眼鏡があれば覗いてみてほしい。美しい……そう感じるところが星空撮影のスタートなのだから。

[E] 時を忘れてカメラ談義に花を咲かせてくれた飯島氏。熱心に質問するスタッフに、もっと星空写真を楽しんでもらいたいと、熱意を持って語る姿が印象的だった / [F] 長時間露光で星空を撮影する場合、カメラを三脚に固定しただけでは地球の自転により星の像が流れてしまう。それを追尾するのが「赤道儀」という装置。現在はコンピューター制御で目的天体に追従するタイプもある

星空を撮影する際、まず気を付けるポイントは次の5点。「1.しっかりピントを合わせる」=一眼カメラでも、コンパクトカメラでも、オートフォーカス任せで星空にしっかりピントを合わせることは難しく、ライブビュー機能などを活用して手動でピント調節することがまずは必要。

「2.きちんと構図を考える」=綺麗な星空のどこに感動し、何を写したいのかを明確にしたい。「3.シャッタースピード」=星空を撮影するためには、レンズの明るさやカメラの感度に応じて、数十秒からもっと長時間シャッターを開けて光を取り込む必要が。「4.三脚はしっかりしたものを」=長時間シャッターを開け続ける必要がある星空撮影では、条件によって数分、数十分、あるいは数時間にもわたりカメラをしっかり固定する必要がある。しっかり固定できるのはもちろん、風などでも揺るがない強さと重さがあるものがベストだ。「5.暗闇での操作とマナー」=暗い場所でも必要なカメラ操作を行なえるよう練習することはとても大切。暗闇に目を慣らして天体観察や撮影をしている周囲への配慮として、できるだけ照明を点けない、天体観測用の赤色ライトを使用するなどして気を付けたい。近くに住居などがある場合は、大声で騒がないなどの配慮も。

野辺山45m電波望遠鏡は湿度が低ければ低いほど観測がしやすく12月~5月が観測シーズンだそうだが、星空写真撮影は1年を通して様々な星景を撮影することができる。ロケ当日は至る所に雪が積もり、気温は-10℃という極寒の夜。しかしながら、空には雲ひとつなく、空気もとても澄んでいて、ペンションオーナーの木村氏も太鼓判を押すほど天体観測には最高のロケーションに恵まれた。都心のそれとはまったく別物に見える八ヶ岳の美しすぎる星空に参加した誰もが眼と心を奪われたようで、骨身に染みる寒さにもかかわらず、いつまでも長時間撮影に興じていた。(風邪に注意!) また、天気がいい日はペンションの天文台にある口径40cmの大型望遠鏡使って星空観察会も実施される。この日はなかなか見ることのできない一等星 カノープスや、オリオン座の中にあるオリオン星雲なども見ることができて、肉眼で見るのとはまた違った星の姿に、よりいっそうの魅力を感じられたようだった。

    [10] スター☆パーティの敷地からも、星空撮影を楽しむことができる。マナーに配慮するのは当然だが、夜間の撮影では事故防止のため「1人で行動しない」ということも重要 / [11] 星空撮影が趣味というホンダアクセス 田中氏は、赤道儀を使った撮影を楽しんでいた / [12] スター☆パーティ天文台の内部

  • 撮影:ホンダアクセス
    山内大輔 氏

  • 撮影:ホンダアクセス
    田中穂高 氏

撮影:ホンダアクセス
木谷侑一郎 氏










3名とも、-10℃という極寒にもかかわらず星空を眺め、撮影を続けた夜。思い思いの構図と設定で撮影した星空写真から気に入った1枚を自身でピックアップしてもらった。ほぼ同じ場所で撮影しても、全く異なる表情の3枚が仕上がったのは実に興味深い。

  • 明け方の空に飛ぶ国際宇宙ステーションの光跡(OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII / 7-14mmF4.0 撮影:飯島 裕)

  • カラマツ林に見上げる冬の星座たち(OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII / 12-40mmF2.8 撮影:飯島 裕)

  • 高原の空に描かれた星々の光跡(OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII / 12mmF1.8 撮影:飯島 裕)

  • 野辺山の雪原に沈む月と冬の星座(OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII / 8mmF1.8 Fish-eye 撮影:飯島 裕)

  • 野辺山宇宙電波観測所の空に星が巡る(OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII / 14-35mmF2.0 撮影:飯島 裕)

  • 八ヶ岳と冬の天の川(OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII / 7-14mmF2.8 撮影:飯島 裕)

  • いっかくじゅう座のバラ星雲(OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII / 300mmF2.8 撮影:飯島 裕)

  • アンドロメダ銀河 M31(OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII / 300mmF2.8 撮影:飯島 裕)

  • 4名乗車+1泊2日分の荷物と機材を収納できた「フリード+」。開口部地上高335mmの超低床フロアで積み下ろしもラクラク

  • スマートフォンなどを充電できる「USBチャージャー」に加えて、「ACコンセント」があるとカメラの充電なども移動中にできる。純正オプションの活用で、愛車がますます快適に

美しい自然に包まれた八ヶ岳でカメラ談義と星空撮影に熱中した1泊2日はアッと言う間に過ぎていく。素敵な想い出とともに身につけた撮影テクニックを活かすべく、気持ちは早くも次のドライブ旅へ。より快適で気持ちのいい走りを味わえる「Modulo」「Modulo X」、ぜひお近くのHonda Carsで試乗してみてはいかがだろうか。次はどこへ行こうかな♪

スタイリッシュで目を引くデザイン 充実したカーライフを実現する、純正アクセサリーの数々 さあ、出かけよう!

© Impress Corporation / Photo + Superviser:飯島 裕 / Text:石岡宣慶 / Photo:高橋 学
提供:株式会社ホンダアクセス  機材協力:オリンパス株式会社 / ベルボン株式会社  撮影協力:国立天文台 野辺山宇宙電波観測所/ペンション スター☆パーティ