旅レポ

夏期増便のフィンエアーで行く! ヘルシンキとタンペレを巡るアート&グルメ旅(その2)

ヘルシンキのアートとムーミンシリーズの産みの親トーベ・ヤンソンゆかりの地を訪ねる

トーベ・ヤンソンゆかりの地を訪ねた
(C)Moomin CharactersTM

 フィンエアーとフィンランド政府観光局は、文化や産業の発信地タンペレと首都ヘルシンキをまわるプレスツアーを6月15日から19日にかけて共同で開催。6月17日にタンペレにオープンした「ムーミン美術館」をはじめ、作者のトーベ・ヤンソンに関するエリアなど2つの都市の見どころを紹介するツアーに参加することができたので、その様子をレポートする。

フィンランド到着日も美術館でアートを堪能。ヘルシンキ街歩きでトーベ・ヤンソンゆかりの地へ

 フィンエアーの成田発~ヘルシンキ着のAY072便のビジネスクラスを利用して、13時50分にヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着し、首都ヘルシンキに向けて15時近くに空港を出発したツアー初日。まずは、バスで30分ほどかけて約9000点のコレクションを所蔵するヘルシンキ市立美術館(HAM)へ向かった。1937年に室内テニスコートとして完成した建物を利用し、カフェや映画館も併設する市民の憩いの場だ。

 ヘルシンキ市立美術館には、ムーミンシリーズの作者である芸術家トーベ・ヤンソンが1947年に発表したフレスコ画「田舎のパーティ」と「都会のパーティ」を常設展示。小さなムーミントロールや作者本人が描かれているなど、細かく見れば見るほど発見のある2作品となっている。また、元々はヘルシンキ市庁舎の職員・接待用レストラン「カウプンギンケッラリ」に飾られており、当時を象徴するパーヴォ・ティネルの照明が展示室を照らしているのも興味深いところだ。

約9000点の作品を所蔵するヘルシンキ市立美術館(HAM)
チケットはサークル型のカラフルなステッカー。一般10ユーロ(約1300円、1ユーロ=約130円換算)、割引8ユーロ(約1040円)、18歳未満入館無料
フレスコ画「田舎のパーティ」と「都会のパーティ」。天井からは、飾られていた当時を彷彿させる照明が室内を照らす
(C)Moomin CharactersTM
英語や日本語など5つの言語で解説するボードも用意

 2つめの部屋に向かうとストロンベリ社のピタヤンマキ工場の食堂の壁画、1955~1956年にアウロラ小児科病院の壁に作画した作品の紹介が。中央にはお絵描き用の小さな机と道具がちょこんと置いてあり、子供と一緒に美術館での時間を楽しめる工夫がされている。

ストロンベリ社のピタヤンマキ工場の食堂の壁画とお絵描き用の机
(C)Moomin CharactersTM
アウロラ小児科病院の壁に作画した作品を紹介
(C)Moomin CharactersTM

 続いては7月30日まで開催の企画展「MODERN LIFE!」へ。アルヴァ・アアルトのチェアがズラリと並び、マリメッコのワンピースとその時代のアートの比較展示がされるなど、フィンランドデザインの素晴らしさを丁寧に解説。また、資材が不足している時代に考案された建築方法を学び、実際に組み立てることができるブースをはじめ体験エリアも。

企画展「MODERN LIFE!」は7月30日まで開催
マリメッコのワンピースとその時代のアートの関連性がよく分かる
アルヴァ・アアルトのチェアをはじめフィンランドデザインの世界がせまってくる
パーツをもとにパズルのように家を組み立てることができるブース
ヘルシンキ市立美術館

所在地:Tennispalatsi 2F Etelainen Rautatiekatu 8, Helsinki
Webサイト:ヘルシンキ市立美術館

近くの交差点にはムーミンハウスを彷彿させる塔も発見

 続いては、トーベ・ヤンソンゆかりの地へ。1914年から1933年まで家族が住んでいたカタヤノッカへ向かい、幼少時代の家を見学。1番上の階に住んでいたとのことで外壁にはメモリアルプレートも。生家のあるカタヤノッカ周辺は、アールヌーボー様式の建築とともにフィンランドのモダニズム建築も見ることができるエリア。十字路には、ムーミンハウスをイメージさせる塔のような建物もあり、物語と現実が交差するような感覚になれる場所だ。

1914年から1933年まで家族が住んでいたカタヤノッカの幼少時代の家

 そのまま、歩いて30秒ほどの場所には2014年に改名されたトーベ・ヤンソン公園、そして海岸側へ足を向けると冬になると水が凍結し、トーベ・ヤンソンもスケートを楽しんでいたハルコライトゥリ埠頭が見えてくる。暖かな日差しを浴びながらの散策は、まるで自分がこの場所に住んでいるかのような気分になれた。

2014年に改名されたトーベ・ヤンソン公園
冬になるとスケートができるハルコライトゥリ埠頭周辺
タカヤノッカの幼少時代の家

所在地:Luotsikatu 4, Helsinki

トーベ・ヤンソン公園

所在地:Kanavakatu 1, Helsinki

ハルコライトゥリ埠頭

所在地:Halkolaituri, Pohjoisranta

父親のヴィクトル・ヤンソンによる「marmeid(人魚の彫刻)」
(C)Moomin CharactersTM

 そのまま、トーベ・ヤンソンが1944年から亡くなる2001年までアトリエとして使用していた場所へ。建物のエントランスには父親のヴィクトル・ヤンソンによるレリーフを使ったメモリアルプレートが飾られているので、記念撮影にぴったり。なお、ヴィクトル・ヤンソンによる彫刻もヘルシンキ市内に多数設置されており、娘のトーベ・ヤンソンをモデルにした「marmeid(人魚の彫刻)」は商業施設の中庭、エスプラナーディ公園では「Aallottaria(水の精・ナーイアス)」や「Aallottaria(やぁ)」を鑑賞できる。ヘルシンキが発行するガイドマップ内にトーベ・ヤンソンのヘルシンキルートが紹介されているのでマップ片手に訪れてみてはいかがだろう。

トーベ・ヤンソンのアトリエがある建物のエントランスにはメモリアルプレートが飾られている
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
エスプラナーディ公園の「Aallottaria(水の精・ナーイアス)」と「Aallottaria(やぁ)」
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
ヘルシンキのガイドマップ。日本語版もあるのでマップ片手にルートを辿ってみよう
(C)Moomin CharactersTM
トーベ・ヤンソンのアトリエ

所在地:Ullanlinnankatu 1, Helsinki

ヴィクトル・ヤンソンによる「Mermaid(人魚の彫刻)」

所在地:Etelaesplanadi 22, Helsinki

エスプラナディ公園

所在地:Pohjoisesplanadi, 00101 Helsinki

 街歩きに疲れたらトラムやシティバイクの活用がお勧め。トラムは各停留所などでチケットを手に入れられる。1回の乗車の場合は2.9ユーロ(約380円)となっておりクレジットまたは現金での購入が可能。乗車するときは、運転手にチケットを提示して席へ。停留所名が表示されたら、降車を知らせるボタンを押すだけだ。ヘルシンキは石畳の歩道のため足が疲れたら躊躇せずに利用しよう。

停留所の自動券売機でチケットを購入
路線図を確認し、行き先と数字が表示されたトラムが来たら乗車
トラムの内部の様子。降りるときは降車ボタンをポチッ

 シティバイクは24時間5ユーロ(約650円)、1週間10ユーロ(約1300円)、2017年10月31日までの1シーズンなら25ユーロ(約3250円)。専用Webサイトにて申し込みとクレジットカード番号を入力し支払い。送られてくる利用者IDと暗証番号を入力すればOK。2016年より運用が開始され、現在は約1400台のバイクが300mおきに設置され、ステーションも約140カ所。Webサイトでステーションの使用可能なバイク数も検索できる。30分以内の短時間利用の場合にお勧め。

市民の足となっているシティバイクのステーション。目印は明るいイエローのバイク
シティバイク

Webサイト:シティバイク

良質デザインが集まるデザイン・ディストリクトで旅の思い出の詰まった自分だけのとっておきを探そう

 フィンランドといえば、良質デザインの宝庫。ヘルシンキを訪れたのならば必ず足を運びたいエリアがデザイン・ディストリクト。2005年に地域の人々により発案され、クリエイティブなショップを集結させようと生まれたエリアなのだ。現在約25の通りと約200のスポットで構成されており、ファッションやアート、ジュエリー、レストランにショールームと幅広いジャンルで成り立っている。エリア内をふらりと散歩するだけでも現在進行形のヘルシンキ、そしてフィンランドデザインの素晴らしさを堪能できるはず。

デザイン・ディストリクトのエリアは散歩をしているだけで発見がある
加盟店は専用のステッカーで見分けることができるが、ステッカーが貼られていなくとも素敵なショップが盛りだくさん

 旅の間に訪れたのはスホネン姉妹による「Ivana Helsinki」。子供のころに見た光景からインスピレーションを受けてデザインされた洋服たちは、愛や記憶をモットーとしたメッセージが込められている。今年のテーマは動物に関する権利で、女性のファッションに限らず紳士服や子供服、生活雑貨まで幅広く展開。

 ショップの1階にはシーズンコレクション、地下の宝箱をイメージした部屋にはムーミンコレクションが並べられている。3年目になる同コレクションは、アートとのコラボとしてキャラクターやイラストが大きくフィーチャーされたものから、ムーミンレースと呼ばれるレースの中にキャラクターたちが隠れている繊細なものまでさまざま。トーベ・ヤンソンの残した作品群をすべて使用できるため、豊かな発想でファッションに取り入れられている様子が見て取れる。

デザイン・ディストリクトのエリアにある「Ivana Helsinki」
地下にはムーミンコレクションを陳列。ワンピースから子供用のスウェットまで種類は豊富。ムーミンレースにも注目したい
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
Ivana Helsinki

所在地:Uudenmaankatu 15, Helsinki
Webサイト:Ivana Helsinki

 2店舗目に訪れたのは「EERO AARNIO DESIGN」。一見、ベッドや寝具を扱うショップのようだが、地下にはショールームが併設されている。ここでは、EERO AARNIOが手がける有名チェアに座り、その心地よさが体験できるスペースとなっている。

外観は寝具を扱う「unikulma」のショップ。地下に「EERO AARNIO DESIGN」が併設されている
EERO AARNIO DESIGN

所在地:Erottajankatu 19, Helsinki
Webサイト:EERO AARNIO DESIGN

 ヘルシンキ中央駅から徒歩5分ほどの場所にショップを構えるライフスタイルコンセプトストア「TRE」も必ず訪れておきたいショップの一つ。ショップ内の90%以上のアイテムがフィンランド製となっており、その質とデザインのよさはお墨付き。時間がない場合でもさくっとお気に入りのアイテムが見つかるため、自分へのご褒美はもちろん大切な人へのお土産探しにも重宝する。

駅近でこだわりのフィンランド製アイテムが揃う「TRE」
木製のアクセサリーからインテリア雑貨、サウナ用品にスニーカーまで幅広い品揃え
TRE

所在地:Mikonkatu 6, Helsinki
Webサイト:TRE

 街歩きで疲れたら、2016年にオープンし25万人が訪れたアーバンサウナとして人気の「Loyly」を訪れ本格サウナを体験してみては。サスティナブルな素材として、建物にフィンランド産の無垢の松の建材を使用。ヘルシンキ周辺で伝統的なスモークサウナが味わえる貴重な場所なのだ。薪木のウッドサウナもあり、現地のサウナ奉行にも好評とのこと。もちろん併設するカフェ&レストランで疲れがとれたあとまったりしてもOKだ。また、海岸沿いにあるためそのままサウナで温まったらば海に飛び込んでクールダウンすることもできる。

パッと目を引く美しい外観の本格サウナ「Loyly」。併設されるカフェ&レストランもおしゃれ
プライベートサウナ、ウッドサウナ、スモークサウナの3つの煙突が見える
ここから海へ飛び込み、クールダウン
Loyly

所在地:Hernesaarenranta 4 00150 Helsinki
Webサイト:Loyly

ムーミンカフェとフィンランド料理レストランでちょっとブレイク&至福のディナーを味わう

 小腹が空いたら、ベイサイドエリアのマーケットスクエアへ。ちょうどマーケットが開催されていたため寄り道をしてみることに。オレンジ色の屋根が食品関連、白の屋根が雑貨などと色分けされているのでお目当てのオレンジ屋根へと進んだところ、店先にはフレッシュベリーがたっぷり! 価格もかご一杯で5~6ユーロ(約650~780円)と日本では考えられないほどリーズナブル。味見をしたところ、酸味が少なく甘みが口に入れた途端に押し寄せてきた。

カウパットリマーケットスクエアにて地元の新鮮な食材を手に入れよう
採れたてのフレッシュベリーが並んでいた

 シナモンロールとコーヒーで地元の方々に混じってブレイク。セットで6ユーロ(約780円)。シナモンロールはほんのり甘く、しっとり柔らかな味わい。濃いめのコーヒーが甘さと絡むとなんともいえない美味しさに。マリメッコのUnikko柄の紙コップが愛らしい。

マーケットのオープンカフェにてシナモンロールとコーヒーをオーダー

 カウパットリマーケットスクエアから徒歩で1分程のキャンディショップ「Sweet Story Helsinki」もお土産選びに最適。毎日ショップ内で手づくりされるキャンディはムーミンモチーフやリコリスを使ったフレーバーなどが揃っている。シロップと水、砂糖と最低限の材料から生まれるキャンディは、10パック作るために2~3時間ほどかかるそう。手間ひまかけて生まれた1粒は優しくとろけ、1粒だけで幸せ気分に。店を出てそのまま右に直進するとヘルシンキ大聖堂と元老院広場がすぐに見えてくる。広場には、フィンランド独立100周年を祝うバナーなどが掲げられ、お祝いムードたっぷりの様子を感じてみてはいかがだろう。

マーケットからすぐの路地にある「Sweet Story Helsinki」
ムーミンモチーフのキャンディ(5.9ユーロ、約770円)
(C)Moomin CharactersTM
人気のリコリス味ももちろんラインアップ
ショップを出て右に進むとヘルシンキ大聖堂と元老院広場へ到着。フィンランド独立100周年をお祝いするブルーのバナーが掲げられている
Sweet Story Helsinki

所在地:Katariinankatu 3, Helsinki
Webサイト:Sweet Story Helsinki

 ムーミンカフェの1号店もマーケット周辺を散策するのならば足を運んでおきたい場所だ。自然光が柔らかく入る店内は、スカンジナビアデザインを取り入れ、ヴィンテージのチェアやアアルトを始めとするフィンランドデザイナーのテーブルなどを採用し、ムーミンシリーズの魅力とフィンランドデザインのよさをたっぷり感じられる空間となっている。フロアも1950年代の食料品店そのままを活かした造りで、味のある内装となっている。

ムーミンカフェの1号店のガラスにはムーミンパパたちが描かれている
(C)Moomin CharactersTM
店内はスカンジナビアデザインを取り入れ、ヴィンテージのチェアやフィンランドデザインのテーブルを使っている
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
床は1950年代の食料品店そのままのものを利用していて味わい深い
(C)Moomin CharactersTM

 ファミリー層にも配慮した店内は、キッズ向けのプレイスペースも併設。さまざまな言語で訳されたムーミンシリーズの書籍や絵本もたっぷり。なお、再就職支援の場所ともなっており、50代以上の就職希望者を率先して採用し、技術を学んだあとにカフェが経営できるように訓練する場としての機能も併せ持っている。

キッズ向けのフロアも併設。ムーミンシリーズの作品が本棚に並ぶ
(C)Moomin CharactersTM
レストルームもファミリーに優しい工夫がいっぱい
(C)Moomin CharactersTM
気さくで明るいスタッフたちがカフェを切り盛りしている
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM

 取り扱うフードはカフェメニューで、ブレッドやケーキなどが中心。フィンランドらしい、リコリス&レモンのケーキ(7.4ユーロ、約960円)やストロベリーホワイトチョコレートムースケーキ(7.4ユーロ)など見た目は大きいがシュワッととろけるムースが美味しいスイーツなどショーケースにぎっしり。メレンゲ(3.5ユーロ、約460円)はニョロニョロシェイプとケースを眺めているだけでもワクワクするほど。

ショーケースの中にはホールケーキからメレンゲ菓子までが並ぶ
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
リコリス&レモンのケーキとストロベリーホワイトチョコレートムースケーキ
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM

 ブレッド類もフィンランドの伝統的な味が楽しめるカレリアパイ(2.5ユーロ、約330円)や、手の平以上のたっぷりサイズのシナモンロール(3.5ユーロ、約460円)などおやつや小腹を満たすためにぴったりのメニューが揃う。なお、持ち帰りも可能でお願いするとシックなロゴ入りの紙袋に入れてもらえる。もちろんスーベニア類も手に入れられる。ムーミンカフェでのみ手に入れることができるオリジナルトート(17ユーロ、約2200円)、エプロン(大人用18ユーロ、約2350円)などが人気だ。

シナモンロールはかなりの大きさでお皿からはみ出すレベル。シナモンが香るしっとり食感でもう1つ買っておけばよかったと誰もが思う美味しさ
(C)Moomin CharactersTM
ニョロニョロのメレンゲ菓子はもっちり食感
(C)Moomin CharactersTM
フィンランドの伝統料理カレリアパイもイチオシメニューの1つ
(C)Moomin CharactersTM
見ているだけでお腹が空いてしまうブレッド類
(C)Moomin CharactersTM
持ち帰りの場合はロゴ入りのブルーの紙袋に入れてもらえる
(C)Moomin CharactersTM
スーベニア類もカウンター横に発見。トートバックやエプロンなどが人気とのこと
(C)Moomin CharactersTM
(C)Moomin CharactersTM
Mumin Kaffe

所在地:Liisankatu 21, Helsinki
Webサイト:Mumin Kaffe

 本格ディナーでフィンランド料理を堪能したいのならば、駅近の「Restaurant Lasipalatsi」へ。1930年代に完成した歴史的価値が高く機能的な「The Glass Palace」と呼ばれる建物内の同レストランは、地元民をはじめ観光客にも人気。ヘルシンキを訪れたのならば一度は味わいたい名店だ。ガラス張りのウィンドウに、趣たっぷりのエントランスや内装が魅力的で、改装はされているが1930年代にタイムスリップしたような雰囲気。

1930年代の趣を感じることのできる「Restaurant Lasipalatsi」
前菜の「Slightly salted salmon, vendace roe and summer potato salad」

 ディナーで味わったのは「Slightly salted salmon, vendace roe and summer potato salad」(14.50ユーロ、約1890円)と「Fillet of lamb from Åland, garlic paste and asparagus」(28ユーロ、約3650円)、そしてデザートとして「Fresh strawberries, milk ice cream and chocolate biscuit」(10ユーロ、約1300円)をオーダー。「Slightly salted salmon, vendace roe and summer potato salad」は、新鮮なサーモンをはじめとするシーフードと季節の野菜がたっぷりな前菜。さっぱりした味わいで、一気に食べきれるほどの美味しさだ。添えられたポテトサラダも味わいを引き立てる。

 メインの「Fillet of lamb from aland, galic paste and asparagus」は、ラムのフィレ肉が中心で特有の臭みがまったく感じられないほどのフレッシュさ。食べやすくカットされたお肉は柔らかくジューシーで噛むごとに旨味があふれ出る。添えられたアスパラガスとガーリックペーストと一緒に召し上がれ。

 そしてデザートは「Fresh strawberries, milk ice cream and chocolate biscuit」。カットされたフレッシュなストロベリーの甘さと濃いバニラ味のアイスクリームにチョコレートたっぷりの厚切りビスケットがベストマッチ。

メインの「Fillet of lamb from Åland, garlic paste and asparagus」
デザートの「Fresh strawberries, milk ice cream and chocolate biscuit」
Restaurant Lasipalatsi

所在地:Mannerheimintie 22–24, Helsinki
Webサイト:Restaurant Lasipalatsi

ヘルシンキの最新ホテルで市内を一望。クルーズ船も入港するベイエリアに宿泊

 ヘルシンキ1日目に宿泊したホテルは2016年10月に開業したばかりのウォーターフロントに位置する「クラリオンホテル ヘルシンキ」。ヘルシンキ中央駅からはトラムで約10分ほど。停留所が目の前にありアクセスも抜群だ。クルーズ船も停泊する港沿いにあり、目の前に広がる水辺が思う存分楽しめる。キラキラと光を反射する外装が特長的な16階建てのホテルは客室数全425室。最上階には、ヘルシンキを一望できる「スカイバー」やサウナ、プールを完備しており日没前にはその絶景を見ようと多くのゲストが集まっている。

「クラリオンホテル ヘルシンキ」。天井が高く広々としたロビー。一面ガラス張りで港の様子が眺められる
高層階の「スカイバー」は多くのゲストが集まる人気スポット
部屋に向かうエレベーターもガラス張り

 宿泊した部屋は「スタンダードダブルルーム」。白樺を彷彿させるドアを開けると16.5~20.5m2のベッドルームが現われる。シックな雰囲気に客室全体がデザインされており、90cm×2のツインベッドの正面には壁掛けのテレビが。サイドにはワークエリアがあり、マリメッコのOIVA/RASYMATTO MAGが2つ静かに使われるのを待っている。無料の紅茶やコーヒーとともにポットがあるが、ミネラルウォーターは有料。

シックで落ち着いた客室。ツインベッドにはグリーンのベッドマットとクッション
ベッドの正面には薄型テレビがある
ワークエリアには、無料のお茶などが設置されており、マリメッコのマグがかわいい

 入口横にはバスルームがある。キラキラ光る白いタイルが全面に貼られており、明るいバスルーム。エコを意識したソープディズペンサーが洗面台に1つ。トイレは壁のボタンを押して流すタイプ。バスタブもあり、こちらにはシャンプー兼ボディーソープが入ったディスペンサーを設置。お湯のでも申し分なく、ゆったりとくつろげる湯船の広さだった。アメニティはないので、歯ブラシセットなどはフィンエアーのポーチに入っていたものを利用。ヘアドライヤーも置いてあり、風量も十分だった。

光の加減で色が変化する白いタイルを全面に使った清潔感あふれる洗面所とトイレ
ソープのディスペンサーが設置されている。カップとホテルのマスコットキャラクターのバブルス。レセプションにて8ユーロ(約1050円)で購入すると1ユーロがWWFに寄付される
足を伸ばしても余裕な湯船があり、旅の疲れが癒せる
袋入りで壁にかけられていたヘアドライヤー

 バスルームを出た横の棚には、セキュリティボックスやミニバーなどをコンパクトにまとめたスペースがある。アイロンやアイロン台、ハンガーなどを一式収納している。なお、コンセントはSEタイプで、枕元やデスク付近をはじめ欲しい場所にきちんとあるという印象。角部屋だったため、天井まで続く大きな窓が3カ所あり採光も申し分ない。港側をはじめさまざまなヘルシンキの風景が楽しめたのもよかった。

セキュリティボックスなどがコンパクトにまとめられている棚
ミニバーには、ミネラルウォーターやアルコール、スナック類がぎっしり
コンセントはSEタイプ
縦長の大きな窓からは港の風景が楽しめた。白夜のため夜遅くでも外は明るい

 同ホテルは朝食の美味しさも二重丸。2つある棟のカンファレンスなどを行なう側のレストランが朝食会場となっており、「RAVINTOLA」のサインが目印。水辺に反射した光で照らされた爽やかな店内で気持ちよく食事をとることができる。

朝食会場は「RAVINTOLA」のネオンサインが目印。港沿いの明るい店内で太陽の光を感じながら食事ができる

 ブュッフェ形式で、パンケーキやライ麦パン、新鮮な野菜やチーズ、自家製ヨーグルトにベリージャムなどを提供。シンプルなヨーグルトは、ジャムを載せるだけでごちそうに早変わりする。もちろんカリカリベーコンやエッグ系の定番も。なお、ジュース類はタブレットで操作するハイテクさ。グラスをセットし、好みのフレーバーを押せば注がれる仕組みだ。

チーズやブレッド類は自分で食べたいだけ切る
パイナップルやリンゴ、オレンジなどフルーツもたっぷり
自家製のヨーグルト類が複数並ぶヨーグルトゾーン
タブレットでドリンクをチョイスし、コップに注ぐ
窓辺でいただく朝食は格別。パンケーキやブレッドとともに定番のベーコンや自家製ヨーグルトなどをチョイス
クラリオンホテル ヘルシンキ

所在地:Tyynenmerenkatu 2, Helsinki
Webサイト:クラリオンホテル ヘルシンキ

 なお、ホテルの近くには「Kスーパーマーケット」が歩いて1分ほどの所にある。また、トロリーなどで少し移動して「Sマーケット」へ足を運ぶのも楽しい。スーパーでは、フィンランド産のチューブ入りのハチミツやソーセージに合う旨味たっぷりのマスタード。そしてフィンエアーの機内食のスナックでも提供された「Fazer」の各種チョコレートなども手に入る。もちろんフィンランドならではのキシリトール関連商品も忘れずに手に入れたいところ。

クラリオンホテル ヘルシンキから徒歩1分の所にある「Kスーパーマーケット」
ディナーを味わったレストランから徒歩2分ほどの場所にある「Sマーケット」
フィンランド産のハチミツチューブやソーセージに欠かせないマスタードがお勧め
フィンランドの老舗チョコレートカンパニー「Fazer」のチョコレートはお土産用に
スーパーならムーミンココアもお手頃価格で手に入る
(C)Moomin CharactersTM

 ヘルシンキでの街歩きでは、トーベ・ヤンソン関連のエリアをはじめデザイン関連のミュージアムやエリアなど見どころが満載だった。さらにカフェやレストラン、そしてマーケットをはじめ食事の美味しさを思う存分堪能できた部分も大収穫。次回はヘルシンキ中央駅からVRを使ったタンペレ移動をはじめ、6月17日にオープンしたタンペレホールの「ムーミン美術館」を中心にレポートする。

(C)Moomin CharactersTM

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。