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ANA、無人決済システムの2号店をセントレアの保安検査後エリアに開業。QRコード決済にも対応した店舗を見てきた!

「ANA FESTA GO 中部ゲート店」

2022年6月15日 開業

セントレア(中部国際空港)の搭乗ゲート内にオープンした「ANA FESTA GO 中部ゲート店」

 ANAグループのANA FESTAと無人決済システムの開発を進めるTOUCH TO GOは6月15日、セントレア(中部国際空港)第1ターミナル3階の国内線搭乗ゲート内に、無人決済システムを活用した「ANA FESTA GO 中部ゲート店」をオープンした。国内空港では2店舗目で、TOUCH TO GOの無人決済システムを利用した店舗としては首都圏以外で初めて。

 無人決済システムを活用した店舗としては本誌でも紹介しているとおり、すでに羽田空港 第2ターミナルの地下1階に「ANA FESTA GO 羽田B1フロア店」が2021年8月27日にオープンしているが、今回の「ANA FESTA GO 中部ゲート店」は保安検査を終えたあとの搭乗ゲート内に設置している。

 店舗の場所は従来のANA FESTA 中部ゲート1号店があった場所で、今回の無人決済仕様にリニューアルされた。営業時間は6時30分~19時で、店舗の広さは約50.2m2。お土産品を中心に約170アイテムを揃えており、支払い方法は交通系電子マネー、クレジットカード、現金に加え、QRコード決済(PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、J-coin PAY)に対応している。

従来あった店舗を無人決済システムにリニューアルした
支払い方法にQRコード決済が加わっている
店舗の外側には利用におけるガイダンスが分かりやすく描かれている
店内には名古屋をはじめとした東海地方のお土産がズラリと並ぶ。予算を目安に選べる価格帯表記も急いでいるときにはありがたい

 利用方法はANA FESTA GO 羽田B1フロア店と同様、入店したら商品を選んで手に取り、それを持ってレジまで行けば支払い案内が画面に表示されるので、指示に従って支払いを行なう。天井に設置された31台のカメラと商品棚のセンサーが連動して常にモニタリングしており、店内の“誰”が“何のアイテム”を所持しているかをリアルタイムで判断するシステムだ。

常に人の動きと品物の動きをマッチングさせているので、レジの前に立つだけで会計作業ができる
店内で購入したい商品を手に取る。いらないものは元に戻せばOK
レジの前に立つとANAマイレージクラブ会員か聞かれる
自動で表示される購入アイテムを確認する
レジ袋の有無を選ぶ
支払い方法を選択する
支払いを完了させる
支払いが完了するまではゲートが閉じている
ゲートが開いたら退店する

 TOUCH TO GO 代表取締役社長の阿久津智紀氏は、今回の店舗では新たにQRコード決済に対応し、会計の際はANAマイレージクラブ会員であるかを最初にたずねるように仕様を変更していると説明した。また、従来は店舗内に滞留できる人数に限りがあったので入口にもゲートが設置されていたが、その制限も取り払われた。「今回の店舗は搭乗ゲートのなかということで、システムを担当するにあたり、お客さまがよりクイックにお買い物ができるように設計しています」と話した。

TOUCH TO GO 代表取締役社長 阿久津智紀氏

 ANA FESTAを担当する全日空商事 リテール戦略推進室 副室長の牛尾隆之氏は、中部国際空港に同システムを導入した理由として、新しい取り組みに積極的な空港側の理解と人員不足の解決を挙げた。今回のシステムの導入により、人員の負担を約3分の1ほどに省力化できるという。

 今後のほかの空港での展開については、店舗が複数ある中規模空港に設置を検討しているとのこと。1店舗しかない小規模空港における人員不足も課題ではあるが、紙の株主優待券や金券、クーポン券などは現システムでは対応できないので、利用客の利便性を損なわないためにも、まずは複数の店舗がある空港で導入を進めて行きたいと説明した。

全日空商事株式会社 リテール戦略推進室 副室長 牛尾隆之氏