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首都高、2016年3月期決算は減収増益、「交通量、料金収入とも非常に好調」

新料金体系でも通行量、料金収入に大きな変動は見込まず

2016年6月10日 発表

決算説明に臨む、首都高速道路株式会社 取締役 大西英史氏(中央)、財務部長 門馬直樹氏(左)、経営企画部長 藤井賢一氏(右)

 首都高速道路は6月10日、第11期(2016年3月期)決算を発表した。営業収益は3084億円で前年比2448億円減、営業利益は78億円で前年比45億円増、経常利益は81億円で前年比46億円増、親会社株主に帰属する当期純利益は49億円で前年比31億円増。高速道路事業については料金収入が2555億円で前年比46億円増となった。

2016年3月期連結経営成績

交通量、料金収入とも非常に好調

首都高速道路 取締役の大西英史氏

 決算説明を行なった首都高速道路 取締役の大西英史氏によれば、営業収益には、完成した道路資産を独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構へ引き渡して得た額も含んでいるため、道路の完成が多くあった年度は大きくなるなど数値の上での変動が多い。そのため、2016年3月期は道路の開通が2015年3月期よりも少なかったため、営業収益がその分だけ前年より大きく減少している。また、道路資産の取得にかかった原価は営業費用に加算されているため、「道路資産完成高」と「道路資産完成原価」の変動を差し引いて考える必要がある。

 その上で、大西氏は今回決算のトピックの1つとして中央環状線の開通を挙げ、「首都圏の3環状道路で最初のリングが完成。この開通によって1日平均の交通量が2万4000台増加し、1日の交通量は96万8000台、その結果、料金収入はネットワークの整備効果と、うるう年という合わせ技で、前期にくらべて46億円の増加」とし、「交通量、料金収入とも非常に好調」と表現した。

 大西氏は2つのトピックとして「適切な維持管理」を挙げ、「首都高速では、安全安心の取り組みとして、点検、監視、補修の3要素を絶え間なく実施している」と強調、その結果、道路を含めた管理費用等が645億円と前年から47億円増加したと説明した。

2015年度(2016年3月期)の事業概要
営業収益のうち、料金収入は2555億円で前年比46億円増
中央環状線全線開通効果等による交通量の増加
道路の適切な維持管理

今期は通行量、料金ともに大きな変動なし

 次に今期となる2017年3月期の連結業績見通しについても参考として発表された。今期は新料金体系への移行があったほか、横浜港北JCT(ジャンクション)~生麦JCTを結ぶ横浜北線の開通が予定されている。

 営業収益見込みは7428億円で、2016年3月期と比べて4343億円増を見込んでいる。これは、道路開通により道路資産完成高が4386億円と前期の334億円から大幅に増加するため。

 料金収入については新規開通区間や新料金体系による変動要因はあるものの、ほぼ横ばいの2553億円(2億円減少)を見込み、通行量についても大きな変動を見込んでいないとした。

2017年3月期の連結業績見通し