荒木麻美のパリ生活

パリで一番お気に入りのベジタリアンレストラン

オーガニック素材の絶妙な組み合わせで目も舌も大満足

Cantine Vagabonde

 我が家はあまり外食をしないので、家の周辺にあるレストランもまだほとんど知らないのですが、今のアパートに引っ越してきてからの1年半、もう何度も行ったレストランがあります。「Cantine Vagabonde(ヴァガボンドの食堂)」というベジタリアンのレストランで、家から徒歩5分くらいのところにあります。

 パリでベジタリアンのレストランというと、確かに野菜をいっぱい食べられるのはいいのですが、メニューがどこも似ているというか、単調な感じのするところが多いのも事実。でもここは見た目が美しく、味もバラエティーに富んでいます。内装もかわいらしいので、女性同士のランチにはうってつけ。レストランで食べているお客さんも、女性が8割くらいでしょうか?

店内はスカンジナビア風というのでしょうか? 壁紙や家具などがなかなかすてき
メニューは日替わりで、単品のほか、セットメニューもあります。前菜とメインのセットが13.50ユーロ、これにデザートが付くと17ユーロです

 ここのレストランで出される料理の食材はほとんどがBIO(過去記事参照)。もちろん季節の食材を使っています。日本から遊びに来てくれた友達が「体によさそうなものを食べたい」というのでこのレストランに連れて行ったのですが、とっても喜んでくれました。

 レストランのオープンは2012年。当時も今も、周辺にはこのレベルのベジタリアンレストランがほとんどないこともあり、私も含めてファンが多いようです。テイクアウトもOKですし、パリの9区、10区、18区、19区で、37.50ユーロ以上の注文であれば配達もしてくれます。

ある日のメニューその1。前菜はニンジン、パイナップル、ショウガの冷たいスープ
メインはジャガイモ、ターメリック、タマネギのコンフィのサラダ添え。または古代小麦、レンズ豆、ニンジン、ビート、プルーン、ブルス(ヤギのチーズ)のサラダ
デザートはリンゴとプルーン、オオムギミルクのクラフティかレモンのムース
ここの絞りたてジュースもお勧めです。この日はリンゴ、セロリ、レモンのジュースでした
レジの横ではBIOの野菜やジャム、お茶などを販売しています

 また、毎週水曜日と金曜日には、パリ市の運営する文化施設「104」にてランチボックス(9.50ユーロ)も販売しています。104は以前とりあげたリサイクルショップ「Emmaus」(過去記事参照)も入っているので、機会があればこちらにも行ってみてくださいね。

 レストランではベジタリアン料理教室が定期的に開かれています。そのほかにも私の学んだNaturopathie(自然療法)のミニ勉強会なども開催されています。すべての料理がしみじみと美味しく、私には量も申し分ないですし、従業員の女性たち(男性を見たことがありません)もとても朗らか。胃袋はもちろん心も満たされること請け合いです。

ある日のメニューその2。前菜はサツマイモとココナツミルクのスープ、またはニンジン、エシャロット、リンゴのワカモレ
メインは栗カボチャ、カブ、長ネギのクランブル、サラダ添え。またはフダンソウ(大きなホウレンソウのような野菜)とアーモンドのグラタン、サラダ添え

【2019年1月追記】※開店より6年を経て、2018年5月より、Cantine Vagabondeはレストラン業務をやめ、ケータリングサービスとオーガニックベジタリアン料理教室を提供することとなりました。

荒木麻美

東京での出版社勤務などを経て、2003年よりパリ在住。2011年にNaturopathie(自然療法)の専門学校に入学、2015年に卒業。パリでNaturopathe(自然療法士)として働いています。Webサイトはhttp://mami.naturo.free.fr/