旅レポ

ベトナムの人気リゾート・ダナン、「ラグーナ・ランコー」で時を忘れるラグジュアリー体験(その3)

世界遺産の街ホイアンでホテル周辺散策を楽しむ

ホイアンを彩る夜のランタン

 成田国際空港からの直行便の運行をはじめ日本からのアクセスが便利になり、注目を浴びているベトナム・ダナン。海岸線沿いには高級ホテルの建設ラッシュが続き、世界各国から観光客が訪れている人気エリアだ。今回はダナンの中心地からクルマで約1時間ほどのチャンメイ地区ランコー湾近くに位置する「ラグーナ・ランコー」を訪れた。

 ここは「バンヤンツリー・ランコー」「アンサナ・ランコー」の2つの高級ホテルにゴルフ場を併設し、知る人ぞ知るラグジュアリーリゾートとして話題となっているエリアなのだ。豊かな自然の残る、のどかな田園風景や漁村が集まるため、環境に配慮した形で運営されている同リゾート。プレスツアーのレポート3回目は、ホテル内外のアクティビティやホテルを拠点として訪れることのできる世界遺産の街「ホイアン」の様子をお届けする。

街歩きのための予備知識を兼ねて、ホテル内アクティビティでランタン作り

「バンヤンツリー・ランコー」「アンサナ・ランコー」のゲストルームにて、リゾートステイを存分に楽しんだのならば、時間の余裕をみながらホテル内で開催されているアクティビティに参加してみよう。無料のものから文化を感じられる有料ハンドクラフトまで用意され、じっくりと物作りが楽しめる。今回参加したのは「Lantern Making」(25万ドン、約1250円、1万ドン=約50円換算)。世界遺産の街ホイアンの夜を美しく彩るシルク製のランタンを45分かけて手作りすることができる。

 まずは、ホテル内のレセプションで予約し、開催時間を確認。指定の場所に集合すると、テーブルの上には色とりどりのシルクやランタンの材料が並べられていた。ブルーやパープル、トラディショナルカラーのレッドなど、5色のシルクの布の美しさで期待値も上がる。

 講習時には、スタッフが手取り足取り教えてくれるので安心だ。制作するうえでのコツも聞きながら作るとより楽しい。うまく布を固定するには、少しばかり力を入れてしっかり貼ることが大切だそうだ。緩いとランタンの形がぼやけてしまうため、張りのある側面にすることが美しく仕上げるためのポイントなのだ。

ホテルのレセプションで開催時間などを聞いたり、各種アクティビティを予約したり。シャトルバスの予約やプライベートタクシーの相談にものってくれる
「Lantern Making」の講習会場には色とりどりのシルクとランタンの材料が並んでいた
ランタンの骨組みに接着剤をていねいに塗り、頃合いを見て好みのシルク布地を貼っていく。やや力を入れて、しっかりと張りのある面にしていくのが美しく仕上げるコツ

 すべての面に均等に貼り終えたら、次は余った部分をカット。このとき、内側にある骨組みを形成する糸を切らないように。そして上下に芯の入った細いパーツを取り付ければ、本体部分はほぼ完成。用意された布地は5色だが、色選びに参加者の個性が出るので盛り上がる。

 最後に、下に付ける房部分のカラーをチョイス。試行錯誤しながら結局1色に。丸い玉に紐を通して、ランタン下部の金具につなげれば完成。簡単かと思いきや、意外と布貼り作業が難しく、たっぷり40分かかった。

 ホイアンの街にあふれる美しいランタンへの造詣も深まるので、「Lantern Making」はぜひ受講しておきたい。なお、ハンドクラフト系のアクティビティとしてこの日は「Paper Lotus Flower Making」(25万ドン、約1250円)も開催。女性を中心に自分の手から生まれた大ぶりの蓮の花を手に、皆、笑顔になっていた。

2枚の布を貼ったら、はみ出した部分をていねいにカット。再び2枚貼りカットを繰り返す
ランタンの上下に芯の入った布を巻き付けて見た目を仕上げる。強度も上がる
房を選び、玉に通してランタンに取り付ければ完成! 並べると作り手の個性が出ているのがおもしろい。サポートしてくれるスタッフもとっても気さくで、話しながら作ると楽しい
随時ハンドクラフト系のアクティビティは開催しており、「Paper Lotus Flower Making」もこのあと行なっていた

ホテル周辺のランコー湾の漁村を訪問、新鮮なシーフード料理に食欲が止まらない!

 ランコー湾周辺の漁村で水揚げされた、採れたてのシーフードをローカルな雰囲気で味わいたいなら、ホテルからクルマで約30分ほどの水上レストラン「Lang Chai」へ。海へとつながる湖に建つシーフードレストランだ。お店の入り口付近には採れたての魚介が並び、その新鮮さは運ばれてくる料理からも分かる。どのメニューを頼んでも美味しいのだ。

水上レストラン「Lang Chai」は湖の上に建っている。入り口からお店までは桟橋を通って向かう

「Spring Rolls(Seafood)」は直接魚を自分でほぐして巻く料理だ。たっぷりの香菜と一緒に包むと至福の美味しさ。「Fried Shrimp Ruffled 」はそのままガブリとかじりつくスタイルで、エビの旨味を存分に味わえる1品。ほかにも、エビせんべいの上にたっぷりの青パパイヤサラダを乗せて味わえる1皿も。ナッツの食感と牡蠣の美味しさが絡む地元ではメジャーな「Nuong Mo Hanh」(ネギ油焼き)も絶品だ。

 ドリンクはご当地ビールが最高だが、午後も動くようならばココナッツジュースなどのソフトドリンクでガマンしよう。デザートはソルト&ペッパーにつけながら味わうパイナップル。これなら自宅でも手軽にベトナムの味が再現できそうだ。地元の人たちはチキンを食べるときにも使う調味料だと教えてくれた。

 価格はメニューに表記がなく、季節によって変動することも多いため注文時にスタッフに事前に尋ねてみよう。

「Spring Rolls(Seafood)」は具材が並べられており、自分で巻いて食べる
青パパイヤのサラダは特製ドレッシングでよく和えてから、サクサクのエビせんべいに載せて頬ばる
「Fried Shrimp Ruffled」
「Nuong Mo Hanh」(ネギ油焼き)。ビールとともに味わいたいが、ここはココナッツジュースを選択
デザートはパイナップルのソルト&ペッパー添え
NHA HANG NOI “Lang Chai”

所在地:Lang Chai Lang Co - Lang Co - Thua Thien Hue
電話番号:+84-54-6282-888

 地元で採れたシーフードに満足したあとは、実際に漁業で使用される伝統的な「バスケットボート」体験へ。海や湖のいたるところにぽっかりと浮かんでいる円形のボートで乗るにはバランスが大事。1本のオールでも意外とスピードがぐんぐん上がり、船頭も含めて4名で乗船したが、あっという間にマングローブの森に到着した。お願いすればオールで漕がせてもらえるので挑戦してみよう。

 約20分ほどの乗船となったが、揺れもなく快適な乗り心地。時折水しぶきがかかるのでサンダルで参加するとよい。なお、今回はホテルの敷地外の漁村で体験したが、「ラグーナランコー」の運河でも体験が可能。1時間かけて思う存分漕げる「Viet Nam Basket Boat」があるので、外まで行かずに楽しみたい場合はレセプションで予約しよう。

1名から4名まで乗れる手作りのバスケットボート
オール1本で漕ぎ出し、マングローブの森へと近付いていく
のどかな漁村の風景。週末にはマーケットも開催される
水揚げされたばかりの牡蠣を見せてもらった。途中船がひっくり返り、男性陣総出でもとに戻す姿も見られた
ホテル内の運河でも「Viet Nam Basket Boat」が無料体験できるので、レセプションで予約しよう

ホテル専用のシャトルバスで古都ホイアンへ、ランタンの灯る幻想的な景色に吸い込まれる

 ホテル周辺だけではなく、専用のシャトルバスで世界遺産の街ホイアンへアクセスできることも「ラグーナ・ランコー」の強み。ホイアンともう1つの世界遺産である帝都フエとちょうど真ん中辺りにリゾートが位置しているので、滞在中に必ず2カ所とも訪れておきたい。

 今回はエキゾチックな街並みと夕暮れ時の幻想的な美しさで大人気のホイアンへと足を伸ばしてみた。利用したのはホテルから出発しているシャトルバス。各種アクティビティの予約と同じレセプションで利用したい時間と人数を伝えておこう。個人手配でホイアンへ向かう場合は、時間や混雑状況によるが8000円~1万円ほどかかってしまうため、シャトルバスを利用した方がリーズナブル。

 午前中はアクティビティなどに参加したため15時にホテルを出発して、ホイアンを21時に出る最終の便を選んだ。予約時にシャトルバスの停車場所と出発時間が明記された紙も渡される。20時45分には点呼が始まり21時ぴったりに現地を出発するので、早めに集合しておこう。

レセプションの入り口には当日予約可能なシャトルバスについてのボードがある。ホテルのエントランスでシャトルバスに乗車。かなりの人気のため、ほぼ満席だ。帰りの集合場所や時間が記載された紙も渡されるので安心

 この日は交通渋滞にはまってしまい、片道2時間かけてホテルからホイアンへ。到着したのが17時だったため急いで観光名所に入場するための「観光チケット」(12万ドン、約600円)を売り場にて購入した。5枚綴りのチケットになっており、旧市街周辺とホイアン観光局が指定している21カ所のうち、5カ所を選択。15~17世紀に国際貿易都市として栄えたホイアンの古きよき街並みと建物内をじっくり鑑賞できる。日本人街があったとされ、日本にまつわる建物や建築様式がいたるところで見ることができ、ベトナムの地で生きていた人々の思いが感じられるのだ。

 なお、チケットを販売している売り場は観光客にお手洗いも貸してくれる。とてもキレイなのでトイレに困った場合はこちらを。利用後は気持ちのチップをボックスに入れるのも忘れずに。

ホイアン観光では、まずチケット売り場で入場用の「観光チケット」(12万ドン、約600円)を購入しよう。黄色い小さな建物が目印
5枚綴りのチケットと簡単なガイドが渡される。名所入場の際にチケットを提示。切ってもらうスタイルだ

 チケット片手に、まずはホイアンのシンボル「Japanese Covered Bridge」(来遠橋)へ。1593年に日本人が建造したと伝わっており、橋の中央には小さな寺がある。木製のためギシギシ音が鳴るなかでのお参りで、ノスタルジックさがたまらない。18時からはライトアップされ、フォトエリアとしてもにぎわっている。橋のたもとに船を停泊し、多くのカップルが灯篭を手に記念撮影を行なっていた。

ホイアンのシンボル「Japanese Covered Bridge」(来遠橋)。撮影スポットとしても大人気で、常に観光客でごった返しているが、時折地元の人々が天秤棒を担いで移動する姿も見られた

 続いてはJapanese Covered Bridgeを渡った先に建つ「Old House of Phung Hung」(フーンフン旧家)へ。ベトナム、日本、中国の様式が入り混じった家屋が特徴で、2階から道を行き交う人を見下ろすと、住人になったような気分が味わえる。そのまま、反対側に再びわたり「Quang Trieu Assembly hall」(廣肇会館)へ。赤を基調とした中国を彷彿させるカラーリングの集会所だ。

「Phuc Kien Assembly hall」(福建会館)へ向かおうとしたところで、主な名所の閉館時間の18時に。15時出発の場合は、クローズ時間を考慮して動くことが大事だ。シャトルバスには8時ホテル出発、13時ホイアン発の便もあるため、たっぷり観光名所を回りたい場合は朝の便を選ぶのもアリだ。

 観光チケットの有効期限は24時間なので、余った分は翌日も使えると購入時にアナウンスされていた。1日で回りきれなかった場合は翌日に訪れてみよう。

「Old House of Phung Hung」(フーンフン旧家)は灯りが少なく、まるで約200年前にタイムスリップしたかのような雰囲気
1786年に建てられた「Quang Trieu Assembly hall」(廣肇会館)

 18時を少し過ぎると辺りは暗くなり、ランタンが一斉に灯り出す。トゥボン川沿いのバクダン通りの屋台は活気付きはじめ、多くの観光客がホイアン名物やベトナム料理を味わっている姿が見られた。また、夜ならではの灯籠流しにチャレンジする人々も。

トゥボン川沿いやバクダン通り、チャンフー通りのショップを眺めるだけでも楽しい。ノンラーや雑貨がずらりと並ぶ
夜に向け続々と屋台の準備がされ、日が落ちる頃には観光客で大賑い。屋台とともに雑貨屋さんも多かった
灯籠流し体験やシクロに乗っての移動も手軽にできる

 ほのかな光のなかで散策しながら、雑貨探しもベトナムならではの楽しみ。手作りのハンドメイドポーチなら8万ドン(約400円)から手に入るなど、価格もリーズナブルだ。昼間のアクティビティと同じ手順で制作されるランタンショップの様子を垣間見たり、ベトナムコーヒーショップを覗いたりと気ままに歩き回れる。

 今回、散歩中に立ち寄ったのは20種類以上のスイーツが並ぶ「cargo club」。豊富なスイーツとともにホイアン名物も手軽に味わえる。おしゃれな店構えで1人でも入りやすい。ガラスケースに並ぶケーキやタルトを眺めつつ、持ち帰りで「レモンタルト」(5万5000ドン、約275円)を購入。さっくりタルトに果汁がぎゅっと詰まったレモンカードがたっぷり。滞在中のスイーツ不足を補うためにもう1品手に入れるべきだったと後悔するほどの美味しさが詰まっていた。

cargo club

所在地:Nguyen Thai Hoc Street, Hoi An
電話番号:+84-235-3911-227

雑貨探しもベトナム旅の醍醐味。お気に入りの1品を見付けるためにはしごするのがよい。こちらのポーチは8万ドン(約400円)ほど。シルクのスカーフも店先に並べられていた
ランタン作りの様子も見学できた
街ゆく人々もランタンに照らされたホイアンの夜を満喫中。笑顔があふれていた
「cargo club」で「レモンタルト」(5万5000ドン、約275円)を購入。ずらりと並んだ大きめスイーツたちは旅行中のスイーツ不足な女子の味方だ

 最後に川を渡った先のナイトマーケットへ。こちらも熱気があふれ、人々でごった返している状態。雑貨、ファッションからランタン。そして食べ歩きフードなどの夜店がひしめき合っている。バイクがスピードを上げた状態で通り抜けることもあるので注意して歩きたい。

ずらりと並ぶ夜店。フクロウモチーフの雑貨が多い。ランタンのショップはフォトスポット化していた。バインミーなどの屋台もあり、食べ歩きしやすい

 20時30分ごろに指定の場所へ行くとシャトルバスが止まっており、行き先をスタッフに確認して乗車。20時45分の時点でほぼ全員集合し、21時ちょうどに「ラグーナランコー」へ向けて出発。帰りは予定どおりに約1時間30分ほど走り、22時30分にホテルのエントランスに到着。往復約3時間30分をかけての長旅となったが、世界遺産の街並みを約4時間にわたり堪能できるため、必ず訪れておきたい。

 なお、もう1つの世界遺産である帝都フエへも1日1便で、10時ホテル発の17時フエ発のシャトルバスを運行中。こちらも時間と体力に余裕を持って、リゾートステイの合間に訪れてみよう。

 4泊5日のベトナム・ダナン旅。帰国時は11時05分発のダナン国際空港~成田国際空港行きのベトナム航空 VN318便を利用。搭乗口からシャトルバスに乗り込み、機体へと移動した。定刻どおり離陸すると、しばらくしてスナックとドリンクのサーブがスタート。ベトナム緑茶とわさび味のグリーンピース、ローストされたナッツを提供。機内食は「新鮮な野菜 ハム添え」「煮物」「ポークリブ 黒胡椒ソース 御飯 野菜添え」「ソフトロール、バター」「新鮮なフルーツ」。復路は約4時間30分と、かなり早く日本へ到着した。

シャトルバスに乗り込み、搭乗する機体へ移動
昼飯の機内食とスナック&ベトナム緑茶。カップに蓮のデザインが施されている

 日々の騒がしい日常を離れ、静かな環境でゆったりと過ごし、自身の心も体も一気にリセットできる「ラグーナランコー」。家族や恋人、一緒に訪れる相手に合わせて大人のためのラグジュアリーを極められる「バンヤンツリー・ランコー」、またはファミリーで楽しく高級リゾートが楽しめる「アンサナ・ランコー」と、異なるスタイルで滞在を有意義なものとしてくれる。

 シャトルバスで2カ所の世界遺産へのアクセスも容易で、リフレッシュと観光の両方で充実した旅になることは確実だ。これからがベストシーズンとなる中部のダナンエリア。今年のバケーションは「ラグーナランコー」へ訪れてみてはいかがだろう。

Banyan Tree Lang Co バンヤンツリー・ランコー

宿泊料金:ラグーン・プール・ヴィラ 1室500ドル~(朝食、税金、サービス料込)
予約専用フリーダイヤル:0120-778-187
Webサイト:バンヤンツリー・ランコー

Angsana Lang Co アンサナ・ランコー

宿泊料金:デラックス・ルーム 1室195ドル~(朝食、税金、サービス料込)
予約専用フリーダイヤル:0120-778-187
Webサイト:アンサナ・ランコー

Laguna Park ラグーナ・パーク

Webサイト:ラグーナ・パーク(英文)
Email:sales@lagunalangco.com

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。