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「全行程を乗りきれるか?」旧型客車に約11時間乗り続ける大井川鐵道のツアー

昭和アイテム満載、いい旅チャレンジ20000kmのポスターも掲出

2016年3月31日 発表

旧型客車の車内

 大井川鐵道は3月31日、電気機関車が旧型客車をけん引して運転する長距離鈍行列車ツアーを4月23日に実施すると発表した。旅行代金はおとな1万2000円、こども6500円。大井川鐵道の新金谷駅~千頭駅間を3往復し、全行程223.2km、10時間57分に渡って音、雰囲気、乗り心地を楽しめるようになっている。

 乗客向けの案内では「かつての国鉄本線上で多数設定されていた長距離鈍行列車の雰囲気をお楽しみいただく、鉄道愛好家向けのツアー」「乗るに徹する」などとマニア向けが明確にうたわれている。

「ドカ停(長時間停車)による客車らしい静かな停車時間」「ハイケンスのセレナーデが流れ徐々に列車は速度を増していく」「電気機関車の吊掛けモーター音、客車ならではのジョイント音」といった、かつての旧型客車列車の雰囲気の再現を追求。「車内での抽選会や派手な車内放送なども行ないません。国鉄時代の車内の雰囲気をお楽しみください」としており、イベント色も極力排除している。

 また、客車内の広告スペースにはかつての「いい旅チャレンジ20000km」のポスター2種類を掲出、国鉄全線乗車を目指した年代の人たちが懐かしむこともできるようになっているほか、ツアー参加者が横サボを持参すれば、停車中の客車に取り付けて撮影することも可能。

 走行する列車は3往復とも電気機関車がE101、客車はスハフ42+オハ35+オハフ33+オハニ36の4両。客車4両で4人がけのボックス席が74ボックスあり、ツアー定員は80名のため、満員だとしても1人でほぼ1ボックスを使うことが可能となっている。

 ツアーは新金谷駅前プラザ・ロコで受付をした後、新金谷駅を9時48分に発車、3往復が終了して新金谷駅には20時54分に到着する。ツアー参加者は3往復すべて乗車しても、部分的に乗車も可能。ただし、3往復する列車はツアー参加者以外は乗ることができない。

 また、オプションとして「駅弁」もつけられ、昼食は静岡駅の名物駅弁東海軒の「茶飯弁当」、夕食は特製幕の内弁当を頼むこともでき車内で受け取れる。料金はどちらも1300円で、事前予約が必要。

 申し込みはインターネットのWebサイト上となっており、受付期間は4月5日11時30分から4月7日18時までを予定している。

けん引する電気機関車 E101

(編集部:正田拓也)