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日本路線で始まるガルーダ・インドネシア航空の特別機内食「スターシェフメニュー」を食べてみた

3月21日~4月30日、ビジネスクラスとファーストクラスで提供

2016年3月21日~4月30日 提供

ガルーダ・インドネシア航空は、成田空港においてボーイング 777-300ER型機の機内を報道公開するとともに、スターシェフメニューの試食会を開催した

 ガルーダ・インドネシア航空は3月21日~4月30日までの1カ月間、日本路線のビジネスクラスとファーストクラスにおいて、特別機内食「ガルーダ・インドネシア スターシェフメニュー」を提供する。

 同期間にスターシェフメニューが提供されるのは以下の3便。

3月21日~4月30日

GA875便:羽田発~ジャカルタ着
GA874便:ジャカルタ発~羽田着
GA881便:成田~デンパサール(バリ島)着

 羽田~ジャカルタ便では往復とも、成田~デンパサール(バリ島)では成田発の便でスターシェフメニューが提供される。これは、出発時刻に起因しており、デンパサール(バリ島)発~成田着便は、0時を超えた深夜出発のため軽食メニューとなっている。

 同社は3月9日に、成田~デンパサール線に投入しているボーイング 777-300ER型の機内を報道公開するとともに、同社が機内食製造を委託している成田空港のTFKビル内においてスターシェフメニュー機内食の試食会を実施。インドネシアの首都ジャカルタのフレンチレストラン「Amuz restaurant(アムズ レストラン)」のシェフ、ギル・マーク(Gilles Marx)氏がインドネシアにインスパイアされて創作したフランス料理の数々が披露された。このフランス料理はギル・マーク氏が基本レシピを作成、それをもとにTFKが機内食として作り上げたものになる。

 ギル・マーク氏は、2012年から3年連続で「ホスピタリティ・アジア・プラチナ・アワード」のアジア料理部門で「マスターシェフ賞」を受賞していることもあり、スターシェフとして起用されたという。

ガルーダインドネシア航空のボーイング 777-300ER型機
ボーイング 777-300ER型機のコクピット
ボーイング 777-300ER型機ではWi-Fiサービスが提供されている
ボーイング 777-300ER型機は、ファーストクラス8席、ビジネスクラス38席、エコノミークラス268席の3クラス構成。ファーストクラスは1-2-1の座席配置で、プライベート空間を作り上げることも可能
もちろんフルフラットにもでき、細かい調整は液晶モニターから可能
テーブルセッティング例。テーブルサイズは60×60cm、画面サイズは23.5インチ。試食会はTFKビル内で行なわれたが、ガルーダインドネシア航空のスタッフ曰く、「ファーストクラスに座っている気分で食べてくださいね」とのこと
ガルーダインドネシア航空は、英国スカイトラックスのエアライン・スター・ランキングで最高の「5スター」を2年連続で獲得している。また、「WORLD'S BEST CABIN CREW」も獲得した
ファーストクラスのウェルカムドリンク、ローラン・ペリエのロゼ
ガルーダ・インドネシア航空の機内食を作っているTFKは、ガルーダ・インドネシア航空に限らず各社の機内食を作っている。空港で働くフードローダーで「TFK」の文字を見たことのある人もいるだろう

前菜・スープは2種、メインディッシュは4種より選択

 今回試食したのは、いずれも創作フランス料理。前菜は「キハダマグロのマリネ、バルサミコドレッシング」「仔牛肉のカルパッチョ、ピータン、バジルペースト」の2種類から、スープは「バジルのスープ」「ダックコンソメスープ」の2種類から選択。メインディッシュは「蒸し鯛のフィレ、ジャスミンライス、ココナッツソース」「帆立、海老、鯛、ターメリックソース」「鴨肉のコンフィ、ポテト、マッシュルーム、青唐辛子のチャツネ」「鶏胸肉のロースト、ココナッツ風味のターメリックライス、ディアブルソース」の4種類から選択できる。

 さらに、チーズもしくはデザートとして、「カマンベールチーズ、レッドチェダーチーズ」「パッションフルーツケーキ」「リンゴとバタースコッチプリンのタルト、バニラアイスクリーム」の3種から選択でき、TFKで焼き上げた、温かいパンの盛り合わせも用意される。

食事前のドリンク「マンゴーフィズ」。マンゴーにジンジャエール、ミントの葉、隠し味にバジルが加えられている
前菜「キハダマグロのマリネ、バルサミコドレッシング」。レアで仕上げられたマグロが美味しく、野菜の食感も新鮮さが伝わってくるもの
前菜「仔牛肉のカルパッチョ、ピータン、バジルペースト」。ピータンなど、中華風味の味付けが行なわれている
スープ「バジルのスープ」。バジルの香りはそれほど強くなく、あっさりと野菜の美味しさを味わえる
スープ「ダックコンソメスープ」。ダックとあるが、臭みはなく、これもあっさり感のあるコンソメスープ。個人的にはバジルのスープにインドネシアを感じた
温かいパンの盛り合わせ。柔らかめのパンと、固めのパンとの説明だったが、どちらも手で簡単にちぎれるくらい柔らかく美味しかった。お土産に持って帰りたいくらいの白パン
メインディッシュ「蒸し鯛のフィレ、ジャスミンライス、ココナッツソース」。鯛の味と香り、そしてジャポニカ米とは異なる種類の米のさらさら感をココナッツソースで楽しめる。島国のインドネシアを感じられる
メインディッシュ「帆立、海老、鯛、ターメリックソース」。個人的に一押しのメニュー。ターメリックソースとともに、野菜と海の幸を味わえる
メインディッシュ「鶏胸肉のロースト、ココナッツ風味のターメリックライス、ディアブルソース」。鶏胸肉もさっぱりしており、意外なほどあっさりと食べられる。それでいてボリュームは十分あり、ディアブルソースも不思議な味がする
メインディッシュ「鴨肉のコンフィ、ポテト、マッシュルーム、青唐辛子のチャツネ」。別の取材者は、この鴨肉がとても美味しいと語っていた。高さ方向のあるメニューで、シェフが乗り込むガルーダ・インドネシア航空ならではのメニューとのこと
デザート「カマンベールチーズ、レッドチェダーチーズ」
デザート「パッションフルーツケーキ」

 今回は撮影用として1人前サイズを撮影、実際にはハーフサイズで試食をしたが、いずれも控えめな味付けで日本人の好みに合うもの。野菜や肉はしっかりとした食べ応えがあり、スープも薄味を上品に味わえる。個人的にはメインディッシュの「帆立、海老、鯛、ターメリックソース」がとても美味で、それぞれの素材の味が、ターメリックソースによって引き立っていた。

 これらのメニューを調理したTFKのシェフによると、「鴨肉のコンフィ、ポテト、マッシュルーム、青唐辛子のチャツネ」が機内食としては、とくに珍しい部類に入るという。このメニューでは垂直方向に高さのある形で野菜が盛り付けられているが、これはガルーダインドネシア航空の機内には最終調理専用のシェフが乗り込む「シェフ・オン・ボード」によって実現している。専門の調理人が乗り込むことで、安心して複雑な盛り付けができるとのことだ。

 食事のコースとして上記のメニューが選択できるほか、小腹が空いたら「旅の途中の軽いお食事」として、「トマトリビエラソースのチャバタブレット ホワイトアンチョビ」「サーロインステーキのアジアンホットサンド」「スモークサーモンとブリニ」「イチゴとパンダン風味のキャッサバケーキ」を注文できる。

左上から、「サーロインステーキのアジアンホットサンド」「スモークサーモンとブリニ」「トマトリビエラソースのチャバタブレット ホワイトアンチョビ」「イチゴとパンダン風味のキャッサバケーキ」。小腹が空いたら頼めるメニュー

 ただ、今回はメインコースの試食でお腹が一杯になり、「旅の途中の軽いお食事」を頼むという心境にはならず、目で見て楽しませてもらった。

 羽田~ジャカルタ便、成田~バリ島便の所要時間は約7時間。通常であれば、洋食、インドネシア料理、和食から食事を選べるが、スターシェフメニュー提供期間中は、スターシェフメニューもしくは和食から食事を選ぶことができる。これだけ特別メニューのあるスターシェフメニューを選べば、やや長時間のフライトも豪華に楽しむことが可能だろう。

 ガルーダ・インドネシア航空によると、近年は日本の桜がインドネシア人に人気のため(「“富士山”“桜”、この2つがインドネシアで大人気です」とのこと)、3月末から4月上旬にジャカルタから日本に向かう便の搭乗率がすでに高くなっている。スターシェフメニューを楽しむためには、早めの予約をお勧めしたい。

【記事修正】ガルーダ・インドネシア航空より提供期間を変更するとのアナウンスがあったため、記事を修正しました。

(編集部:谷川 潔)