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Spring Japan、初の国際線となる成田~武漢線の運航を2月13日開始

14日には成田~重慶線にも就航、式典には創業者の王正華氏も

2016年2月13日 就航

 Spring Japan(春秋航空日本)は2月13日、同社初の国際線路線となる成田~武漢線の運航を開始した。翌14日には、成田~重慶線の運航も開始する。就航日の2月13日には、成田国際空港第3旅客ターミナルのチェックインカウンター前で、就航セレモニーが開かれた。

 これまで成田空港を中心に国内線へ展開してきた同社にとって初めての国際線運航となる今回の2路線。ダイヤは下記のとおりで、機材はボーイング 737-800型機を用いる。

成田~武漢線

IJ1011便:成田(10時00分)発~武漢(13時55分)着、※月・水・土曜日運航
IJ1012便:武漢(14時55分)発~成田(19時20分)着、※月・水・土曜日運航

成田~重慶線

IJ1021便:成田(09時05分)発~重慶(14時20分)着、※火・木・金・日曜日運航
IJ1022便:重慶(15時25分)発~成田(20時35分)着、※火・木・金・日曜日運航

春秋航空日本株式会社 代表取締役社長 鵜飼博氏

 セレモニーでは、冒頭で春秋航空日本 代表取締役社長 鵜飼博氏が挨拶。今回の国際線2路線開設を「待ちに待った国際線の就航」とし関係者に謝意を示したあと、「本日の武漢路線、そして明日の重慶路線の就航を国際展開の第一歩と位置付けており、今後、成田空港と中国各地を結ぶ日中間の国際路線をさらに拡大、発展させていきたいと考えている」とした。

国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏

 来賓として招かれた国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏は、2015年3月の発着枠30万回への拡大や、同4月のLCC専用の第3ターミナル供用開始など、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を視野に入れた空港機能拡充と利便性向上に取り組むなかでの新規路線を歓迎。「日本政府観光局(JNTO)の推計によると、昨年2015年の中国から訪日旅客数は過去最高の499万3800人。一昨年は約240万人だったので、2倍以上に増加している状況。また、国・地域別に見ても、中国からの訪日客については台湾、韓国を上回り最多となった。今回の就航によって、一層日中間の路線が拡充し、今後もさらに多くの中国からの旅行者が訪れる機会が高まる」と期待した。

 併せて「いずれも中国内陸の長江流域にある大都市で、経済的にもおおいに発展していると伺っている。また風光明媚で歴史もあり、観光にも大変魅力的な都市と聞いている。ビジネスにおいても観光においても、今回の就航において両都市への利便性が高まり、日中間交流がなお一層盛んになることに期待している」とコメントした。

成田市 副市長 吉田昭二氏

 続いて挨拶した成田市 副市長 吉田昭二氏も訪日中国旅行客数に触れ、「2015年の訪日旅行者の数は1974万人で過去最高、成田空港を利用した外国人は1250万人で過去最高。日本に来たお客様のなかで一番多かったのが約500万人の中国のお客様。今回、中国の、特に内陸部の2都市とつながることを心から喜ばしく思う」と歓迎。さらなる日中友好関係、日中互恵関係の進展に期待した。

 また、吉田副市長は前職が国土交通省 東北運輸局 観光部長という経歴であることから、「少し話は変わるが、春秋航空さん、特に王正華董事長とは何度かご縁があり、東日本大震災から1年2カ月ほど経った2012年の5月、当時なかなか中国のお客様は福島に来ていただけなかったが、王董事長自らツアー一行30名程度を率いて、バスを仕立てて、自分がガイドとして、いわき市のスパリゾートハワイアンズに来ていただいたことを、いまでも鮮明に覚えている」とのエピソードに触れ、「春秋航空はそういった意味で、日本のこと、福島のことを大切に思っていただいている会社だと思っている。(鏡開きに用いる)お酒も福島のもの。そういったご縁でここにあるのだと思うが、ぜひ、日中友好の架け橋として、今後もますますご発展いただきたいと思う」と述べた。

中国国家観光局 駐日本代表処 首席代表 羅玉泉氏

 次に中国国家観光局 駐日本代表処 首席代表 羅玉泉氏が挨拶。中国の観光業について、「大幅に中国人の旅行者数が増えている。2015年は中国国内だけでも中国人旅行者数は40億人を超え、海外へ行く中国人は1億2000万人に達している。外国から中国への訪問客も増えており約1億3000万人になっている」と紹介。日中間については「2015年は約499万人、ほぼ500万人近くの中国人観光客が日本を訪れ、日本から中国への観光客も260万人と、相互交流は700万人を超える大きな数字なっている。これからもっと多くの中国のお客さんが日本へ来るはずだと思う」とした。

 今回の就航については、「中国奥地の大都市である武漢と重慶との関係がさらに身近になって、中国の奥地と日本との交流がさらに便利になる。武漢、重慶は中部の揚子江(長江)を中心とする大都市で、経済も発展し、歴史、文化、民俗などいろんな観光資源も有している。これからは中国からの観光客だけでなく、日本からの観光客も武漢、重慶という奥地の方へ訪問することを期待している」と、今回の就航地が日本人観光客の新たな訪問先になることに期待した。

ボーイングジャパン株式会社 BCA アジアパシフィックセールスディレクター ジェームス・フォー氏

 次に挨拶したボーイングジャパン BCA アジアパシフィックセールスディレクター ジェームス・フォー氏は、「春秋グループはすでに中国の多数の都市から日本へ乗り入れているが、2020年までにはさらなるネットワーク拡充と増便を計画していると聞いている。今後も搭乗率は容易に90%を上回って推移するだろう。春秋グループの成功は両国間の有効な関係と、旺盛の旅行需要の証でもあると考えている。訪日需要は衰えることなく、さらなる高みへのステップアップも可能と思っている」と、日中間の旅行客数についてコメントし、祝辞を述べた。

春秋グループ董事長 王正華氏

 さらに、上海から春秋航空をはじめとする春秋グループの創業者でもある、董事長の王正華氏も来日しセレモニーに出席。「春秋航空日本が国際線に進出できて、私達にとっては念願の路線展開になると思っている。春秋航空は2010年に初めて茨城線を開設し、日本の震災後は福島の復興を応援し続けている」など、日本での取り組みを紹介。

「これからグループの春秋としては、全面的に春秋航空日本、日本春秋旅行を支援し、中国からもっと多くのお客様を日本に連れてきて、もっと多くの日本のお客様を中国の各地に連れて行きたい」と意欲を見せた。

 このあとセレモニーでは、参列者による鏡開きを実施。鏡開きされたのは、就航を記念して作った福島県の榮川酒造による樽酒で、セレモニー終了後には特製の升で振る舞った。

上述の来賓に加え、芝山町長 相川勝重氏、多古町長 菅澤英毅氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏、春秋航空日本と日本春秋旅行の関係者も加わり鏡開きを行なった
鏡開きされた榮川の薦被り樽酒
就航記念の焼き印が押された特製の升
セレモニー終了後には鏡開きされた榮川を振る舞った
武漢へ向けて出発するIJ1011便。機材はJA03GR(登録記号)が使われた

(編集部:多和田新也)