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ANAで飛んでJRで巡る「ANA きた北海道フリーパス」発表会。TABICA連携で宗谷線沿線の体験型観光を加速

2020年1月20日 実施

ANAとJR北海道が北海道の地域創生に向けた連携事業を始める

 ANA(全日本空輸)とJR北海道(北海道旅客鉄道)は1月20日、JR北海道本社にて共同会見を実施、北海道の地域創生に向けた連携事業を開始すると発表した。

 連携事業の1点目として、連携ロゴとキャッチフレーズ「青空と大地をかけめぐる。AIR TRAIN HOKKAIDO」を発表。連携ロゴはANAのコーポレートカラーの青色とJR北海道のコーポレートカラーの萌黄色を融合させ、前方が鉄道、後方は飛行機として、大自然豊かな北海道をあたかも「AIR TRAIN」という名の1つのモビリティが大空と大地を駆け巡っていくようなイメージを表わしたという。

 2点目は、ANAとJR北海道両社のWebサイトにキャンペーン情報などを掲載する専用ページを開設。今後の連携内容についても随時発信するとのことだ。

 ANA 執行役員 北海道支社長の新川新一氏は、「両社は北海道の魅力を積極的に国内外へ発信することに加え、連携して北海道を訪れる方々の利便性を向上させることで広く観光客を呼び込み、地域経済を潤し活気にあふれた北海道を築いていくことを目指す」とし、短期的な連携ではなく持続可能な連携であると付け加えた。

連携ロゴとキャッチフレーズを発表する全日本空輸株式会社 執行役員 北海道支社長 新川新一氏
連携ロゴは、JR北海道の萌黄色で表わした鉄道車両とANAの青で表わした飛行機を融合した「AIR TRAIN」

 JR北海道 鉄道事業本部 営業部長の林雅子氏は、連携プロジェクトの第1弾として、宗谷線をはじめとした「きた北海道」エリア内の特急・普通列車の普通車自由席を自由に乗り降りできる「ANA きた北海道フリーパス」の新規設定、地域体験のシェアリングサービス「TABICA」との連携による、宗谷線沿線地域の体験型企画などの割引きを発表した。

 宗谷線とは、道北の中心都市旭川と日本の最北端の稚内を結ぶ全長259.4kmの路線で、現在は札幌~稚内間を特急「宗谷」が1日1往復、旭川~稚内間を特急「サロベツ」が1日2往復運転し、田園風景や雄大な天塩川、水平線からそびえる利尻山など、北海道らしい車窓を楽しむことができる路線だ。

 JR北海道は国内外への情報発信力が高く、稚内空港に唯一定期便を運航しているANAと連携することにより、宗谷線をはじめとした「きた北海道エリア」への観光による交流人口の拡大を図れるという考えだ。

ANA きた北海道フリーパス

 稚内空港、旭川空港、新千歳空港に到着するANA便で利用者限定のフリーパスで有効期間は4日間。対象エリアは宗谷線のほか富良野や美瑛、小樽、札幌など。鉄道をお得に楽しめる切符になっている。

発売期間: 2020年4月1日~2021年3月31日
利用期間: 2020年4月1日~2021年4月4日
有効期限: 4日間
価格: 大人1万3150円、子供6570円、U25用(12歳~25歳)1万520円
発売場所: 稚内駅、南稚内駅(稚内空港到着便)、新千歳空港駅(新千歳空港到着便)、旭川駅、ツインクルプラザ旭川支店(旭川空港到着便)
発売条件: ANAの新千歳・旭川・稚内空港到着便の搭乗案内の提示が必要(切符1枚につき搭乗券1枚)
Webサイト: ANA きた北海道フリーパス

「ANA きた北海道フリーパス」は鉄道で道北をお得に周遊観光できる
北海道旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 営業部長 林雅子氏
対象エリアは道北に加え、新千歳空港から札幌、小樽、富良野や美瑛まで含まれ意外と広いエリアをカバーしている

「TABICA」との連携

「TABICA」は、体験を企画・開催するホストと参加するゲスト双方でつなぐプラットホームサイトで、ANAとJR北海道、両社の専用サイトと相互に連携する。

 例えば、稚内市の「白い道」ガイド付きツアーや音威子府村の砂澤ビッキ記念館、美深町の道北文化創造プロジェクト「BASIS」が手がけた体験メニュー、名寄市の農産物の収穫やサイクリングなどの体験型コンテンツなど、宗谷線沿線在住のホストが企画するさまざまな体験を紹介。

 連携記念として4月中の予約で50%OFF(上限2000円)、5月以降対象期間中の予約で10%OFF(上限1000円)という割引価格で体験できるという。

「TABICA」の体験型企画をお得な価格で体験できる

 会見の後半には、宗谷線沿線の各地域の観光PRが行なわれた。稚内市 建設産業部観光交流課 主査の梅津延衣氏は、北海道遺産になっている宗谷丘陵のフットパスコース、なかでもインスタ映えすると有名な「白い道」の紹介や、特産の勇知いも、宗谷黒牛、ホッケ、ホタテ、日本一の水揚げ量を誇る水ダコなど稚内の美味しい食もPR。

 音威子府村 総務課地域振興室 地域振興係長の佐藤政裕氏は、幕末の探検家・松浦武四郎氏の「北海道命名之地碑」や、木材加工機械や専門スタッフを完備して木工体験ができる山村・都市交流センター、通称「木遊館」などの施設紹介、「駅そば」としてJR音威子府駅構内で音威子府そばを提供する常盤軒などをPRした。

 なよろ観光まちづくり協会 事務局長の畑中覚是氏は、名寄のパンフレットを片手に表紙となっているサンピラー現象やひまわり畑を紹介。冬季にはパウダースノーの雪山のなかで遊ぶスノーモビルやスノーピクニック、夏期の天塩川でのカヌーやサイクリング、農作物の収穫体験などを紹介。JR名寄駅の前にある観光案内所のレンタサイクルで、名寄市内や近隣市町村を回ってほしいと述べた。

 美深町観光協会 事務局長の小栗卓氏は、2019年9月にオープンしたばかりの日本で最北のブルワリー「美深白樺ブルワリー」を挙げ、作られているクラフトビールが日本の9割以上のシェアを誇る美深町の特産品、白樺樹液を使っていると紹介。併設レストランでは地元の牛肉や羊肉、チョウザメなど特産品を使った料理をビールと一緒に楽しむことができるそうだ。また、道北文化総合プロジェクト「BASISI」では天塩川をガイド付きでキャンプしながらカヌーで下ったり、フリーフットのスノーボード「雪板」を自分の手でイチから制作しその板を担いで
道北のパウダースノーを滑り降りたりなど、本格的なアウトドア、クラフト体験をたくさん用意していると美深町をアピールした。

稚内市 建設産業部観光交流課 主査 梅津延衣氏
音威子府村 総務課地域振興室 地域振興係長 佐藤政裕氏
なよろ観光まちづくり協会 事務局長 畑中覚是氏
美深町観光協会 事務局長 小栗卓氏