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セントレア直結の国際展示場「Aichi Sky Expo」公開。ビッグサイト、メッセ、インテックスに次ぐ規模

8月3日に一般向けの施設見学会も

2019年7月24日 公開

2019年8月30日 開業

8月30日開業予定の、セントレア直結の国際展示場「愛知県国際展示場 Aichi Sky Expo」

 愛知県と愛知国際会議展示場は7月24日、セントレア(中部国際空港)に隣接する国際展示場「愛知県国際展示場 Aichi Sky Expo」の内部を報道陣に公開した。

 Aichi Sky Expoは、新しいイノベーションを創造していく産業振興の拠点となること、また国際的な交流の拠点となることを目的として、愛知県が整備を進めている国際展示場だ。2017年9月1日に起工式を行ない、2年を切るスピードで建設工事を完了。現在は、8月30日の開業に向けて館内の設備機器の設営などが進められている。

 約28万7000m 2 と国内最大級の敷地面積を誇り、6つの展示ホール、18室の会議室、約4万m 2 の屋外多目的利用地、3447台の駐車場などを備えている。

 展示ホールはAからFまでの6つあり、面積はそれぞれ1万m 2 。全ホールを利用した場合には6万m 2 と、東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪に次ぐ国内4位の規模の展示面積を確保できる。

 最大の特徴となるのが、国内初の国際空港直結型国際会議・展示場であるという点だ。セントレアに隣接し、徒歩で直接アクセスできる場所にあるため、国内はもちろん、海外からのアクセスのよさが大きな魅力となる。また、海外から到着した貨物に関税をかけることなく簡易的な手続きのみで展示できる、国内唯一の常設の保税展示場であるという点も特徴の1つ。海外からの展示会参加企業にとって、運営時の利便性にも優れている。

Aichi Sky Expoは、セントレアの立体駐車場から道を挟んだ場所に位置し、セントレアから徒歩でアクセスできる
Aichi Sky Expoメインエントランス
敷地面積は約28万7000m2で、それぞれ1万m2の6つの展示ホール、18室の会議室、屋外多目的利用地、約3450台の駐車場などを備える

展示ホールA

 展示ホールAは、コンサートやショー、eスポーツイベントなどのライブイベント用とされ、6500人ほどの収容が可能となっている。サイズは100×100mの正方形で、天井高は20m確保。室内は柱のない構造となっているため、装飾や舞台装置などの設置もイベントに応じて柔軟に対応可能となっている。このほか、トイレ2か所や、倉庫、商談室、シャワールームを備える更衣室、控え室、休憩室なども用意している。

展示ホールAのエントランス
展示ホールAは、コンサートやショー、eスポーツイベントなどのライブイベント用
100×100mの正方形で、内部に柱のない構造
天井までの高さは20mで、装飾や舞台装置などの設置にも柔軟に対応可能
トイレは2か所設置
倉庫、商談室、控え室などを用意
シャワールームや更衣室、休憩室なども用意される

展示ホールB~F

 展示ホールBからFまでの5ホールは、それぞれが隣接して設置されている。サイズはいずれも東西132×南北76mで、高さは14m。ホールの仕切りを取り払うことで複数のホールを接続して利用でき、5ホールすべてを利用した場合には5万m 2 の展示面積が確保できる。また、ホール内の柱に、邪魔になりにくい細い柱を採用したことで、ブース設置の自由度が高く、ホール全体を有効活用できるとしている。このほか、各ホールには2か所のトイレや倉庫、休憩室、シャワー室なども用意する。

展示ホールBからFまでの5ホールはそれぞれが隣接して設置
ホールFのエントランス。BからFまでエントランスは同じ形だ
ホールBからFのサイズは、いずれも132×76m
ホールの仕切りを取り払うことで、複数のホールを接続して利用できる。5ホールすべてを利用する場合には5万m2の展示面積を確保できる
ホール内の柱には細い柱を利用することで、展示ブース設置の自由度が高く、ホール内を有効に活用できる
各ホールには東西に1か所ずつ、2か所のトイレを設置
自動販売機などの設置コーナーも用意される
倉庫、休憩室、シャワー室なども用意する

会議室と屋内施設

 会議室は広さごとに小会議室、中会議室、大会議室に分けられており、全部で18室を用意。

 小会議室は、30m 2 の部屋が2室と50m 2 の部屋が5室の全7室。中会議室は100m 2 の部屋を5室。大会議室は、200m 2 の部屋が5室と300m 2 部屋が1室の全6室となる。このうち200m 2 の大会議室5室のうち4室は仕切りを取り払って連結できるようになっており、全4室を連結させた場合には800m 2 の大会議室として利用できる。

会議室のエントランス
大中小合わせて全18室の会議室を用意している
こちらは100m2の中会議室
大会議室の4室は連結して利用でき、小規模な会議から大規模なパーティの実施にも対応する

 このほかの屋内施設としては、ビジネスセンター、グッズ販売やコンビニエンスストア的な利用が可能なショップエリア、座席数300席弱のフードコートやカフェも備えている。

 Aichi Sky Expoでは、各所に愛知県産素材を活用している点も特徴の1つとしている。エントランスホールの天井などに愛知県産の杉材を利用した装飾を施すとともに、床には愛知県常滑市の磁器タイルを使用。エントランスホール中央のインフォメーションカウンターでは、天井から吊り下がるあんどん風の照明に愛知県豊田市の小原和紙を利用するとともに、カウンター側面に愛知県瀬戸市のレンガを利用し、デザイン性にも工夫を盛り込んでいる。このほかにも、フードコートや通路にも愛知県産の杉材を利用したベンチや装飾などを設置している。

ビジネスセンターのエントランス
グッズ販売などを行なうショップエリア
フードやドリンクを販売するフードコート。300席弱の座席を用意するという
通路にはカフェも設置される
屋外に喫煙所を設置
エントランスホール
エントランスホール天井には愛知県産の杉材を利用
各ホールのエントランスにも愛知県産の杉材を利用いている
フードコート横には愛知県産杉材を利用したベンチを用意
通路のベンチにも愛知県産杉材を使用
エントランスホールの床には、常滑市の黒と白の磁器タイルを使用
インフォメーションカウンター
カウンター上部のあんどん風照明には、豊田市の小原和紙を使用
カウンター側面には瀬戸市のレンガを使用

屋外多目的利用地

 屋外には、敷地面積4万m 2 の多目的利用地を用意。このうち3万3000m 2 が平地となっており、屋外コンサートや各種展示などに対応。また、多目的利用地は展示ホールFに隣接しており、展示ホールと連携した活用も可能となっている。周囲の道路も含めてクルマやバイクの試乗コースとして利用したり、臨時駐車場や搬入車両の待機場としても利用可能という。

 駐車場は第1駐車場と第2駐車場があり、駐車台数は3447台。展示場来場者が利用する場合の駐車料金は1日800円になるという。この駐車料金は、セントレアの駐車場に比べると安価となっている(セントレアの駐車場は1日1500円)が、展示場来場者であれば、セントレアの駐車場も1日800円の料金で利用できるようにするという。このほか、大型バス21台、二輪車30台、搬入車両120台の駐車スペースも用意している。

敷地面積4万m2の多目的利用地。平地部分は3万3000m2で、屋外コンサートや展示、試乗コースなどとして利用できる
多目的利用地は展示ホールFに隣接しており、展示ホールと連携した展示も可能
第1駐車場
第2駐車場。第1と第2合わせて3,447台の駐車が可能

 Aichi Sky Expoの運営は、フランスのイベント運営会社であるGL eventsと、準大手ゼネコンの前田建設工業を親会社とする、愛知国際会議展示場が担当する。

 GL eventsが持つ世界的な展示会主催者とのネットワークを活用し、Aichi Sky Expoに世界的なイベントを誘致するとともに、海外のやり方でこれまでにないイノベーションや体験を提供したいという。合わせて、愛知県のデスティネーションとしての魅力を国内外にアピールしたいとする。

 また、Aichi Sky Expoは日本で最も新しく、日本初となる国際空港直結型の国際会議・展示場で、日本唯一の常設の保税展示場であるという特徴から、アジアで需要が高まっているMICE市場に向けても大きな可能性を秘めていると説明。そのうえで、当初設定していた初年度稼働率15%という目標については問題なくクリアできそうとの見通しを示すとともに、来年度以降は会場の認知度を高め、さらに稼働率を上げていきたいとした。

内覧会であいさつする、愛知国際会議展示場株式会社 代表取締役社長のMorgan Chaudeler氏
Aichi Sky Expoは、フランスのイベント運営会社GL eventsと、準大手ゼネコンの前田建設工業株式会社を親会社とする、愛知国際会議展示場株式会社が運営
セントレアに隣接する立地や、国内唯一の常設保税展示場であるという特徴から、アジアMISE市場に向けた大きな可能性を秘めている
4000室以上のホテルや、多彩な観光地、充実した商業・飲食施設がある点もAichi Sky Expoの魅力と説明
Aichi Sky Expoのロゴ。周辺の海、空、波をイメージした、AichiのA、SkyのS、ExpoのEをデフォルメしたロゴマークを採用

 Aichi Sky Expoは、8月30日に開業を予定している。当日は午前に開業式典を開催するとともに、8月30日から9月1日の3日間の日程でオープニングイベント「AICHI IMPACT! 2019」を開催する。8月30日と31日の19時からは、KPOP LIVE「Mnet Presents AICHI IMPACT! 2019 KPOP FESTIVAL」を開催。また、eスポーツグローバルエキシビジョンとして、8月31日に「J-eスポーツ」、9月1日に「フォートナイト オールスタードリームマッチ」を開催する予定となっている。

 さらに、8月3日10時から、夏休み企画として一般向けの見学会「Aichi Sky Expo施設見学会」を開催する。会場施設をいち早く体験できるだけでなく、見学ツアーやグッズが当たるクイズラリーなどを開催。キッチンカーも来るとのことで、食を楽しめるイベントにもなっている。入場無料、事前申し込み不要で開催されるため、近隣の方はぜひとも足を運んでほしいとのことだ。