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「みやこ下地島空港ターミナル」、3月30日のオープン前に内覧会。開放感あふれる新しい沖縄・宮古島の玄関

2019年3月15日 内覧会

2019年3月30日 オープン予定

3月30日に開業を迎える「みやこ下地島空港ターミナル」を報道公開した

 三菱地所と下地島エアポートマネジメントは、3月30日に開業を迎える「みやこ下地島空港ターミナル」を報道公開した。

「みやこ下地島空港ターミナル」は「空港から、リゾート、はじまる。」をコンセプトとして設計されており、開放的なデザインが特徴。リゾートホテルのロビーのようなラグジュアリーな雰囲気をまとっている。宮古エリアにとって、国内線・国際線対応の新たな玄関が整備されることで、今後さらに観光客の増加が期待されている。

最大のポイントは開放感あふれる空間作り

「みやこ下地島空港ターミナル」の最大の特徴は、リゾートを意識したデザインだ。到着した瞬間からバケーション気分を盛り上げる豊かな緑や自然光、木材を効果的に使った内装が美しい。

チェックイン棟は沖縄らしい赤瓦が利用されている

 チェックイン棟は高い天井と開放感たっぷりで、まさにリゾート気分。空港ターミナルビルとしては全国初のCLT(直交集成板)と呼ばれる大判パネルを屋根の構造材として採用。断熱性が高くコンクリートに比べ熱を中に溜めないため快適な空間づくりをサポートしてくれる。

「みやこ下地島空港ターミナル」は、空港ターミナルビルとして全国初の「ネット・ゼロ・エネルギービル」としての取り組みを行なう計画だ。「ネット・ゼロ・エネルギービル」とは、自然エネルギーの積極的な活用や効率のよい整備を導入することで、室内環境の質の維持と大幅な省エネルギー化を実現。さらに再利用が可能なエネルギーも採用し、エネルギーの自立度を高めて年間の一次エネルギーの消費量の収支をゼロにすることを目的とした建物のこと。今回、国が基準とするビルと比較し、一次エネルギーを約68%削減する予定となっている。

チェックイン棟には高い天井と風の通り道があり、自然とつながっているかのよう
カウンターの目の前は大きく開けている
天井は「アラワシ構造」でCLT(直交集成板)をそのまま見ることができる

 カウンターは12か所。固定ではなく、利用する際に航空会社が割り振られる。これは今後さまざまな航空会社就航し利用ができるようにとの配慮から。また、カウンターには業界標準のチェックイン端末を採用。自動チェックイン機も世界標準のため、新規就航時の航空会社側の初期費用の削減のメリットやスムーズな準備に繋がるとのこと。

12か所のカウンターは利用時に航空会社が割り当てられる仕様
自動チェックイン機は手前に5台
自動チェックイン機も世界標準。今後の新規就航もスムーズになる

旅のお楽しみ。限定メニューや開業記念アイテムが登場

 チェックインカウンター横のエリアには「the Shop」があり、「みやこ下地島空港ターミナル」限定の開業記念の泡盛やスイーツが盛りだくさん。泡盛の「豊見親」(2000円)はターミナルのロゴ入りの限定品。空港内でのみの販売となっている。また「島のみつ」(1080円~3024円、サイズにより価格が異なる)も地元産のハニーでパッケージもブルーで下地島らしさがあふれている。さらに「宮古島スティック」(1080円)も外せない。

 なお、スタッフのウェアはかりゆしウェアも展開する「スプラス」とコラボ。ショップ側はテキスタイルデザイナーが鳥や牛のスキなどの伝統的なモチーフを縞にし、KASURI(絣)として反映。カフェ側はクバやアダンなどを編み道具を生み出していたことからAMU(編む)をデザインしている

「the Shop」には限定品を始め食品からアクセサリーまで宮古島の欲しいが手に入る
泡盛の「豊見親」は開業をお祝いして発売
地元のハニーも。下地島ブルーなパッケージ
バナナケーキで有名なモンテドールの「宮古島スティック」も空港限定のパッケージ
特産品のマンゴー系のお土産も揃う
現代風にアレンジしたKASURI(絣)がポイントのスタッフユニフォーム。お隣の長居エプロンはAMU(編む)の柄

 旅の始まりや終わりに、ご当地メニューが頬張れるカフェ「coral port Grab & Go」も併設。「空港を楽しむ」をコンセプトに空港利用以外の人も利用ができる。「coral port Grab & Go」はバケットやドレッシングをお好みでセレクトし、サンドがオーダーできるカウンターサービス。伊良部島の有名店 友利のカツオなまり節がたっぷり&海ぶどうがアクセントの「友利さんのカツオなまり節&海ぶどう」(800円)や、スーパーフードのモリンガをアクセントに今が旬の完熟トマトの美味しさがぎゅっとつまった「トマト&アボガド&プロシュート」(800円)。地元産のハーブを使った「スモークサーモン&モッツァレラ」(800円)などがお勧め。アクセントに「シークワーサ」や「島とうがらし」「バイマックル」に「バルサミコ」のいずれかをチョイスして、ちょっとずつかけて味の変化も楽しめる。

サンドイッチを手軽にオーダーできる「coral port Grab & Go」
カウンターにはテリハボクを採用。電源タップも完備
オープンエア部分のテーブルでも味わえる
「友利さんのカツオなまり節&海ぶどう」「トマト&アボガド&プロシュート」「スモークサーモン&モッツァレラ」

 さらに、「みやこ下地島空港ターミナル」らしさと、この土地ならではの観光名所をミックスしたアイスキャンディ「RW17END」(価格未定)を発売。「下地島空港」内最大のビューポイントである「17END」をモチーフとしており、同エリアから見ることができる海そのままの美しさをアイスキャンディに閉じ込めている。こちらのアイスキャンディは、葛を使い溶けにくい南国仕様だ。

 なお、「17END」は3月23日より全面車両通行止めとなる。そのため、下地島ブルーを見たい場合は徒歩で「17END」まで行くことになるのも忘れずに。

3色のグラデーションとブルーが美しい「RW17END」
曇り空ながら「17END」へ
アイスのように本当に3色だった。快晴ならもっと青いと教えてもらえた

 ほかにもチェックイン棟には、観光案内所「島の情報 カウンター」も併設。各種ツアーの予約も可能だ。屋外には無料の駐車場とともにレンタカーの受付スペースも。オリックスレンタカー、OTSレンタカー、トヨタレンタカーの3社が利用可能。バス乗り場やタクシー乗り場も併設されているので、下地島内や伊良部島、宮古島への移動に活用しよう。

各種ツアーの予約や観光案内で利用したい「島の情報 カウンター」
目の前には駐車場が広がる。こちらからはレンタカーやタクシー、送迎で利用できる
オープン前だが、こちらのスペースでレンタカーの受付が行なえる

まるで離島のリゾートホテル! 出発前をくつろぎの時間に

 保安検査場を抜けるとラウンジ棟に到着。両サイドに大きな水盤と沖縄の建築様式である「ヒンプン」の壁が目の前に。邪気はまっすぐにしか進めないということで壁によりメインの棟を守るという位置付けで採用。水盤は地下水に周囲の海水などが混ざった海よりも塩分濃度の低い塩水。夏場は気温よりも低い温度の水があることで、クールダウン効果が期待される。

保安検査場の先には邪気を払う「ヒンプン」と両サイドに水盤が現れる
まるで周囲の海とつながっているかのような水盤
琉球石灰岩が効果的に配置されている。間接照明も設置され、夜は幻想的な雰囲気となる

「ヒンプン」の壁を通り、そのまま国内線・国際線共用搭乗待合室であるラウンジ棟内へ。こちらはチェックイン棟と関連性も保ちながら、より落ち着いた隠れ家リゾート的な印象。中央には「coral port LOUNGE Cafe & Bar」を併設。沖縄県産の高級木材・テリハボクを贅沢に使ったカウンターは手触りをぜひ確かめてほしい。質感を保つため、樹齢50年以上の原木をオイルフィニッシュ仕上げている。

国内線・国際線共用搭乗待合室のラウンジ
オープンエア部分もひさしがあるため日陰で涼しい。発着便を眺めながらのんびり
発着便をさらに間近にみたいならばスケルトン仕様の区画へ
カクテルなどが楽しめる「coral port LOUNGE Cafe & Bar」
宮古島では防風林として馴染みのある高級木材・テリハボクを使ったカウンター
反対側からカクテルなどのドリンクが提供される

 スタッフお勧めはラウンジ限定で味わえる「17END」(700円)。アロエやパイナップルジュースを使いトロピカルな味わいに仕上げている。シロップに黒糖を使い渋い甘みの「アロエモヒート」(700円)に、美しい下地島のサンセットをイメージした「コーラルサンセット」(700円)にブランデー。ハイビスカスを使った「カラクレナイ」(700円)も提供している。地元民が愛するおつまみやドリンクも用意しているので、出発までホテルのロビーでくつろぐかのようにまったりできるのだ。

ブルーが眩しい「17END」をはじめとする下地島や周辺をイメージしたカクテルたち
厳選した地元産の泡盛も飲み忘れ厳禁だ

 バー周辺にはショップやがっつりご飯が食べたい場合に重宝するカウンターサービスも。チェックイン棟同様に「the Shop」があり、買い忘れたアイテムが購入できるラストチャンス。その横には定食や飛行機シェイプのかまぼこが可愛い「宮古そば」(850円)や「佐良浜漁港のマグロ南蛮漬けセット」(1350円)。「宮古牛焼肉セット」(1800円)などフライトに備えて&ラストに宮古の味を頬張れる「the Kitchen」と至れり尽くせりだ。

チェックイン側に比べサイズは小さいが定番からお酒まで揃った「the Shop」
しっかり食べられる定食などもラインアップする「the Kitchen」

 広々としたラウンジ内には地元の工芸品も多数展示。宮古島の伝統工芸士金城氏が手がけたシーサーが一対。がじまる工房の宮古織のアートワーク。宮古木工芸のテリハボク木器やチガヤ工房のツヅカサなどが静かに時を刻んでいる。

宮古工芸ラウンジには、伝統的な工芸品とともに下地島の白砂とサンゴも展示
伝統工芸士金城氏のシーサーもバーの横に鎮座
宮古織のアートワークとともに青い空間が広がる

 さらにさまざまな手法で加工された琉球石灰岩にも注目したい。水盤周辺にはそのままの姿。ざらざらと加工がされた「ピンプン」。そしてバー横にはキューブ状に、ソファ横にはつるりとした触り心地と加工によって表情の変化する様子も楽しめるのだ。

キューブ状に加工され、ゴツゴツした質感の琉球石灰岩
つるっとした触り心地で大理石のような琉球石灰岩

 室内ではなく、自然の風と太陽を感じながらのんびりしたいならば、水盤の中にある水上ラウンジへ。搭乗待合室周辺とは思えないほどのラグジュアリー度でインフィニティプールのような場所だ。ぜひカクテル片手に写真を撮ってみよう。

水盤の内側には水上ラウンジ
カクテル片手に乾杯!

国内線はソファにどっかり長居してしまう心地よさ

 ラウンジ棟の奥には国内線の出発ゲートが2か所。こちらも上部からの採光で明るい雰囲気となっている。低めのソファが並べられ、通常の椅子が並ぶばかりの無機質な空間とは一線を画している。42cmのCLTが3段階の高さで使われ、空間が広く見える効果と同時に間から光が入る仕組みだ。なお、台風や強風対策のために上部にはガラスを使わず、ポリカーボネート素材をハニカム構造にし割れにくくしている。

 なお、国際線搭乗ゲートも1か所用意。ラウンジ棟の正面右側から入場する。基本のデザイン国内線とほぼ同一だ。一旦入ると免税店のみとなるため、時間を有効利用したいのならばラウンジ棟の中心部で過ごすことをお勧めしたい。

国内線の搭乗ゲート前の空間もスタイリッシュ
ゲートは2か所となっている。こちらはGATE1
GATE2のエントランス
国際線出発のためのエントランス。この先に保安検査場が続く
チェックイン棟、ラウンジ棟ともにひさしが深く出してある

 下地島エアポートマネジメント 常務取締役兼企画部長の平野敦士氏にもターミナルのこだわりについて伺うことができた。上記に紹介した部分はもちろんのこと、周辺環境を生かしたとりくみや、沖縄ならではの知恵をターミナルで採用したとのことだ。「扉を開け放ち、自然の風を取り込み心地よい空間、そしてホテルのロビーのような場所も目指しました。

 沖縄の建築方式を採用し直射日光があたらないように、ひさしをしっかり出しています。内側で熱を持つことがないようにとの工夫からです。これにより木陰に入って、風で涼むように建物内で快適に過ごせます。

 また、背の高い植物がいたるところにありますが、敷地内を整備する際に移植したものです。ラウンジ棟やチェックイン棟のデイゴも移植したばかりですが花が咲き、うまく根付いたのではないかと。元気に育つことを願っているんです」と話してくれた。

下地島エアポートマネジメント株式会社 常務取締役兼企画部長 平野敦士氏

ジェットスター・ジャパン片岡社長に下地島路線の重要性を聞いた

 今回の内覧会では3月30日に成田~宮古・下地島線、7月3日に関空~宮古・下地島線の就航が決定しているジェットスター・ジャパン 代表取締役社長の片岡優氏に話を聞くことができた。3か月前の工事中に訪れたという片岡氏は、「リゾートホテルのような素晴らしいターミナルができあがり、我々が逆にプレッシャーを感じているところです。まさにコンセプトである“空港から、リゾート、はじまる。”にぴったり。お客さまもリゾート地を求めてお越しになると思いますので、到着した瞬間からリゾート気分を味わっていただけると思います」とターミナルの出来を高評価。

ジェットスター・ジャパン株式会社 代表取締役社長 片岡優氏

 就航の決め手は「計画の段階から官民合わせて熱心に誘致活動をいただきました。会社としてチャレンジ精神をかきたてられまして、ぜひ新ターミナルが完成するタイミングで我々も新路線を就航したいという思いが合致し、今回の就航となりました。

 我々としては沖縄で2路線目となりますが、純粋なリゾート路線としては初めてです。本来LCCはリゾート路線を得意とするべきですが、今まではチャンスがありませんでした。今回チャンスをいただきましたので、得意とする低価格でリゾート路線を就航することにより観光資源の活性化、お客さまが年間を通して訪れることで観光の底上げができるのではという思いもあります。我々のなかでも初のリゾート路線として成功モデルにしなくてはならない!という気持ちでやっております」と話してくれた。

 また、販売に関しては「2018年11月の成田~宮古・下地島線発売時には1日で全座席数の7割を販売することができました。1週間で3000席強を販売し、ほかの路線に比べ短期間でたくさんの席をご購入いただけたという実績がありました。

 先日の関空~宮古・下地島線では2日で2800席強が売れ、成田路線以上に関西のお客さまにも大きな期待をいただいていると実感しています。運賃の最低価格が成田の6990円、関空の5990円が皆さまに届いたのだとも。搭乗率に関しては(全体で)8割後半なのですが、今の状況ですと(宮古・下地島線は)それ以上になるのではと考えております」と手応えを感じている様子だった。

スタッフとともに新たなターミナルで笑顔
みやこ下地島空港ターミナル 概要

開業日: 2019年3月30日
所在地: 沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1727番地
敷地面積: 3万2586m 2
延床面積: 1万2027m 2
規模・構造: RC造 一部鉄骨造及び木造(CLT)・地下1階 地上2階(旅客エリアは地上1階のみ)
空港施設: チェックインカウンター12か所、搭乗ゲート3か所、到着ロビー国際線・国内線各1か所、飲食店2店舗、物販店3店舗(免税店含む)、バス乗り場、タクシー乗り場、レンタカー受付カウンター、ATM