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祝! おおさか東線全線開業。JR西日本 来島社長「大阪東部を南北に結び、新幹線とのネットワークが完成」

新大阪駅~奈良駅の直通快速が運行開始

2019年3月16日 全線開通

JR西日本は3月16日におおさか東線を全線開業した

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は3月16日、「おおさか東線全線開業記念式典」を開催した。

 おおさか東線は、新大阪駅から八尾市の久宝寺(きゅうほうじ)駅間を結ぶ全長約20.3kmの路線。放出(はなてん)駅から久宝寺駅までの南区間(約9.2km)は2008年3月に開業、そして新大阪駅から放出駅までの北区間(約11.1km)がこの日開業した。なお、久宝寺駅からは大和路線で奈良駅まで接続する(関連記事「おおさか東線 新大阪駅~放出駅に試乗してきた。前面展望写真で新規開業区間を紹介」)。

新大阪駅から放出駅までの北区間が開業。久宝寺駅からは大和路線で奈良駅まで接続する
テープカットとくす玉開披

 同日行なわれた開業記念式典では、まずJR西日本 代表取締役社長の来島達夫氏があいさつを行なった。来島氏は、「このおおさか東線の具体的な検討を始めてから約40年が経った。この間、計画や工事に携わられた皆さまの力添えをいただき、今日という日を迎えることができた」という。

西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 来島達夫氏

 そして、おおさか東線が全線開通した意義として、大阪東部を南北に結ぶネットワークができたことを挙げ、「これまではほかの民営鉄道や大阪メトロ、そして弊社の東西方向の線区があったが、それを南北に結び、さらに新大阪駅までつながることで、新幹線とそれぞれの線区のネットワークができ、東西の線区を利用するお客さまの使いやすさを高めることができた」とメリットを説明。

 大和路線経由で奈良まで直通運転が行なわれることにも触れつつ、「国内外の多くの観光客の皆さま、そして地元の通勤・通学で利用される皆さまに、安心して利用していただけるように努める」と語った。

 大阪外環状鉄道 代表取締役社長の野本康憲氏は、「計画から実現にいたる長い年月のなかで、行政の方々、JR西日本の方々、地元の皆さまのご理解とご協力がなければ今日のこの日を迎えることはかなわなかった」と謝意を述べた。

 そしておおさか東線の14駅のうち、9つの駅で13の路線と結合しており、これによって新しい鉄道ネットワークが完成したと説明したうえで、「日本全国から多くの方々がおおさか東線の沿線に来ていただくことで、人々の交流が一層活発になり、沿線地域、ひいては大阪全体の発展に寄与することを願っている」と話した。

大阪外環状鉄道株式会社 代表取締役社長 野本康憲氏

 国土交通副大臣の大塚高司氏は、「大阪の玄関口である新大阪と、古都奈良の文化財として世界遺産リストに登録されている奈良が直接列車で結ばれ、新たな広域観光ルートが誕生することになる。国土交通省としても、新大阪駅、関西国際空港、大阪国際空港をはじめとする交通ネットワークの強化、訪日外国旅行者のさらなる誘致促進など、関西経済活性化のための取り組みをこれからも積極的に推進していきたい」と今後の抱負を述べた。

国土交通副大臣 大塚高司氏

 最後に、大阪府副知事の竹内広行氏と大阪市副市長の田中清剛氏がマイクに立ち、それぞれ大阪府知事の松井一郎氏、大阪市市長である吉村洋文氏の祝辞を代読。

 竹内氏は「新大阪駅は、将来リニア中央新幹線や北陸新幹線が乗り入れ、国内外から多くの人が訪れる一大ターミナルとなる予定である。大阪関西の成長と発展を牽引する地域として、おおさか東線の開業もこの追い風になるものと期待している」という松井氏からのメッセージを紹介。

 田中氏は「今回新たにJR淡路駅、城北公園通駅、JR野江駅が開業する。地域の歴史や特性を活かした、それぞれ個性ある駅が整備されることになり、地域に愛され、地域の個性豊かな街作りにつながるものと考えている」という吉村氏の祝辞を読み上げた。

大阪府副知事 竹内広行氏
大阪市副市長 田中清剛氏

 このあと、テープカットとくす玉開披が行なわれ、10時17分発、直通快速奈良行きがJR西日本 新大阪駅長 小栗茂雄氏の合図で発車した。

JR西日本の小栗茂雄新大阪駅長が合図を行ない、新大阪から奈良への直通快速が発車した
当日の新大阪駅には、白いスマートイコちゃんも現われた
おおさか東線ホームの駅名標
おおさか東線の路線記号は「F」で、新大阪駅の駅ナンバーは「JR-F02」となる
おおさか東線ホームの電光掲示板
新大阪駅のおおさか東線ホームは1番と2番で、新幹線からも乗り換えやすい
10時17分発の直通快速奈良行きの社内で配布された直通快速乗車記念証
奈良駅では、おおさか東線の全線開通を祝うイベントも行なわれていた