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【TRENZ 2017】急成長を見せるニュージーランド観光の商談会「TRENZ 2017」レポート(その2)

ニュージーランドの主要都市やマオリ文化に触れられる北島のスポット紹介

2017年5月9日~12日(現地時間) 開催

ニュージーランド最大のツーリズム商談会「TRENZ 2017」

 ニュージーランド最大の旅行業界の商談会「TRENZ」が、オークランドのクイーンズ・ワーフにあるThe CloudとShed 10で、5月9日~12日(現地時間)に開催された。ニュージーランド政府観光局によるツアーに参加して本イベントを取材した内容を紹介する。

 TRENZは1年1度行なわれるイベントで、2017年はニュージーランド各地の観光業者や地方観光局など約300の企業・団体が出展。29カ国から約380名のバイヤーが集まった。会場となったThe CloudとShed 10には、前者に北島関係、後者に南島関係のブースが配置され、ITシステムを活用した出展者(セラー)とバイヤーのマッチングシステムによって、活発な商談が行なわれていた。

 本稿では、北島内の地方観光局や主要なランドオペレーターを中心に、各地のブースで聞いた見どころを紹介したい。

 地図を見れば一目瞭然なように、ニュージーランドはクック海峡を挟んで大きく北島、南島に分かれている。北島には首都であるウエリントン、ハブ空港があり経済的にも中心都市となっているオークランドがあるほか、ニュージーランドの先住民であるマオリの文化、伝統に触れられるスポットも多い。

ウエリントン

 北島の最南部に位置するニュージーランドの首都であるウエリントン。湾に面した美しい街で、グルメの街として魅力があるといい、ダウンタウンにはレストランやカフェなどが充実。カフェめぐりを楽しめるという。また、都市部からクルマで30分も走れば郊外に出て自然を満喫でき、南島へ渡るフェリーも出ている(片道約3時間)。

 中心部の観光スポットとして国立博物館の「テ・パパ・トンガレワ」が挙げられた。この博物館はインタラクティブな体験型展示が多いことを特徴としており、体に刺激を受けながらニュージーランドの歴史やマオリの文化を知ることができる。

 さらに、ニュージーランドの国会議事堂からクルマで10分ほどという距離にあるジーランディアも見どころとして挙げられた。ここは500年かけて渓谷の本来の(人間が来る前の)自然を取り戻すという壮大なプロジェクトが進められており、都市部から短時間で行ける距離でありながらキーウィに出会うこともできるという。

Webサイト:ウエリントン

Wellington Regional Economic Development AgencyのJo Heaton氏
湾を囲むようなウエリントンの街並み(C)Ian Trafford
国立博物館「テ・パパ・トンガレワ」(C)Te Papa Museum

オークランド

 ニュージーランド最大の都市であるオークランドは、日本からの直行便もあることから、ほとんどの日本人が最初に訪れることになる都市でもある。とはいえ、別記事(【TRENZ 2017】急成長を見せるニュージーランド観光の商談会「TRENZ 2017」レポート(その1)羽田線開設への期待からニュージーランド航空やオークランドが日本にフォーカス)でもお伝えしたとおり、オークランド空港で降りて、もしくはそのままニュージーランド国内線へ乗り継いでほかの都市へ行く人も多く、観光地やビジネスの街としていかに立ち寄ってもらうかが課題となっている。

 別記事でも触れたとおり、オークランドの特徴はその多様性にあるといい、コンパクトなエリア内でさまざまな体験をできることが魅力だ。例えば、都市観光としてショッピングや文化遺産に興味がある場合の訪問先をブースで尋ねると、ショッピングをしたいなら「ブリトマート」、文化財に興味があるなら「オークランド博物館」とすぐに行き先の候補が挙がる。その間の距離も1km未満の近さだ。

 ニュージーランド最大の都市ではあるが自然にも恵まれており、オークランドの東側、フェリーターミナルから30分ほどで行ける「ランギトト島」は、600年前の噴火で生まれた若い火山島で、オークランドから日帰りで行けるツアーなどもあって手軽に楽しめるという。逆に西海岸のワイタケレ」には原生林が広がっており、人類初のエベレスト登頂で知られるニュージーランド出身の登山家、エドモンド・ヒラリーの名を冠したトレッキングコース「ヒラリー・トレイル」なども整備されている。

 オークランド観光局は、TRENZ 2017において、ラグビー日本代表の元ヘッドコーチのジョン・カーワン(John Kirwan)氏を観光大使に任命しており、2019年のラグビーワールドカップ日本開催や2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本市場への売り込みに同氏の知名度やコネクションも活かしたいとしている。

Webサイト:オークランド

Auckland Tourism, Events and Economic DevelopmentのSharmila Patel氏
オークランドの街(C)Tourism New Zealand
ブリトマート(C)Camilla Rutherford
オークランド博物館では先住民がニュージーランドへ入植した時代からの歴史を学べるほか、毎日ハカのショーも実施している
オークランド西岸の撮影スポット「ライオン・ロック」(この日は天気がいまひとつだが)

タラナキ

 富士山のように美しいタラナキ山を抱く同エリア。このタラナキ山の登山は人気のアクティビティで、同エリア最大の都市であるニュープリマスに滞在していれば、朝の7時~8時ごろに迎えに来て、トレッキングや急流下りなどのアクティビティに案内してくれるツアーもある。ニュープリマスは海岸沿いの街なので、サーフィンなどのビーチスポーツも楽しめるという。

 ニュープリマスの街は文化面の魅力もあり、キネティックアートの先駆者であるレン・ライの名を冠する「レン・ライ・ミュージアム」のほか、アート、音楽に関するイベントも多数行なわれている。また、ニュープリマスの海岸沿いには遊歩道が整備されており、のどかな空気に包まれて過ごすのもよい土地になっている。新しい宿泊施設も続々と建てられているとのことだ。

Webサイト:Taranaki

Venture TARANAKIのSarah Ellem氏(左)とGemma Leathem氏(右)
ニュープリマスの街(C)Rob Tucker
レン・ライ・ミュージアム(C)Patrick Reynolds

ハミルトン&ワイカトエリア

 オークランドからクルマで南へ走ること1時間~1時間半ほどと手軽にアクセスできるハミルトンは、中心をワイカト川が流れるのどかな街。「ハミルトン・ガーデン」と呼ばれる、日本庭園などさまざまなテーマに沿ったガーデンを集めた施設もある。

 このハミルトンのあるワイカトエリアは酪農が盛んな地域で乳製品が豊富なのも魅力だという。また、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「ホビット」シリーズの撮影地である「ホビトン・ムービーセット」や、洞窟のなかで光る土ボタル(グローワーム)を鑑賞できる「ワイトモ」も、ハミルトンから1時間足らずの場所となる。

 モデルコースとして、オークランドからハミルトン中心部へ行き、まずは有名なアイスクリーム屋さん「Duck Island Icecream」へ。その後、やや南のケンブリッジへ行き、チーズやバターなどの乳製品を堪能。そして東のホビトン・ムービーセットや、西南のワイトモへ行くのがお勧めと紹介があった。

Webサイト:Hamilton & Waikato

Hamilton & Waikato TourismのRebecca Evans氏(左)とLily Craig氏(右)
ハミルトンガーデン(写真提供:Hamilton & Waikato Tourism)
ワイトモのグローワーム(写真提供:Hamilton & Waikato Tourism)
ホビトン・ムービーセット(写真提供:Hamilton & Waikato Tourism)

ロトルア

 北島の主要観光地になっているロトルアは、オークランドから飛行機で訪れるのが一般的なルート。地熱地帯として知られており熱泥池や間欠泉などが見られるほか、原生林や多数の湖といった自然も見どころで、フィッシングやトレッキング、ラフティング、ジップラインなど、自然のなかで楽しむさまざまなアクティビティが提供されている。ニュージーランド観光の主目的に挙げられることが多い自然に親しむ旅をしたい人にお勧めの場所になっている。

Webサイト:Rotorua

マオリの伝統工芸を体験できる「テ・プイア」

 このロトルアで、マオリの伝統文化体験をできるスポットが「テ・プイア」。マオリ伝統のカービングなどを勉強できる施設で、一度は失われかけたマオリのアイデンティティや伝統工芸を後世に伝えるうえで、非常な重要な施設となっている。3~5年かけて本格的に学ぶスカラーシッププログラムもあるが、もちろんビジター向けのアクティビティも用意している。

 さらに、マオリの伝統的な料理法である、間欠泉の蒸気を利用した料理も楽しめる。テ・プイアでランチボックスを受け取り、それを間欠泉のスチームで温めながら、南半球最大規模の間欠泉である「ポフツ・カイザー」を見て過ごす、といったことができる。

 テ・プイアでは、同地を訪れた人向けだけでなく、海外に行ってマオリの伝統を伝える活動「トゥク・イホ」も、米国を中心に展開している。2019年のラグビーワールドカップ開催に合わせて、日本でも活動を計画しているという。

Te PuiaのSean Marsh氏
間欠泉(写真提供:Te Puia)
マオリ美術工芸学校(写真提供:Te Puia)
間欠泉の熱を利用したスチームボックス(写真提供:Te Puia)

ノースランド

 北島の最北端、すなわちニュージーランドの最北端でもあるエリアがノースランド。最北端のレインガ岬は定番の撮影スポットになっている。オークランドからクルマで2時間ほどのところにあるファンガレイが中心地で、そこからさらに北へ細長く伸びる土地が続く。その東海岸、西海岸にそれぞれ異なる魅力があるのが同地の魅力だという。

 東海岸はファンガレイの北方にあるベイ・オブ・アイランズ周辺が見どころで、ラッセルの街では周辺でゴルフを楽しむなどしてラグジュアリーな滞在が可能で、多くの人が余暇を過ごしに訪れるという。さらにベイ・オブ・アイランズには多くの島が浮かび、クルーズではその島々を眺めたり、イルカなどにも出会えたりするそうだ。そして、ベイ・オブ・アイランズの北西部にあるワイタンギは、マオリと入植してきたイギリス人との間で条約が結ばれた地で、ニュージーランド建国ゆかりの重要な場所となっている。東海岸は、さらに北に行ってもバリエーション豊かな地形が広がっている。

 その東海岸に比べると西海岸は直線的な地形になっており、北方のナインティマイルビーチ(実際には90マイルより短いらしい)では、砂丘を滑り降りるサンドスキーを楽しめるほか、ツアーなどに参加すれば4WD車でビーチを疾走するアクティビティが提供されている。

 また、ノースランド南方にあるワイポウア・フォレストはマオリの文化が色濃く残っており、ショートウォークやハイキングなどをマオリのガイド付きで楽しめるという。

Webサイト:Northland

Northland Inc.のSarah Yeates氏
レインガ岬(C)Anthony Ko
ベイ・オブ・アイランズ(写真提供:Northland)

コロマンデル

 オークランドから湾を挟んだ向こう側に見えるコロマンデル半島は、オークランドからフェリーに乗って2時間ほどで行ける、海外からの観光客も手軽に行ける場所。オークランドからフェリーに乗ってコロマンデル地域を見てまわって夜にはオークランドに戻る1日のツアーも用意されているという。

 ここも自然豊かな地域で、西岸にあるコロマンデルの街から北に行けばハイキングやサイクリングなどを楽しめる森林、渓谷に恵まれている。自然に囲まれた静かな宿泊施設も多く、用意された望遠鏡で星空を楽しめるロッジもあるとか。オークランドからのショートトリップだけでなく、のんびりと過ごすにもよさそうな場所だ。

 また、東海岸のマーキュリー湾に面するフィティアンガの街周辺では、特にカセドラル・ケーブと呼ばれる海岸沿いの観光地が知られており、「ナルニア国物語」の印象的なシーンでもロケ地として使われたという。また、そこからほど近いところにあるホットウォータービーチは、その名のとおり温泉が湧き出るビーチとなっており、スコップで穴を掘って自分でお風呂を作って楽しめる。干潮時の2時間ほどがチャンスで、周辺に多数ある宿泊施設を利用すればスコップを借りて手軽に楽しめる。

 コロマンデル地域はシーフードも目玉とのことで、多くの海の幸を味わえる。フィティアンガでは9月(2017年は9月16日)に毎年恒例のホタテ・フェスティバル(Whitianga Scallop Festival)が開催され、多くの人で賑わうという。

Webサイト:Coromandel

Destination CoromandelのLynette Dey氏
カセドラル・コーブ(C)Legend Photography
ホットウォータービーチ(C)Adam Bryce

ホークスベイ

 北島東海岸のホークスベイは、オークランドからは飛行機が多く飛んでおり、ウエリントンからはクルマで4時間ほどの場所にある。大きく2つの街がそれぞれの特徴を持ったエリアとなっている。

 1つ目が北側にあるネーピアで、大地震で壊滅的な被害を受けたあと、1930年代に再建され、アールデコ建築が数多く見られる街となった。そのアールデコ建築を観光資源としており、毎年4万人ほどが集まるアールデコ建築のフェスティバルも開かれる建築文化に満ちた土地となっている。また、周辺は林業も盛んで、ティッシュペーパーなどのブランド「ネピア」は、王子製紙がこのネーピアの地に工場を設立したことに由来している。

 また、ホークスベイ沿いのエリアにはゴルフコースも多く、のんびりと滞在できるラグジュアリーなロッジが多いという。

 もう1つのエリアが南よりのへースティングスで、こちらは周辺に多数のワイナリーが集まる地域。このうち30数カ所のワイナリーでテイスティングを楽しめるといい、おしゃれな宿泊施設も多いとのことで、ホークスベイエリアは北島の主要観光地のなかでも、ほかとは少し違った旅をできるエリアとなっている。

Webサイト:Hawke's Bay

Hawke's Bay TourismのHamish Evans氏
ホークスベイ沿いのゴルフコース(C)Miles Holden
ワイナリー(C)Chris McLennan