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国交省、近畿圏の高速道路料金の改正案を発表

2017年6月実施予定。経路によらず起終点間の最短距離で料金設定

2017年6月3日 実施予定

近畿圏の新たな高速道路料金の改正案を発表

 国土交通省 道路局は3月31日、近畿圏の新たな高速道路料金の改正案「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」を発表した。この改正案は、2017年6月3日から導入予定。内容は、対距離制を基本とした料金体系の整理・統一とネットワーク整備などが行なわれる。

 料金体系については、近畿圏の料金水準を現行の高速自動車国道の大都市近郊区間の水準に統一、対距離料金制を導入する。この導入により新料金に変わる道路は、阪神高速(阪神圏)・近畿道・阪和道(長原IC~岸和田和泉IC)・西名阪道・第二京阪道路・京滋バイパスの6道路。

 また車種区分を軽自動車等・普通車・中型車・大型車・特大車の5車種区分に統一、阪神高速が2車種から5車種、近畿道・阪和道・西名阪道が4車種から5車種に変更になる。

近畿圏の新たな高速道路料金の概要
近畿圏内の料金水準の整理・統一
近畿圏内の車種区分の整理・統一

 対距離料金の移行による当面の処置として、阪和道、西名阪道、第二京阪道路のETC車は利用距離に応じた料金へ移行する。阪神高速や現在均一料金となっている近畿道、阪和道、西名阪道、第二京阪道路については、物流への影響や非ETC車の負担増などを考慮して上限料金などを設置する。

 ネットワーク整備については、高速道路会社であるNEXCO西日本と一体的なネットワークを形成している路線で、地方道路公社などの管理区間は、合理的・効率的な管理を行う観点から、NEXCO西日本で一元的に管理を行なう。南阪奈有料道路、堺泉北有料道路のNEXCO西日本移管については2018年4月1日に実施予定(移管に合わせ新料金を導入)、また、阪神高速・京都線の油小路線・斜久世橋のNEXCO西日本移管および阪神高速・京都線の新十条通の無料開放についても、2019年4月1日に実施予定としている(移管に合わせ新料金を導入)。

 大阪および神戸都心部への流入に関しては、料金面で不利にならないよう交通分散の観点から、ETC車について経路によらず起点と終点間の最短距離を基本に料金を決定するという。

都心部への分散流入
近畿圏内の高速道路ネットワーク整備
近畿圏の高速道路ネットワークにおける管理主体の統一

 阪神高速の大口・多頻度割引については、物流を支える車の負担が大幅に増加しないよう、2032年3月末まで現行の最大30%を継続するとともに、大阪・神戸都心部を通行しないETC車には最大35%まで割引を拡充するという。この改定案が施行されたときの例として、例えば、大阪都心部発着の場合、阪神高速の守口線、東大阪線、松原線のうちどのルートを選んでも、起点、終点間の最安料金と同一になる。

 各道路の具体的な料金については、NEXCO西日本(西日本高速道路)のWebサイト阪神高速(阪神高速道路)のWebサイトを参照のこと。

阪神高速の大口・多頻度割引について
今後のスケジュール